「ありがちなタイム・パラドックス、、、」LOOPER ルーパー アルさんの映画レビュー(感想・評価)
ありがちなタイム・パラドックス、、、
ではなく、背景と設定がとにかく秀逸。あまり期待せず(失礼)に鑑賞したのだが、予備知識無しだった為、予想外のヒット。
本来なら足枷となるマイナスに捉えがちな、タイム・パラドックス特有の設定。これを見事にプラスに発想転換して厚みを出し、登場人物達が要所で使いこなしている。
起承転結の配分も上手く、中弛みも無し。人物像にも感情移入しやすく、良かった。冒頭のちょっとした設定を忘れかけた所で、急に話の主軸だった事を突きつけられる。してやったりとほくそ笑む脚本が素晴らしい。
シド役を演じるピアース・ガニォン君が、とにかく凄い。歌舞伎役者にもなれそう。表情と目ヂカラが半端なく、将来が楽しみ。
オールド・ジョー役のブルース・ウィリス、ここだけが本作でとにかく違和感。既存のイメージ強過ぎて別映画に感じてしまった。もう少しジョセフ・ゴードン=レヴィットに似た雰囲気の配役にすべきだった。
SFアクションと銘打たれているが、SFサスペンスの方がしっくり来るかと。個人的に納得のいく気持ち良いラストで、ジョセフ・ゴードン=レヴィットの表情を、鑑賞者に想像させる為に映さないのが粋。監督・脚本に拍手。
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