「ラブストーリーが苦手な人でも」箱入り息子の恋 harukitaさんの映画レビュー(感想・評価)
ラブストーリーが苦手な人でも
私はラブストーリーとホラーは苦手であまり積極的に観るほうではない。
どちらも今の自分に必要がないからなのかもしれないが、なかなか主人公に感情移入することが出来ないのだ。
本作も始めは客観的に星野源さん演じる主人公を「あぁ、こういう人いるよねぇ」って感じで眺めていた。
しかし本作の優れているのは、この物語を個人と個人の恋愛ものにするのではなく、それぞれの家族と家族にまで広げたことだ。
これによって親の目線で観ることが出来、グッと物語に入ることが出来た。
結婚を意識するような恋愛とはそういうもので、個々が背負っているもの同士が結び付いていくのだ。
それが描けているから本作は地に足が着いたとても現実味のある良い話になっている。
そして親目線で観ていた私を一人の男目線に変えてしまうという、なんとも見事なシーケンスが用意されていたのだ。
本作の白眉であろう[吉野家]のシーンである。
もしあんな場面に出くわして何も感じない男がいるとしたら、それは男じゃなーい!
そうだ。男は男に生まれるのではない。男になーるのだ!
まさに主人公が男になる感動的で印象に残る場面でした。
と言うわけで、恋愛映画が苦手な私でも本作は絶賛したい。
若干ふざけ過ぎのとこが気にならない訳ではないが、それでもとても気に入った作品なのは確かだ。
きっと恋愛ものはチョットと敬遠しているご同輩にもきっとイケると思います。
少女マンガの映画化のようなテイストではありませんから…。
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