「アーレントが提唱した「悪の陳腐さ」」ハンナ・アーレント さばとらさんの映画レビュー(感想・評価)
アーレントが提唱した「悪の陳腐さ」
小役人だったアイヒマンが、ユダヤ人600万人を虐殺する大悪党になってしまったのは、彼が思考を停止した凡人だったから。
彼はナチス党で出世するために与えられた任務を一生懸命こなしてこの恐るべき犯罪を犯しました。
アーレント曰く、現行のシステムがもたらす悪弊に思いを至らすことをせず、それをを無批判に受け入れることに「悪」の本質があると。
役人にしてもサラリーマンにしても、現行の仕組みやシステムに対して批判的な目線を持ち合わせていないと、誰もが悪人になる可能性があるということです。
この「悪」は特別なものではなく、その辺にありふれている陳腐なものだというアーレントの考えには賛同します。
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