「謎の敵VSフランキートム」オール・ユー・ニード・イズ・キル 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
謎の敵VSフランキートム
All You Need Is Kill見ました。
タイムループ作品はよくあるけど、これは何の工夫もなく、斬新な画もないフランキー将軍版マトリックス。
戦って、死んで、戻ってを繰り返すのを見せるのに、見せる時間を徐々に短くして要点のみを見せる手法は、ありきたりだけど話の進行にスピード感を生んでいてとても良かった。トムが途中で失敗したり、起こることを的中させる場面とかもコミカルになってて、とても面白かった。腕立てしながら転がって車に惹かれる所は笑ってしまいました。
中盤から終盤に怒涛の暴走トムが見れるわけだけど、特に説明もなく1人で雪山に向かう流れとかも、序盤の説明だらけの展開とは違って、ハラハラ感も感じることができた。良かった。
首を傾げた場面は、死を警告したにもかかわらずヘリコプターを発進させたヒロイン。その後にトムを暴走させるのに必要だったのかもしれないけど、そこまでの話の辻褄というかそーゆーのを無視した行動だし、進行を妨げた場面でしかない。無理矢理。
あとは、敵のマトリックスそのまんまの姿。正体の説明も特にないし、これは何者で何でこんなに強くて速いんでしょうか?今からでも説明してください。これを良しとした製作陣の根性は呆れるを通り越して尊敬します。
ラストのトムのぼっち感もなんとかしてあげたい。X-MEN F&Pのように、一言でいいから労いの言葉をかけてあげて欲しかった。話の構造上しょうがないようだけど。
総じて、普通の映画です。
でも2時間弱の尺は素晴らしい。これほどの大作でしたら、2時間半は当たり前の昨今ですが、これは無駄なシーンが少なくて飽きない造りしている。最近観た映画だとノアやトランセンデンスなんかはつまらなくて時間が気になってしょうがなかったけど、これは見てる時は時間が気にならず見終えました。B級な映画をA級な映画に仕上げるトムの力技を見せつけられました。