「アメリカの学校生活のキツさと美しさ」ウォールフラワー ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカの学校生活のキツさと美しさ
スクールカーストは日本でもアメリカでも残酷だ。イジメは日本特有の現象を考える人がいるが、人間コミュニティにはどこにだってイジメがある。その現れ方には文化の特徴が出るかもしれないが。
本作の主人公は、内気な小説家志望の高校生。文系のネクラキャラはアメリカの高校では日陰者である。タイトルのウォールフラワーとはダンスパーティなどで誰にも話しかけれず壁際に佇む人を指す。こういうイケてない人へのアメリカ社会のプレッシャーは実は日本よりも強い。
そんな主人公を救ってくれるのがパトリックとその義理の妹のサム。パトリックは学校でも目立つ存在だが同性愛者であることを隠している。彼らを通じて主人公は仲間ができる。イケてる奴らも実は裏でとても葛藤している。自分だけが悩んでいるわけではないことを知り始め主人公は成長し、愛を知っていく。
イケてるやつにもイケてないやつにも悩みがある。だれもがつらい思いを抱えている。この映画はマイノリティだけでなく、誰に対しても優しい。とても美しい青春映画だ。
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