隠し砦の三悪人のレビュー・感想・評価
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映画史上最高傑作の一角
雪姫、真壁六郎太は上原美佐、三船敏郎以外に考えられない。ラストの「おしじゃ、おし娘じゃ。」のシーンも最高!自分の中では映画史上No. 1です。
惚れぼれするような完璧な脚本
いやー面白い!
最高のエンターテイメントに仕上がっています
見事な脚本で一切淀みなく展開します
全く無駄のないプロット
六郎太と姫の物語を太平と又七を配して展開させることでお話に弾みとコメディリリーフとなす
同時に六郎太のプロフェッショナルさを際立ているのです
田所兵衛とのプロットも実に見事
六郎太と姫を引き立てる構造にもなっています
本当に惚れぼれするような完璧な脚本です
そこに姫のキャラクター造形
それを体現し得る役者を探し求めて配役された上原美佐の美貌と美しい身体と演技には参りました
娯楽映画の教科書なのは間違いないです
スターウォーズの元ネタというのは有名ですが、宮崎駿監督のアニメ作品にも多大な影響を与えているとおもいます
太平と又七が姫にジェスチャーで伝えようと可笑しな身振りで笑えるシーンが有りますが、あれは当時NHKで絶大な人気番組だったジェスチャーショーからインスパイアされたものではないでょうか?
これ程のレベルの高い世界水準の脚本を作る力が当時の日本映画界にはあったのです
今の映画界にとって、もっとも必要な、取り戻すべきものではないでょうか
・上原美佐のがなり声が初々しいぞ ・パントマイムがコミカルで笑う ...
・上原美佐のがなり声が初々しいぞ
・パントマイムがコミカルで笑う
・三船の馬の乗りこなし、すっっごい
・なんて粋なクライマックスなの〜
スターウォーズを思い出してください!
黒澤映画初のシネマスコープ。いきなりコミカルな演技によって二人が『スターウォーズ』のC3POとR2D2に見えてくる。強欲な狂言回しの二人が最後まで笑わせてくれ、対する姫(上原美佐)が人間の醜さを知っていくところが対照的。そして最初から圧倒されるエキストラの数!大きなスクリーンで観たかったな~と思わせる。
金をどこに隠したか、という小手先のプロットで驚かすよりも、練りに練った脚本、そして田所兵衛(藤田進)との槍決戦シーンや真壁(三船)の本物の流鏑馬よりも迫力ある馬上の殺陣。ごまかしが一切ない映像力だった。
リメイクでは田所兵衛のゲイネタとも思えるやりとりが逆に面白かったけど、全体的に面白さは互角。「裏切り御免」と捨て台詞を吐く田所のシーンが気持ち良かった。
軽いタッチ、重厚な映像。
前半では群衆シーンや城の焼け跡のセットなどに金をかけまくっている。こんな迫力のある金のかかった映画が、このように面白い大作になって後世に残されたことを喜びたい。
今見てみると一番有名なあのシーンは移動撮影でなくてパンなので少し驚いた。しかも長いカットでなく切り繋いだカット。長い移動撮影だと観客の目が慣れてしまって移動撮影の効果が薄れる。それで一旦、別カメラからのショットに切り替えそして再び移動ショット。それを三回やっている。迫力あるシーンってのは物語とリンクしてこそ生まれるのではあるが、黒澤映画にはこのようなカメラワークの工夫がやはりそこには有るのである。・・・それから長回しのシーンについても書かねばなるまい。この映画には一箇所、カメラが固定されたまま異常に長回しで芝居を見せるシーンがある。なんで、あんなに長回しなのか?・・・実は、あのシーンがクライマックスなのである。この映画は冒険スペクタクルであっちこっちに派手な見せ場がある。一つのアクション映画である。ところが、そのクライマックスだけが固定カメラによる静かな長回しなのだ。あのシーンで長回しによる緊張感がしっかりでているから最後のところでスカっとできるのである。なんという演出の妙であろう!!
次に脚本についても少し。
脚本的に成功したのは二人の欲張り達の設定である。くどいように二人が言い争うが、彼らがもう少し物分りがよかったら映画として成り立たなかった。「こんな二人を上手くコントロールして無事脱出できるだろうか?」というハラハラ感がこの脚本の背骨となっている。前半がちょっと長いように見えるがそのあとが正にジェットコースター。脚本家たちが頭をひねって最高に上手く仕上げた娯楽大作だ。
フィルムの美しさがよく現れていてとくに三船のアップが非常に味が出て美しく撮れている。デジタルでは今のところ、あの味わいは出ない。映画監督よ、映画はフィルムで撮れ。
その欲深は浅ましくも愛おしい
七人の侍や用心棒と比べるといまいち印象が薄いのは、シナリオの起伏がやや平坦で盛り上がりどころに欠けるからだろう。
後述の百姓ふたりの生々しくも誇らしい漫才喜劇的な側面と、三船敏郎のプロモビデオを足して、そこに黒澤ならではの高度な時代考証と説得力のある描写が彩として添えられてるような作品。
主役であるふたりの百姓は、端的に言ってしまえば間抜けで強欲だ。そうでしかあるまい。でもそんな単純な言葉に収まらない人間臭さがなんとも魅力的である。
彼らはラストシーンを迎えるまで変わることは無い。愚かで、単純で、目先のことしか考えない。しかして作品のヒロインたる棒読み姫や、とりあえずカッコいいとこだけ見せてる三船敏郎よりも、ずっと愛おしいキャラクターに仕上がっているのが絶妙ではないか。
その理由は、彼らの短慮も欲深さも、現代の価値観に汚れていない非常にプリミティブなものだからではなかろうか。彼らのあの言動は人間が誰しも備えていて、でも合理的に物事を考えられるが故に、あるいは現代社会のモラルに反するから実際に口にしていないだけなのだ。だから彼らを「馬鹿だなぁ、浅ましいなぁ」と眺めながらも嫌いにはなれないし、その行く末をハラハラしながら見守ってしまうのだ。
一方、三船敏郎は他の傑作と比べてまったく面白みのないただのカッコイイ侍に収まってしまってるし、お姫様はなかなか棒読みで大根なあたりに世間ズレしてる風を演じているのかと思いきやマジで素人だったりと、とくに良い印象は残っていない。
描かれる戦国時代の世界は流石で、宿場町の雑踏も、負けた領地の兵士や平民の行く末も、これまであまり気にしてなかったこともバッチリ描かれてて作品世界にぐいぐい引き込まれている。
重要なのは、これはリアルではなくリアリティであるということだ。エンタメ性質を阻害しない部分は、徹底してリアル"風"の描写を徹底している。近年のクソ時代劇が蔑ろにしてる全てがここにある。
姫様が常時化粧バッチリなのは凄まじい違和感があったが、ラストシーンではしっかり時流にあった化粧をしてるので(これには少し驚いた)きっとずっとすっぴんだったに違いない!
スリル大炸裂の敵中突破!
DVDで2回目の鑑賞。
ノベライズは読了済み。
黒澤明監督作品の中でも一際エンターテインメント性が強い本作。ストーリーも「如何にして敵中突破を成し遂げるのか」と云う一点に注力している単純明快さが心地良い。その過程をハラハラ・ドキドキの展開で紡いで行く手腕が見事!
三船敏郎のカッコ良さ。千秋実と藤原釜足のコンビのコミカルさ。「裏切り御免!」な藤田進。演技初挑戦の上原美佐の男勝りな姫っぷり。…登場人物が全員が魅力的でした。
黒澤作品初のシネマスコープ画面いっぱいに炸裂するダイナミックなアクションが本作の魅力のひとつでございます。
六郎太が刀を構え、手放しで馬に乗り騎馬武者を追い掛ける場面は、実際に三船敏郎が演じているなんて本当にすごい。
背筋がピシッと伸びて、憤怒の形相で敵を追撃する姿は、まさに本物の武士のようで、迫力たっぷりだと思いました。
一寸先も見えない暗闇の中、銃弾の雨あられを逃げ回る場面は筆舌に尽くしがたいスリル。手に汗握るとはこのこと。
散り散りになってしまった隠し砦の面々ですが、追い詰められた先に待ち受けていた華麗な逆転劇が痛快の極みでした。
危機また危機、それを乗り越える知恵と奇策の面白さに最後の瞬間まで目を離すことが出来ませんでした。とことん、エンターテインメントの楽しさに満ちた作品だと思いました。
[余談]
樋口真嗣監督のリメイク版も観ましたが、本作の出色した出来には到底及ばず、なんともかんとも言いがたい出来になっていました。サブタイトルが英語なのも気に食わない。
[追記(2021/10/02)]
「午前十時の映画祭11」で初めてスクリーン鑑賞し、感無量でした。4Kリマスターされた映像の美しさに痺れたのはもちろんのこと、何度観てもハラハラさせられるストーリーの面白さ、個々のキャラが立っている登場人物を体現したキャスト陣の演技の素晴らしさに心奪われました。
[追記(2023/08/26)]
新歌舞伎座にて舞台版を観劇しました。人生初、舞台演劇を生で観劇です。舞台化に当たっての変更点(特に、「裏切り御免!」のシーン)は微妙なところもあり不満が残りました。
しかしながら、俳優さんが目の前で演技をしているってだけですごいし、まさしく肌で感じると言うか、アクションも感情も全てがダイレクトに伝わる感覚が新鮮でした。
おそらくアドリブであろう演技がとても可笑しくて、演者も思わず吹き出してしまっているのはその日限りのライブ感があり、舞台劇ならではの面白味だなと思いました。
ライブに行ったことの無い坂道シリーズのファンとしては、ゆいぽん(櫻坂46・小林由依)の姿を生で拝見出来たことが幸せでした。オリジナル版の雪姫にも負けない凛々しさと美しさを醸し出す演技が良く、澄んだ歌声に聴き惚れました。
[以降の鑑賞記録]
2021/10/02:大阪ステーションシティシネマ(午前十時の映画祭11,4K)
2023/08/25:Amazon Prime Video(東宝名画座)
2023/08/26:舞台「隠し砦の三悪人」(新歌舞伎座)
※修正(2024/04/19)
バカコンビにまた会いたい
何なんでしょう?
映画力?みたいなものをすごく感じます。
最初の5分でふたりがどうしようもない奴らだとわかり、次の5分でもう目が離せなくなっている。
映像も、日本なのに何か別の世界のよう。
愛すべきバカコンビはややサービスしすぎな感じもあるけど、やっぱりまた観たくなる、会いたくなってしまうようなところがあります。
他の黒澤作品と比べ、気軽に観られるところがとてもいいですね。
ブルーレイ買おうかなぁ…
藤原釜足
千秋実。相変わらず面白すぎる。藤原、千秋の小汚い百姓な感じとか、敏郞の刀振り上げながらの乗馬とか、城の階段とか凄くリアル。。そこに火祭りのいかにもアキラが好きそうなケチャっぽい音とか、上原美佐の短パン姿とか、人買いから買い取った娘のイモな顔とか、ちょっと歪な部分も盛り込んであって。ほんとちょっとハワードホークスとかと肩並んでる感じというか、アキラの中で群を抜いた傑作な気が。
『隠し砦の三悪人』
上原美佐、当時21才のド素人がヒロインデビュー、大根な部分も含めて表情、動き、その声だけで釘付けになったよ、福岡出身だって。
千秋実と藤原釜足の百姓コンビがSTAR WARSを生み出し、藤田進の名台詞に当時映画館で拍手が巻き起こった。
熱い時代の熱い映画だ。
黒澤作品基準でいうと…
黒澤さんのエンターテイメント系列の作品を見るたびにやっぱり『椿三十郎』って最高だったんだなって思ってしまうあたり、最初に見たのがあれでよかったのか悪かったのか…。千秋実と藤原釜足のやりとりはコミカルで面白かったんだけど最終的に結局三船か…という残念さも多少あった。三船と藤田進の決闘シーンは無駄に長い印象。三十郎や用心棒ぐらいあっさりしてるのが丁度良いのかもしれない。三船の乗馬シーンは文句無しにすごい。普通に面白いラインはクリアしてるのですが、黒澤作品基準で見ると少し満足度は低めです。ジョージルーカスさん文句多めですみません。
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