劇場公開日 2014年7月4日

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「リセットボタンのある映画」オール・ユー・ニード・イズ・キル ao-kさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0リセットボタンのある映画

2014年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

主人公が何度も死に、何度も甦り、何度もやり直し、未知の侵略者の攻撃から人類を守ろうとする。正にゲームのリセットボタンが存在するような設定だが、この発想はなかなかユニークだ。

主人公が死ぬ度に最初の時間と場所にリセットされるが、記憶はそのまま。これがダメなら次はこっちの行動をとってみようと試行錯誤の連続。そのため、主人公が死ぬ度に観客は同じシーンを何度も見せられるが、その都度主人公の行動や選択が変わってくるので、意外と飽きることはない(映画では省略されているけど、その選択の場面に至るまで同じことを繰り返す主人公の苦労は相当のものだろうなと思わず想像してしまった)。

しかしこの作品、そのユニークな設定にだけに頼りすぎてしまったことが悔やまれる。リセットボタンという表現をしたが、登場人物が何ともゲーム的。死んでもまたやり直せるという特殊能力を使いすぎるあまり、死に対しての緊張感や恐怖が全くといっていいほど感じられないのだ。また、要所毎の試行錯誤も死ぬ度に選択を変えているだけなので、主人公自身の成長として捉え難い。同じ所でぶつかって、苦悩して、それでも立ち上がって…という描写が何とも薄味なのである。

もともとライトノベルが原作の本作。世界観や設定にケチをつけるのはナンセンスだが、主人公を中心に目まぐるしくカメラを回す映像やこれ見よがしに襲ってくる侵略者など何ともゲーム的な演出が目立つ。TVゲーム世代には受け入れやすいのかもしれないが、全体的な緊張感やカタルシスが今ひとつ足りないという印象が残った。

Ao-aO