「甘酸っぱ~いと思いきや」箱入り息子の恋 うにたん♪さんの映画レビュー(感想・評価)
甘酸っぱ~いと思いきや
健太郎と奈穂子のお見合いから連なる家族のドラマでややオーバーな表現はあるものの、下手にリアルに作られて観る側に耐える事を強いるよりは良いと思う。
健太郎は普段抑えているせいか、奈穂子父に見合いの場で罵られた後、帰宅して部屋でメチャクチャ暴れた姿は驚いたが、好きな女の前でこき下ろされたら腹も立つだろうから、男としての意地が出せるようになったと云うことで成長か。
両者の関係が社長令嬢とうだつの上がらない市役所職員、視覚障害とコミュニティ障害と現実ではミスマッチで出会わないと思う。
ただ、そう言った娘や息子を持つ両親の気持ちがよく分かる演出は多い。
特に奈穂子父は過保護な印象が強かった。奈穂子父は自分を凌ぐような強い男でないと奈穂子を守れないと思い込んでいる頑迷さ故に娘の想いと健太郎を理解出来ないのが悲しい。
健太郎も奈穂子を庇っての事故は演出としてやり過ぎかと思う。
一旦別れた後、奈穂子が牛丼屋で健太郎を思い出して泣き、それを後ろから付けていた健太郎も牛丼屋で向かい合って泣いて、叫んだ時には彼女が店を出てるのには少し笑った。
この辺りまでは問題ないと思ったがラストはなぜこんな雑な事になったのか?意味がわからない。
カエルのように壁登りをさせカエルの鳴き真似をしたまま、恋を成就させてハッピーエンドにしなかったのには疑問が残る。
わざわざ、濡れ場?をやらせて、親に発見されるとかギャグに走るのか?奈穂子父も事故の経緯を含めて考えれば殴りすぎだし。
再び入院してギプスに包帯の姿で点字の手紙を打つ姿と読む彼女で物語は締め括られるが、箱入り息子が恋に恋して、今までの姿を捨てがむしゃらに突っ走った結果があのラストでは居たたまれない。
飼っていたカエルに合わせて、水槽から飛び出した演出入れるなら、もっとまともなハッピーエンドで終わらせて欲しかった。
ラストで一気に評価を下げる内容でした。