「レインメーカーは復讐をやめるのか」LOOPER ルーパー ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
レインメーカーは復讐をやめるのか
いやあ、なかなかのお手前ですね。タイムトラベルモノのひとつの到達点というか。
唸りました。
時間旅行要素のSF作品はどれを挙げても緻密な設定と解釈の基に描かれてる作品(単純明快なのもありますが)が多いですけど、この『LOOPER』の巧さって、何て言うか、タイムパラドックス要素の設定上都合良い部分を抽出して、どっかで生じてしまう可能性の矛盾は「複雑だから説明できない!」と言い切ってるとこです。潔さを感じました。
「それが○○だったらこれは○○じゃね?」な理屈を一切言わせない的な。
設定を若干大味にすることで独自解釈タイムトラベル理論で進ませてるというか。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』へのオマージュも若干垣間見えたりしてw
ストーリー展開もそのタイムトラベル設定だけの力技に頼らず、しっかりと練られてますよね。ちっとも中弛みさせないし。
んで“その設定”に乗っかるカタチでプラスαのSF要素がサラっと出てくるんですけど、これが見事。
冒頭にサラリとだけ触れといて、実はこっちが本筋テーマだったんじゃね?という伏線にまで昇華させとるんですよ。あのクライマックスのトンデモ展開なんか拍手喝采モノです。
まあそのプラスαの受け取り方次第で観客の賛否もかなり別れるんじゃないかな、とは思いますが。
自分は巧いな、と思いました。
手垢のついたタイムトラベルモノに新たな息吹を吹き込んでくれたなあ、と。
いやあ、楽しかったです。
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