「思いがけず良い映画に出会いました」ウォルト・ディズニーの約束 モカさんの映画レビュー(感想・評価)
思いがけず良い映画に出会いました
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メリーポピンズ制作の裏話の映画、くらいにしか思っていなかったため、想像以上に感情を揺さぶられ、面食らいました。
メリーポピンズを見たことも、原作を読んだこともないのですが、パメラ・トラバースという人の人生そのものがこの映画の主題になっているため、「?」となることはありませんでした。
この地球にはたくさんの人間が居て、街を歩く人々は皆幸せそうに見えるけれど、人はそれぞれいろいろな背景を抱えて生きている。
皆、めったに口にはしないけれど。
パメラのお父様はきっと、男として、父としての自分の理想像と、現実のギャップに苦しんでいたのだろうと思いました。パメラはそれを知っていたから余計にやるせなく、無慈悲な現実へ失望し、心を閉ざしたのでしょう。
この映画を観て涙した人は、パメラがメリーポピンズの試写会で完成した映画を観ながら子供のように泣きじゃくるシーンを観て、自分自身も救われたような気持ちになったのではないでしょうか。「バンクス氏は大丈夫。」映画の中でお父様が救われることによって、パメラの中で延々と渦巻いていた過去の記憶が昇華された。創造(クリエイト)によって人を救えるってすごいことです。
とても素晴らしい映画で、劇場で観て良かったと心から思いました。過去と現在がテンポよく入り交じるため、息を吐く暇もなく、物語にぐいぐい引き込まれました。この豪快なリズム感はディズニーひいてはハリウッド映画独特のもの。また、パメラの心情が徐々に変化する様子の描写は、少しでも不自然さを感じさせると一気にしらけてしまうと思うのですが、無理なく自然に描かれていました。さすが、の一言です。
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