プレーンズのレビュー・感想・評価
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Working Class Hero. 逆説的にピクサーの凄さがわかる一作。
乗り物が生き物の様に暮らす世界を舞台にしたレース・アドベンチャー映画『カーズ』シリーズのスピンオフにして、レーサーに憧れる農業用飛行機ダスティの挑戦を描く『プレーンズ』シリーズの第1作。
田舎町プロップウォッシュ・ジャンクションの農薬散布機ダスティは、世界一周レースへの出場を夢見て日々飛行訓練を重ねていた。ダスティはレースの予選会に参加するべく、大戦時の英雄と噂される老戦闘機スキッパーに教えを乞うのだが…。
主人公、ダスティ・クロップホッパーの日本語吹き替えを務めるのは『のだめカンタービレ』シリーズや『アヒルと鴨のコインロッカー』の永山瑛太。
日本代表のレーサー、サクラの日本語吹き替えを務めるのは『時をかける少女』『サマーウォーズ』の仲里依紗。
『カーズ2』(2011)のDVD/Blu-ray映像特典として収録されていた短編、『飛行機メーター』(2011)の中で制作が仄めかされていた「飛行機の映画」だが、それが形となったのが本作。
設定は多少変更されているが、舞台となるプロップウォッシュ・ジャンクションやメインキャラクターのスキッパー&スパーキーはこの短編から引き継がれている。
「あれ?ピクサーお馴染みの電気スタンドがぴょこぴょこ跳ねるあのオープニングロゴがないぞ?」と不思議に思った観客も居られるだろうが、実はこれピクサーは製作に携わっていない。
製作を務めるのは、2018年に閉鎖されてしまったスタジオ「ディズニートゥーン」。これは名作ディズニー映画のOVA続編やスピンオフを多く手掛けていたテレビ/ビデオ映画専門のスタジオで、そのラインナップは『アラジン ジャファーの逆襲』(1994)に『ライオンキング2 シンバズ・プライド』(1999)、『シンデレラⅡ』(2002)、『ムーラン2』(2004)など、なんとも香ばしい珍作揃い。『ターザン2』(2005)や『きつねと猟犬2』(2006)なんて誰が観たがるんだっ!?
という訳で、本作も当初はOVAとしての販売が予定されていたのだが、ディズニーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであり『カーズ』シリーズ(2006-)の生みの親、ジョン・ラセターの判断により急遽劇場公開へと舵が切られた。
結果としてこの判断は大成功!約5,000万ドルの製作費に対し、2億4,000万ドルを超える興行収入を叩き出した。まぁ子供は飛行機大好きだもんね。流石ラセター、商売人としても超一流である。
興行的にはヒットしたが、作品のクオリティとしては…。元々OVAだったのだから、そこは推して知るべし。
画面の密度はスカスカ、キャラクターの演技はぎこちなく、テクスチャものっぺりしていて実在感がない。ピクサー製作の本家『カーズ』シリーズとは比べ物にならない、何というかペラッペラしたアニメーションとなっている。
ストーリー面はまぁ特に書く事が無いというか…。いかにもディズニーらしい毒にも薬にもならないお伽話で、貶す所もないが褒める所も別にない。
何で世界大会の予選が草レースみたいな会場で行われてんだよっ!!とか、どうせ沈むんなら海軍の原子力空母に不時着する展開丸々要らんかったやろっ!!とか、言いたい事は山ほどある訳だが、そもそものクオリティがほどほどな為、そこにいちいち目くじらを立ててもしょうがない。「こんなもんでよかんべイズム」で作られている事がめっちゃ透けて見えるので、観客もテキトーに観るのが正解なんだと思う。
とはいえ、「空飛ぶ耕耘機」と揶揄されるダスティが並み居るレース専用機を押し分けて優勝出来た理由付けが無いのは流石にちょっと頂けない。積んでるエンジンもボディの構造も、何から何まで違うんだからちょっとやそっと農業用飛行機が訓練したからって勝てる様になるとは思えない。しかもダスティは高所恐怖症で高高度の飛行は出来ないという縛りまであるのに…。
『ロッキー』(1976)じゃあるまいし、これ根性論で何とか出来るレベルじゃねーから!
映画として観るべきところは特に無い。非常に凡庸なアニメーションで、逆にピクサーの技術力の高さがわかるという点においてのみ価値がある作品である。
ただ、ニューヨークやインド、ドイツといった世界都市が描かれていたり、この世界にも世界大戦があったという事実が明らかになったりと、一応『カーズ』ワールドを拡張する事には成功している。タージ・マハル等の歴史的建造物が出て来ると、一体誰がいつ作ったんだ?とか要らん事がチラチラ頭をよぎるが、まぁそこは今更考えても仕方がない。元々が無理のある設定なんだから。
何にせよ、戦争時代を舞台にしたスピンオフなんかはちょっと興味ある。『カーズ』でガチ戦争映画をやるっていうのは良いアイデアだと思いますよディズニーさん!
ストーリーに決定的な穴があり
もともと『カーズ』の世界観に強い拒否反応があり、そのキャラクター達がどうしても好きになれないという好みの問題が。
当然、スピンオフの本作もなかなか見ようという気になれず、ほっておいたのですが、見てみるとまぁ楽しめるレベルではあるかなぁ…みたいな。
煮え切らない感想ですが、お話はしっかりしています。
あの隠居した老戦闘機の秘密が明かされるまでは、そう思っていました。
「うそ」って…。あんまりじゃないかな。
せめて、そうせざるを得ない事情があったことにしておかないと、格好がつかないでしょう。
さらに、この世界における退役=死の定義をはっきりと描写しておかないと、彼らが何を恐れて、何を誉れとするのかがあいまいなままです。
そこがはっきりしないまま、物語が進行するので、「何でもあり」の世界観になってしまっています。
たとえばダスティは高所恐怖症をハンデとして負っていますが、なぜ高いところが怖いかというと「落ちたら死ぬ」という本能的な恐怖があるからでしょう。
では、落ちた航空機がどんな運命をたどるのかが、描かれてしかるべきです。
終盤、ダスティは墜落しますが、それは話の流れであって、「死の定義」とは意味が違います。いわば演出上の振り子の振り幅に過ぎません。
その決定的な部分が抜け落ちているために、ラストの爽快感もいまひとつの印象が強いのです。ちょっと残念。
カーズはピクサー制作
こういうレース(話)、何周目…?
『カーズ』のスピンオフ…と言うより、ユニバース的な同じ世界観の別の話。
あちらはピクサーだが、こちらはディズニーで製作。
正確には“ディズニー・クラシック・アニメーション”の部類ではないが、一応ディズニー作品ではありながら、劇場どころか新作レンタルでも見てなかった。
飛行機レースに憧れる農薬散布機のダスティ。
予選に出場したところ、運も味方してまさかの入賞。世界一周の飛行機レースに参加する事に…!
挑戦。冒険。
アドバイスしてくれる事になった老戦闘機。若輩者は年長者の教えを乞う。
応援、支えてくれる仲間の存在。
皆と違うからと嘲笑や嫌がらせの対象。
さらにダスティにはあるコンプレックスが。それは、飛行機でありながら…。
苦難や自分の弱点をどう乗り越えるか。
諦めない心。勇気。
夢に向かってーーー。
愉快なキャラに笑い、スリル、感動…。
ディズニー作品お馴染みの言葉が並ぶ王道ストーリー。
そう、お馴染み過ぎるのだ。
ほとんど『カーズ』の焼き直しで、話の展開も設定も何もかも、こういう作品、百回は見た事ある気がする。例えば、『ベイブ』とか。
まあ確かにレース・シーンはなかなか迫力あり、分かり安く見易く、気軽には楽しめる。
でも、同じレースを何回も繰り返したような、新鮮な爽快感は無かった。
元々ビデオ作品予定だった事も頷けるほど、色々と軽い。
分かりやすいストーリー
超つまらない
動作表現がスゴい
宮崎アニメの初期の頃、ハッとするようなアニメーション表現があったことを思い出すようななめらかな飛行機の動作に感動しました。飛行機各部の動きがリアルで、それを擬人化するのは並大抵の発想ではないと思います。
あと、スキッパーが『41年のウェーク島では厚い積乱雲に部下をやられた』とか言いますが、コルセアのデビューは43年のガダルカナルかニューギニアなので、スキッパーつまりコルセアは嘘をついてるな!?と思わせる細かさが、一体誰向けのネタ!?と感動しますた。
最近のディズニーアニメはアニメーションを革新しようという気迫が感じられて目が離せません!
カーズとはやはり別物。
なんで高所恐怖症の農業用飛行機が飛行機レースに出れるの?
その疑問が解消されないままストーリーが進んでいき納得感ゼロ。
飛行シーンはスピード感があってよかったけど
大人も楽しめる子供の映画じゃなくて子供が楽しめる映画。
諦めなければ夢は叶う。
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