「原作のゲームをやってから見て欲しい傑作」劇場版 STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート) 負荷領域のデジャヴ じゅんさんの映画レビュー(感想・評価)
原作のゲームをやってから見て欲しい傑作
初見はお断り、アニメだけを見た人にも楽しめる作品です。
ただ、100%楽しむためには原作ゲームをコンプリートしている必要があるかもしれません。
個人的にSTEINS;GATEは本編が素晴らしくキレイに完結しているため、後に展開されているBDオリジナル25話やドラマCD等は全て物語の後付けや本編を補完するためだけのものだと思っています。
本編で100点満点をとってしまっているが故にどうしてもそれ以上に評価を上げるものができないという弱点を抱えているコンテンツと言えるでしょう。
この劇場版についても同じで、見終わった後もその認識が覆るものではありませんでした。
そんなわけで、期待半分に見に行ったわけですが、結果、補完という意味ではとても良かったです。
特筆すべき点としては、牧瀬紅莉栖役の今井麻美さんの演技が素晴らしくてかなり引きこまれました。
タイムマシーンの型番等、細かいところもグッときます。
他にも綯による萌郁殺害のシーンや、鈴羽ルートでのエンドレス・サイクリングなど、原作ファンにとっては忘れることのできないトラウマシーンをうまく取り入れている点も、ファン向けとしては良かったと思います。
ただやはり単独として見た場合ストーリーとしてはやや描写不足な所もあり、満足いくものではありませんでした。
例えば鈴羽のタイムトラベルの動機も他の世界線に比べて非常に弱く、都合良すぎるのでは?と感じてしまいました。
尺の都合で上手く描けなかった部分もあるかもしれないですが、あくまで補完の作品。
これぐらいのボリュームでちょうど良かったと思います。
そう考えるとこの劇場版の持つ役割的には(商業的成功も含めて)100点をとっているのかもしれません。