「神様仏様だってのんびりしたい」聖☆おにいさん(2013) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
神様仏様だってのんびりしたい
イエスとブッダがバカンスで下界ライフを満喫するギャグ漫画をアニメ映画化。
漫画の存在は知ってはいたものの読んだ事は無かったが、肩の力を抜いて楽しめた。
二人が暮らすのは、何故か立川の安アパート。
貧乏浪人生みたいな身なりで、シャツには二人に因んだ文字。
しかも常にペアルックで、端から見れば、日本滞在中の外国人ゲイカップル。
突っ込まずにはいられない(笑)
二人が織り成すカルチャーギャップ(神様ギャップ?仏様ギャップ?)がゆる〜く笑わせる。
銭湯のじいちゃんに「生き返るよ〜」と言われたイエスは「一度復活してますが」ププッ(笑)
女子高生に「ジョニデに似てね〜?」と言われ、興奮すると聖痕から出血、プールでは思わず神様の奇跡!
そして、ヤクザのあんちゃんに何処ぞやの二代目と勘違いされ、慕われる。
少々フランクなイエスに対し、マメで倹約家のブッダ。スーパーの特売で買った89円の大根が向かいの八百屋で78円で売られていて大ショック!
普段は穏やかな仏様スマイルで、時折後光が差し、プールのシャワー中に悟りを開く。
また、小学生の悪ガキに執拗に額の点を狙われる。
何気ない日常をスローテンポでほのぼのと描き、まるで「けいおん!」みたいな癒やしの一時。
特別事件が起こる訳でもないので、90分が少し長くも感じられるが(悪ガキ小学生のエピソードは蛇足?)、日常の些細な一つ一つの喜びが人の営みの最大の幸福であると、二人が教えてくれているようだ。
イエスの声を森山未來、ブッダの声を星野源が務め、違和感は無い。
「ちびまる子ちゃん」のような時々突っ込む淡々としたナレーションも愉快。
宗教も笑いになるとはね〜。
だけど、熱心なキリスト教徒や仏教徒がこの作品を見たら、果たしてどう思うんだろう??
どうでもいい事だけど…映画化されると聞いた時、「テルマエ・ロマエ」風の実写化かな?と思ってた。