「おーるゆーにーどいず・トム。」オール・ユー・ニード・イズ・キル ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
おーるゆーにーどいず・トム。
劇場のラックに読み切りコミックお試し版があった。
手にした当時は特に今作に興味が湧かず、あーおトム様の
SFアクションねーくらいに思っていたので開かなかったが、
これが観た後では大違い!(爆)
一体原作はどうなっていたんだ?と気になって仕方がない。
大筋はほぼ同じだが、主人公は平兵士でラストもチト違う。
コミックはよりグロテスクで、おトム様の顔を見てた方が楽♪
しかし原作といい、コミックといい、実写版といい、
我らが日本の小説がハリウッドで評価されたことは嬉しい。
しかも、よくできている。脚本も演出も素晴らしいの境地。
戦い、死んで、スキルUP。とは、まさにゲームの世界。
タイムループが主人公に課され、何度も同じ経験をする
うちに、彼の経験値がどんどん上がっていく。この面白さ!
まったくゲームをしない私でも冒頭からの展開に大興奮。
またおトム様が、史上初の腰ぬけ臆病男を演じているのも、
予想をはるかに超えて(似合っている分)かなり笑える。
そしてこの情けない男が、いつもの彼らしくどんどん成長し、
やがてリーダーと化すところなんかもう、大興奮だ。
ケイジ(トム)とリタ(エミリー)の動向から目が離せなくなる。
最近の近未来は、やたらこんな物騒な世界ばかり描かれるが、
実際に人類を守るための戦闘社会となったらどうなるだろう。
しかも相手は侵略者ということで全く歯が立たず、負けは確実。
そんな中、もし何らかの方法で人類を救うことができるなら!
と、幾度も戦闘を試みる主人公には涙ものの共感が重なって、
ただ真っ直ぐぶつかるだけでなく、頭を使って磨き上げていく
スキル重視の描かれ方には、今までにない新鮮さが漲っている。
もっと頭を使え!ってのは日本からハリウッドへの進言かしら?
何でもできちゃうおトム様には頭が下がること必至の作品だが、
エミリーの兵士としての人格も素晴らしく、決して退き下がらず、
最後まで戦い続ける姿が、安易なラブロマンスに持っていかない。
殺されそうになってる最中で愛の告白やラブシーンを持ってくる
阿呆な戦闘映画にない、同志としての二人の姿は更に共感を呼ぶ。
(初対面の人に当てられたら、ループですか?って聞いちゃうかも)