「表現(書きたいもの)があるか無いか」ばしゃ馬さんとビッグマウス ガミさんの映画レビュー(感想・評価)
表現(書きたいもの)があるか無いか
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この映画はいかに夢に決着をつけるかをテーマとしていますが夢を追い続けていく者と諦めていく者の対比を描きそのどちらにもエールを贈っている作品だと思いました。
シナリオライターを目指すきっかけこそ馬淵さん、天童共に大層な理由がある訳ではないもの、大口を叩くだけだった天童は書き続けるうちに『風俗嬢だった母親との関係』等自分が本当に書きたい事を見つけていきます。天童の書きたいテーマは他にも『ホームレス』とライトなものではないので彼はこの先も売れる事はないかもしれませんがマツキヨさんが書きたい事を書いた結果賞を受賞した様に書きたい事を書き続けていく限り可能性はゼロではないのだという事が示されていると思います。
一方馬淵さんは日々努力を重ねるも本当に心から書きたいというものが無いので社会問題を織り込みたいと言い介助のボランティアをしてまで書いた作品も中身の無いテーマがそれたものになってしまう。居酒屋で天童がシナリオライターを目指すきっかけを話し、それを聞き涙するシーンでは自分が天童の様に書きたい事があるわけで無い事に気づいた瞬間だと思います。最後に馬淵さんは夢を諦めるという決断をしますがその顔は晴れやかです。夢を追い続けることだけが人生ではない。この二人の対比を描く事でそのどちらの人生も肯定する監督の視点を感じました。
個人的には例えシナリオライターを仕事に出来なくても他の仕事をしながら書く、金にならない自主映画等のシナリオを書く等第三の道もあると思うので二人には書きたいと思う心があるならば書き続けて欲しいなと思いました。
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