劇場公開日 2013年6月14日

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「少年を成長させた悲劇」インポッシブル arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5少年を成長させた悲劇

2014年5月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

単純

戦争や大きな災害など現実に起きた悲劇の渦中では、時に信じられないような奇跡や偶然が運命を左右する。
今作はそんな実話がベースになっている、スマトラ島沖地震に伴う津波の被害を生き延びた一家の物語。
映画はフィクションだが実話ベースなのでストーリーを脚色するといっても限界があっただろうが、これが一家の生還の物語であると同時に、長男ルーカスの成長譚になっているというのは、映画にする上で大きなポイントだったんじゃないかと思う。

この悲劇に見舞われる以前は、ルーカスは両親に守られる存在だった。
しかし、彼はこの災害で否応なく大怪我をした母親を守る存在にならなければならなくなる。
最初は母親に促され、そしてだんだんと自主的に傷付き混乱する周囲の人々の役に立とうと動き始め、それは彼の自信になり、少年を少し大人にする。このルーカスの姿は大きな悲劇の中でも微笑ましい。

もちろん、一家が生き延びたのは正に奇跡的であり、多くの人々に奇跡は訪れなかった。それは、東日本大震災を体験した日本人にとっても、それから生き延びた一家にとっても忘れるわけにはいかないし、忘れられない事実である。

arakazu