「逆に… [長文 ネタバレあり注意!]」ばしゃ馬さんとビッグマウス らむさんの映画レビュー(感想・評価)
逆に… [長文 ネタバレあり注意!]
夢を自力で諦められなかったので、ネットで紹介されていたこの映画を観ました。
主演の麻生久美子演じるみち代と私は奇しくも同じ34歳。脚本を書いてもないのに、すごいもの書けると根拠のない自信を持つ関ジャニ∞安田演じる天童。
作品を観ていてとにかくこの天童の言動が腹立ちます。ストーリー展開が現実とギャップがありすぎて疑問を抱くことが多く、結果私は夢を諦めるどころか、逆に諦めれなくなってしまいました。正直よくこれで映画になったなと思います。
タイトルにばしゃ馬とありますが、みち代はひたむきではありますが、ばしゃ馬のようながむしゃら感を感じません。最後の脚本が自分自身のことなんて、ただでさえ面白くない日々を脚本にして誰が楽しめるのでしょうか?
登場人物に喋らせたいセリフがあってそれを元に話が作り上げられているように感じました。例えばみち代が元カレに泣きついて「抱いちゃった夢ってどうやって終わりにしたらいいか分からないんだもん」や「夢を諦めるのってこんなに難しいの?」また、みち代と天童両者ともに口走る「シナリオの参考に聞きたいんだけどもしも私が~(俺が)どうする?」とか。わざとらしく感じます。
現実世界はみち代のように“救い”なんて用意されてないです。みち代のように実家が旅館で帰る場所があって、未だに元カレに頼れたり、夢に付き合ってくれる友達がいて、好いてくれる年下の可愛い男の子がいる、そんなこと無いです。現実の30半ばの夢追い女を取り囲むものなんて、孤独と焦燥と虚しさと惨めさと恥ずかしさだけです。事実は小説より“苦”なりです。
ただ一つ救いだったのは、ビッグマウス天童が書いた作品がコンクールに落選したこと。いくら物語とはいえ、ろくに脚本書いてない人が通過、受賞していたら本当に興ざめでした。
この作品の最大の見所は麻生久美子の可愛い眼鏡姿です。