劇場公開日 2013年2月15日

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「いつの間にか視点をずらされる」レッド・ライト マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5いつの間にか視点をずらされる

2013年2月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

実質たった一人の登場人物で話を進めたサスペンス「リミット」では最後の数秒でしてやられたロドリゴ・コルテス監督。
この作品でもまたラスト数分でしてやられた。

話の大筋は超常現象を信じない科学者チームが、復活した伝説の超能力者に挑むというもの。
ロバート・デ・ニーロ扮する超能力者は本物か否か、おのずとそこに焦点がいく。そしてもし偽物ならば、そのカラクリは、またその協力者は誰かという興味が湧いてくる。つまり、今作ではサスペンスにミステリーが加わる。

だが、超能力という得体の知れない恐怖の根源を暴き解き明かしたとしても、この映画のすべてが終わってはいない。

思い返せば伏線がまったく無かったわけではない。それらしい台詞もある。
けれども「そうきたか」と唸ってしまう結末に、知らず知らずに視点がズレていたことに気づかされる。「超能力者か否か」ではなく「超能力は存在するか否か」なのだ。またしてもコルテス監督の術中にハマッてしまった。

マスター@だんだん