「正統派の感動作かと思ったら…」桜、ふたたびの加奈子 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
正統派の感動作かと思ったら…
不慮の事故で幼い一人娘を亡くした夫婦。
喪失と再生を描く正統派の感動作かと思いきや、こりゃ結構な異色作。
娘を亡くした事で生きる気力を失った妻。
首をくくって自ら命を絶とうとしたり、(この時、ある“通報”で助かる)
娘が生きてそこに居るかのように振る舞う。
夫はそんな妻を察しながらも、苛立ちを隠せない。
ここまではあまりの悲しみの故に我が子を亡くした親の心痛としてはあるかもしれないが、それはエスカレートしトンデモ言動に。
ある日妻は、妊娠中の女子高生と出会う。産まれてくる子供を我が子の産まれ変わりと信じ…。
幾ら悲しみのどん底の中で何かを信じたいとは言っても、赤の他人の子をそう決め付けるのはもはやキチ○イとしか思えない。
原作小説は産まれ変わりなどファンタジー要素も含んだ作風なんだとか。
産まれてきたその子供がヒロインの事を“前のお母さん”と呼んだり、言っていた事が本当のような輪廻転生と思うシーンも。
産まれ変わりを確信したヒロインは…。
映画は人間ドラマとして描かれ、広末涼子や稲垣吾郎らは好演しているが、
ちょいホラー的に感じたり、ちょいファンタジー要素だったり(ラストシーンや“通報”の件)、やはり何だか異色の人間ドラマ。
そういや本作の作曲家も“ゴースト”だった…。
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