「どっちつかず」ウォルト・ディズニーの約束 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
どっちつかず
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メリーポピンズは子供の頃に観ていたが傘で空を飛んじゃう魔法使い、みょうちくりんな呪文の歌くらいの印象しか残っていない。お金は欲しいがディズニー流の改変は耐えられないというなら降りれば良いだけ、妙にぶれるからおかしくなる。第一、数々の名曲を産み出したシャーマン兄弟に罪はないのに巻き込まれて罵倒されたりと気の毒千万。
原作者の頑ななこだわりの裏には少女時代の辛い思い出があるらしいことは分かるが英国貴族を気取った傲慢な振る舞いは如何なものか、無理難題に応えて映画化を達成したディズニーは偉いと言いたいのだろうか、まあ、メリーポピンズのメイキング秘話くらいの意味はあるのだろうが、あらたまって映画化するほどのヒューマンドラマには思えませんでした。
母親が入水自殺を図るのは夫の死後の話らしい、映画では自分になつかず父親べったりの娘へのあてつけのように描かれる、そんな脚色をする意図が読めない。
約束と言っても作者との約束なら殆ど反故にされているし、守ったのは娘との映画化の約束の方でしたね。ディズニーが自分の不幸話を持ち出して説得するくだりは安っぽいし史実ではロンドンには出向いていないという。同様に運転手の娘の話も同情をかうような脚色だからトラバース夫人が生きていたらメリーポピンズどころか本作も揉めたでしょうね。
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