「悪人とは・・」隠し砦の三悪人 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
悪人とは・・
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ルーカスがスターウォーズの着想を得たとか長澤まさみでリメイクとかいまだに話題にのぼる世界の黒澤作品を素人が評価するなどおこがましいが改めて観なおした感想です。
初のシネマスコープ作品と言うことでパノラミックな構図やダイナミックな活劇シーンなど当時としては画期的だったでしょう、三船さんの馬上で刀を構えながらの疾走シーンには驚きました、コンテに拘る監督ならではの絵作りは文句なしですね。
然しながら見どころはキャラ設定でしょう、舞台は戦国時代、終始上から目線だが憎めないお姫様と武勇の権化のような忠臣、欲に釣られて動く百姓あがりの雑兵、恩を忘れぬ村娘、無慈悲な主君に愛想尽かし、裏切り御免の敵方武将など人の行動原理、モチベーションを絵にかいたようなキャラクターで織り成すドタバタ逃避劇。
タイトルの三悪人、確かに忠義とは言え妹を囮に使うのは非道だし、平民の浅ましさなど褒められたものではないのだが時代背景を考えれば悪人と決めつけるのは御門違いかも知れません、そこをあえて言い切るところが黒澤らしさ、観客に考えて欲しいと言うメッセージなのでしょう。
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