「正義なんかない」ゼロ・ダーク・サーティ こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
正義なんかない
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9.11を引き起こしたアルカイダの
首謀者ビン・ラディンを追い暗殺する指令で動いているCIA。
冒頭の非人道的拷問の様子から、すでにどこもかしこも
戦場なのだと思い知る。
能力を買われて投入されたはずの主人公も、
待てばかりいう上司と、さらにその上も
大統領に忖度してGOを出してケツを持つ気がない。
CIAでさえそんなしょうもない組織の動きなのかと
観ていてもがっくり。
現場は常に死の淵に立たされているというのに。
ドキュメンタリーではないので現実と違う面もあるのだろうけど
関係者から聞き取った話しから構築されたという
内容はリアルに迫っているんだろう。
アメリカ側はテロを起こす方が悪いというのだろうが
彼らもまた幼い子たちの前で
家族親族を殺しているのだ。
どちらにも正義なんてありはしない。
あれほど執念で追いかけたターゲットの骸は
ちっぽけで痩せた貧相な男だった。
はたして充足が得られるのだろうか。
泥沼だ。
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