劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日のレビュー・感想・評価
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歴史は変わっても、人間は同じことを繰り返したりする
映画「劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日」(尾浩之監督)から。
テレビ版を観てないので「劇場版」と言われても、ピンとこなかった。
しかし、タイトルの「安土城 最後の1日」につられ観賞したが、
やはり期待を裏切られた。(笑)
「NHKドキュメンタリードラマ風歴史教養番組」としては面白いのだろう。
とはいえ、歴史に関する台詞が気になり、メモをした。
現在からほんの数十年前に、女子だけの高校「女子校」があったことに、
新人時空ジャーナリストが驚くシーン。
「単女?」と訊き直し(たぶん女子単独の高校?という意味だと思うが・・)
「文化が変わるのって意外と遅いんですね」と感心する。
しかし主人公の時空ジャーナリスト・沢嶋雄一が、こう諭す。
「遅いというか、意外と変わらないことの方が多い。
歴史は変わっても、人間は同じことを繰り返したりする」と。
確かに、いろいろな歴史上の事件を調べ始めると、
その背景にあるものは、ほとんど同じだったりすることが多い。
「温故知新」とは名ばかりで、歴史に学ぶことをしないから、
クーデターや戦争が繰り返される。
「日本の歴史上、最も有名な事件の一つ、本能寺の変。
その最大の被害者は、農民や町民などの一般市民だった」と
「教科書の載ってる事件だけ取材しても、本当の歴史は何もわからない。
名も無き庶民の姿にこそ、見えてくる真実もあるんだ」の台詞が対になり、
頷くばかりだった。映画としての評価は、う〜ん・・(汗)
P.S.
時間表記には細心の注意を払っているのかと思いきや
「11:38AM 京の南東1km付近」「12:11PM 京の南東3.8km付近」
「01:05PM 京の南東6.7km付近」・・
AM・PMの使い方すら、統一されていないなんて、ちょっとガッカリ。
私は好きだなーこの感じ。テレビよりもいい。
テレビ版ではできないスケール感。いいですねー。
そもそも・・・妄想の極み?なのか・・・ここまで発想させていくのが、神がかり。
歴史ファンの心をくすぐります。
エンドロールギリギリまで楽しめました。
安土城の謎。真実はいかに・・・
観終わった後も興奮が止まらなかったです。
独特なカメラワーク、好きです。いろいろな目線で楽しめて面白い。
脚本もいいセンスでしたねー。
見応え十分でぜひ、おススメしたい一作になりました。
あくまで沢嶋ドラマ。
TVシリーズは、たま~に見たことがある程度。
発想がユニークで、内容がリアル、なかなか臨場感があって
面白いのだが、なぜか続けて見ようとまでは思わなかった。
あら、映画になるの?と驚いて、
深夜に再放送していた番組をチラリと再録画して見てみた。
うん、やっぱり以前と変わってない^^;
そして映画版。
なんだこの副題、ものすごく興味をそそるじゃないかー!
そう思って観に行って、あぁ~そうきたか。と気付かされた。
やっぱりこの番組のコンセプトは何も変わっていなかった。
時空ジャーナリストという設定がとても面白い。
各時代の現場に赴いて、(この第二調査部では)一介の人々の
日常に密着取材、こんな生活をしていた、こんな裏事情が
あった、みたいなことが描かれるフェイクドキュメンタリー。
各時代の人々とは特殊な交渉術を用いて、取材許可を得る。
その交渉術は一切明かされないのが特徴^^;
(現在のジャーナリストの皆さんも聞きたいのでは?)
庶民の生活の裏では、大きな事変が起きていたりするので、
今回の「安土城 最後の1日」という副題が興味をそそるのだが、
ここは、本当に期待しない方がいい(そんなもんですかねぇ)
あくまで沢嶋雄一(要)あっての物語、ということで。
一応、実在した人物とその背景はしっかりと入っている。
今回の島井宗叱に関するくだりは本当にあったことのようだ。
博多でかなりの豪商として名を馳せた人物。
茶器(これも国宝級)を持って逃げ回ったかどうかは不明だが、
本能寺の変では空海直筆の「千字文」を持ち出したとされている。
矢島権之助(時任)の方はどうだったんだろうなぁ。
おそらくこういう人物はいたのかもしれないが、分からない。
ほとんど今回の主役でしたからね~。カッコ良かったし~。
まぁそれにしても…。うーん。面白いかといわれるとどうか。
TVで見る分にはいいとしても(新たな発見!って感じだし)
劇場で延々と観せられるほどの話でもなかった(茶器の話もね)
バレるか!?バレないか?っていう瀬戸際での攻防戦が面白い
くらいで、けっこうふざけた演出も多い。
歴史的事実はそれとして、ホーム時代劇に纏めたような感覚。
小島聖なんて、なんだ突然?アンタ誰?ってなもんだったし。
それにしてもジャーナリストとは大変な仕事である。
時空を越えなくても、色々越えなくちゃいけない問題が多くて。
歴史を変えずに上手いこと真実だけを伝える。って、
一番欲しい情報であると同時に、かなり難しい作業に他ならない。
沢嶋さん、お役目ご苦労様です。
(TV版はまだシリーズが続きそう。宇津井健はもう出ないの?)
リアルティ抜群の歴史再現ドラマ。結構ハラハラさせられます。
劇場版では、30分のテレビ版で触れることのない、タイムスクープ社の内情とか記者の沢嶋の取材風景など克明に触れるので、初めて本作に触れる人でもテレビ版を見ていなくても充分理解できます。
特に本作のポイントは、沢嶋が歴史に対する矜恃が語られることです。タイムスクープ社の歴史調査は二つの組織に別れています。「歴史上の大事件や有名人物の調査」を「第一調査部」が、「名もなき人々の営みの調査」を「第二調査部」が担当していて、沢嶋が所属するのは「第二調査部」でした。
今回初めて調査に同行することになった細野ヒカリのような新人の研修生からみれば、「第二調査部」は地味な部署に見えてしまいます。しかし、第二調査部員としてのこだわりを持つ沢村は、歴史ミーハーなヒカリに、「大きな歴史の中で彼らに光が当たることはない。しかし彼らがいたからこそ歴史は繋がれてゆく」と語り、実際の調査活動で証明してみせるのです。
タイトルは、「安土城 最後の1日」ながら、当初の沢嶋の取材目的は、本能寺の変後に揺れる京都の民衆を取材することでした。一切武将を相手にしないところに沢嶋らしさが滲みます。その中から沢嶋は、人々の救助にあたっていた織田家の武士・矢島権之助に密着することにしたのです。ところが権之助のもとに、博多の豪商・島井宗叱が立ち寄り、持参した茶器とともに博多に無事送り届けてほしいと懇願。「織田家最後のご奉公」として、という言葉に突き動かされて権之助は承諾します。密着取材中の沢嶋も同行することに。この茶器が盗難に遭ったことで、行方を捜して「安土城 最後の1日」に辿りつく流れは。なかなか脚本がねられていて、よく繋がっています。その中のエピソードで野盗の襲撃を受けた権之助らに加勢する農民たちは、シーズン5の14話に登場した・山城国・大幡村の農民たち。せっかく14話では村の守り神のお石さまを織田軍の収奪から投石だけで守り抜いたのに、劇場版では結局とられてしまったことになっていました。ちょっと残念。農民たちもお石さまを取り返すために、権之助たちに加勢して安土城に向かうことになったのです。このように、随所にテレビ版のエピソードが散りばめられていました。
さて、タイムトラベルもので鉄則は、歴史を変えてはならないこと。タイムスクープ社も例外なく、逸脱した場合調査員に本来の史実に戻す「歴史修復作業」を命じることになります。本作の場合、島井の茶器が沢の濁流にのまれたことで、その後の日本の歴史が大きく変わってしまいます。指令を受けた沢嶋とヒカリは、戦時中の日本に飛び、学校の倉庫に保管してあった茶器を盗み出して歴史を還元しようとするのです。
でも、調査員の衣装のまま戦時中の日本に舞い込むのは目立ち過ぎます。案の定、見つけられて逃走劇に。茶器を盗み出すシーンは、ミッション:インポッシブル並みのスリルでした。「歴史を変えてはならない」と自戒している割には、歴史を大きく変えてしまうようなリスキーな行動を沢嶋はやってしまいがちなんですね。
もう一つ、スリルを感じさせるポイントは、タイムスクープ社を裏切った調査員の存在。歴史上の著名な品々は、当然骨董価値は相当高くつくものです。そんな金銭価値に目が眩んだ調査員が、茶器に目をつけて「フリーズガン」で沢嶋を襲ってです。本部も巻き込んで暗躍する歴史コレクター。裏切り者は誰かという謎と、タイムスクープで時空を超えて、何時何時沢嶋が襲われるかしれないという緊迫感でハラハラさせられました。間一髪という状況が繰り返えされるので、少しも飽きさせません。
そしていよいよ安土城に辿りついた沢嶋たちと、先に到着して宝物の独り占めを狙う野盗たちとの対決シーンが見物でした。このシーンでは、野盗の頭目で権之助の元同僚だった伴山三郎兵衛と対決する殺陣のシーンが必見です。
主役を喰らうくらい権兵衛役の時任三郎が凛々しく決めるのです。それだけでなく、昔の同僚を切らざるを得なかった悲しみもたっぷり伝えてくれました。
さて、ラストなのに安土城は全然燃えていません。しかも、ルイス・フロイスの報告や『日本西教史』収載の当時の宣教師の記述によって放火した犯人とされる織田信雄は、まだ安土に到着していなかったのです。しかし、その歴史上の刻限は刻々と迫るのに、エンディングクレジットが。火の手が上がる安土城が燃えた原因は、結局分からずじまいかと思った瞬間、エンドロールで、沢嶋が放ったスクリーンカムロポットの映像がレポートされていくのです。1号機から順々に、城内の野盗の振る舞いや、加勢した農民たちの一寸したミスなどクローズアップされるもの決定的ではありませんでした。そして最後の5号機が映し出したものは…なぁんと…ガッカリ!
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