ウルヴァリン:SAMURAIのレビュー・感想・評価
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ローガンさんの仰天ニッポン滞在記
日本を舞台にした映画ではお約束の、[パチンコ][新幹線]に今回は[ラブホ]も追加。このラブホのくだりには爆笑させられました。もっとこういうシーン欲しかったけど、そうしたらコメディ映画になっちゃうから無理か(笑)
新幹線上でのアクションも全く興奮しないが、ヤクザの人間離れした動きに大いに笑えました。あいつらミュータントじゃないよね!?(笑)
X-MENシリーズ最新作にして、最もスケールの小さいお話でしたね。ウルヴァリンがただお家騒動に巻き込まれるだけ...尺の半分は不死身じゃない弱々しいウルヴァリンで、カタルシスもなし。ヤクザ相手に四苦八苦する姿は、いくら制御装置撃ち込まれたにせよ、今まで戦ってきた多くのミュータント達に失礼でしょう。
自分はトンデモ・ニッポンを、ギャグとして好意的に受けとめるんだけど、恩を仇で返す矢志田の描写だけは気にくわないなぁ。本作は親日映画という触れ込みだったけど、全く親日感なかったですよ。日本を舞台にしただけで親日と言うなら、考えが古すぎますね。
ウルヴァリンの修学旅行だよ(笑)
面白かったよ(笑)
空手バカ一代なアクションが好きだからね。
アメコミは高いから原作を読むことはない。
ブライアンジンガーの作る映画がどうも好きになれない。
あんまり言いたくないけど逆偏見あるんじゃないの?普通の人に。
だから、ブライアンジンガーがいなくなってからのX-MENシリーズがいいね。
ウルヴァリンゼロとか、X-MEN 1stジェネレーションとか。
ヒュージャックマンの顔が年々小さくなっていくのもなんだかミュータントっぽくてリアルだなー。
《あらすじ:ネタバレ・お色気あり》
カナダで髭ぼうぼうのところを赤い髪の神田うのに拉致軟禁されたウルヴァリン。
日本に行くのよ!とプライベートジェットで日本に着くや否や、髭を剃れとか風呂に入れとかおっぱいだらけのおばさんたちに揉みしだかれる。
案外悪い気はしてないが、こっぱづかしいウルヴァリン。
「前を隠せ!」と言ったとか言わないとか・・・。
長崎原爆の時になぜか日本にいたウルヴァリン(あの時は確か、キャプテンアメリカと同じとこにいた気がするー。)
みんなが知ってそーなとこは全部すっ飛ばして、芝増上寺・秋葉原・上野・・・と時速70kmの俊足で屋根の上をヤクザ・NINJAと追いかけっこしながらの東京観光。
あー楽しかった、と新幹線に飛び乗って、神田うのとは違うなぜかヤクザに追われNINJAに守られてるツンデレスレンダー美人とぶらり二人旅。
「あたし、野蛮人(Cave man:原始人)な人嫌い!!!」
「髭剃ったから許してよー」
とキャッキャッきゃっきゃ、修学旅行を楽しんでる場合ではない。
ヤクザはどこまでも追ってくる。
この間に、ヤクザ約70~100人くらい死傷者が出ている。
が、ヤクザとNINJAはいくら死んでも何の問題にならない、と紹介された日本。
あっという間にどこかの都市で降りた後にローカルバスで長崎についた二人。
修学旅行を通じてすっかり仲良しなのね・・・。
夕ご飯は二人で煮物をつつくのだ。
「日本ではご飯にお箸を立ててはいけないのよ。仏壇のお線香みたいでしょ。」
「ならば、仏壇返しっ!!!」
「きゃっエッチ、ウリヴァリンさんのバカ(恥)」
だから、今日は、二人の原爆記念日・・・。
(あらすじ終わり)
※このあらすじはフィクションです。小川直哉がヤクザ役で0.5秒出ています。
Welcome to Japan!!
あまり期待していなかった『ウルヴァリン:SAMURAI』でしたが予想外。『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』よりも断然こっちの方が面白い!!
しかも舞台は日本!!
相変わらずトンチンカンな日本でしたが、まぁ観れます(007は二度死ぬで慣れましたw)
ミュータントがあまり出ないので、CGてんこ盛りのB級アクションには仕上がっておらず、本気の肉体派アクションになっていて良かったです!
内容もまぁまぁいい出来になっていました。
きちんと『X-MEN:ファイナルディシジョン』の後日談ということで、ウルヴァリンがジーンを殺したことを引きずり、苦しむシーンが多々あります。そこはとても評価できる点だと思います。
また、日本での相棒ユキオが可愛い!顔的な意味ではなく一生懸命頑張っている感じがキュート!!アクションもキレキレで良かったです!
ヒロインのマリコも包容力というか母性というか、そういう優しい魅力があって素敵でした!!
そして!!
とうとうX-MEN第2章?が始動しましたね!あのエンドロール途中のあれから『X-MEN:デイズオブフューチャーパスト』に続いていくんですね!!
楽しみです!!
ツッコミどころがガン見してくる
やっぱウルヴァリンかっこいいですねー憧れですよ。
アクションはなかなか見応えがありました。アクションだけに期待しても充分楽しめる作品だと思います。
日本が絡むとヘンテコになるっていうのはもう外国映画のお約束みたいなもので、今さらそれで文句言おうとは思いません。みんなで最高の苦笑いをしましょう。
小刀一本で新幹線にしがみつくヤクザ、銃刀法をものともせず堂々と玄関でサブマシンガンを構えるヤクザ、上半身裸のヤクザ、日本語が下手な日本人、やたらと多い障子率、おなじみニンジャ、あと細かいのはもういいです。
それらをくぐり抜けて辿り着いた最終決戦は五重塔みたいなデザインの研究所での武者ロボットとのバトル。
もう全然止まる気配なし。監督さんちょっと休憩させて。
そしてなんやかんやあって最後はおじいちゃんたち復活。
最近のアメコミはこれやんないと気が済まないんですかね。
ここまで言って自分の評価が高いのはアクションが楽しかったのと、ヘンテコ日本を笑い飛ばせるからです。
そこがスルーできない方はげんなりして多分楽しめないかもしれません。
びみょー
もともとXMENが好きでコミックから入った者としては、なんちゃってNipponは仕方ないとしても作品全体の雰囲気見たいなものに違和感を感じました。一番インパクトがあったのが終わりの空港のシーンだったと言うのも次回作への布石と考えれば楽しいでしょうけど、作品の締めとしたら如何なもののでしょうか?
トンデモ日本は楽しめるが、それ以外は?
案の定トンデモ日本な描写。まあ、ファンタジーみたいなもので、地理的な整合性とかリアリティは求めてませんから、こんなものでしょう。
増上寺を飛びだしたらそこが秋葉原で、次に上野から新幹線に乗ったら東北へ…じゃなくて長崎へ。まあ、外国人から記号的な、いかにも日本な風景などを切り張りしたらこうなるって感じかなと。
逆に海外の映画をみるとき、気にしていないそうした点は、現地の人から見ればツッコミたくさん入ってるんでしょう。そう思って、そこらへんは笑って見られたんですが、それ以上にどうもいまいち自分の中で盛り上がりにかけたのは、やっぱりX-MENシリーズはミュータント同士の戦いや、ミュータントであるがゆえの苦悩みたいなのに期待してるからかな…と思いました。
今回登場するミュータントはウルヴァリン以外だとヴァイパーだけで、彼女はいまいち存在意義もわからず。
これまでのX-MEN3部作、ファースト・ジェネレーション、ウルヴァリンゼロを通して時系列にすると、これが一番新しいのかな? エンディングにあの2人が出てきたところが一番高まりました。今後の展開に期待です。
SAMURAIの儀礼とは?
キャラクターは周知なので、シリーズの中では意外性が少ない作品だと思うが、アクション映画として観れば、それなりの評価はできる。増上寺でのロケ(?)にも苦心の跡が見られるし、ウルヴァリンの爪と日本刀の激突は、一つのありうる設定である。
もちろんウルヴァリンが旧日本軍に捕えられるほど弱くはないだろうし、欧米人から見た日本と思われる描写もある。特に忍者の存在に対する信心は強いようで、私なども「忍者なんか日本にいない」と外人に説明しても、「それは、おまえが知らないだけで、ひそかに里で暮らしているのだ」という答えが返ってくることもある。
さて本作品で一つ違和感を感じたのは、準主人公である矢志田中尉(階級章に☆二つだった記憶あり)の、老いて病に伏して後の行為である。彼はウルヴァリンに命を救われたのに、そのお礼が、永遠の命をウルヴァリンから奪って自らのものにするというもの。これは「侍」としての生き方とは言えない気がする。たとえウルヴァリンが不死の体に苦しんでいたとしても、やはり後味が悪い。
トカゲのような女医(ミュータント)をもっと強力・凶悪にして、ウルヴァリンと矢志田一族が、これと立ち向かうという設定もあったのではないかと思う。
どんとこいサムライ。
まさかこのシリーズでこういう感覚を味わうことになるとは^^;
…なんて言ってても、予告であれほどナニこれ?的な要素を
見せられてはいたので、あはは…(失笑)にはなりましたが。
まぁ設定ですとか、ウルヴァリンはいま何歳?とか、とにかく
彼は様々な時代を股にかけて生きてきたミュータントですので
細かいところはカーッとすっ飛ばして観たと致しまして(爆)
いや~あの日本の描写と二人のモデル美女?の画像インパクトは
さすがにスゴかったですね。まぁ凄まじい^^;
TAOはともかく(けっこう地味顔)、福島リラには宇宙を感じます。
おぉユニバース…とても地上のものとは思えない顔面離脱感…。
と、思っていたのですがこれがねぇ~。ずっと観ていくとなぜか
この子がホントに可愛く見えてくるので不思議。
よくぞあんな美女?をキャスティングしたものだと、これだから
ハリウッドってやることなすこと理解不能ですね。良くも悪くも。
しかし二人の美女の演技(TAOは台詞棒読みを美しさでかわす)
異質な世界観の中ではなかなか良かったですね。
可哀想なのはMr.アクションスター、真田広之のほうだったかも。
あの役どころはないですよねぇー。というか、敵役だとしても、
最後あの扱いなのかい!?というくらいつまらない役どころ。
いやもちろん、我らがウルヴァリン、ヒューたまを全面的に盛り
上げたいのは分かりますが、もう少し意味を持たせて欲しかった。
アクション時、ヒューたまを傷つけないよう細心の注意を払って
対決したという真田さんの心情を思うと、なんだか泣けてくるぞ。
カタコトで話す日本人役も誰だコイツ?と思った一人だけど、
長崎でリヤカー引くオヤジからリンゴ買うのには完全に参りました。
こんなニッポン、見たこたぁない。
というわけで、あのワイスピシリーズですら、東京メインで珍作が
存在することからして、やはりこれは確信犯的に日本を描いてる。
嬉しがってていいのか、泣くべきか(爆)
さて、そうはいってもアクションシーンは(笑えるのが多いけど)
なかなか見せ場があるところもありますので、そのあたりで…。
私的には女医?博士役だったS・コドチェンコワが肝でした~。
どう見ても千昌夫氏の元妻J・シェパードにしか見えなかった(古!)
エンドロールは最後まで観て下さいねー。
(しかし矢志田のジジイは酷過ぎる。日本人は恩を仇で返さないぞ)
ヒュー・ジャックマン好きな人以外NGです
この映画ひどいですよね?日本が舞台って事で余り期待せずに観に行ったんですが、更に下回る出来映えでした(*_*)
福島リラさん、ゴミ漁っている所をヤシマ家?に拾われたと言ってましたが、今の日本の何処に行けばゴミ漁っている女の子がいるのでしょうか?アメリカには今もそんな環境の人いるのかな?
下手に日本が舞台なだけに違和感を感じてしまい、期待してたアクションも中途半端。脚本もツッコミ所が多く、何よりラスボスが今までの敵で一番弱い・・・
好きなシリーズだけに残念です(>_<)
映画館で近くの人がイビキかいて寝ていたのですが、眠たくなる気持ちもわかる作品でした。次に期待します!
アメコミそのままの内容。
ウルヴァリンシリーズ第2弾として注目をしていたが、期待を裏切らない出来でした。
シンゲン役の真田広之さんとの対決も迫力ありました。
脇を固めた俳優のどれもが外れ無しの出来でした。
ただ、残念なのはせっかくシルバーサムライが出て来たのにパワードアーマーの設定だった事と原作の様に原田が身に着けなかったことです。
後、原田がウルヴァリンと一度も戦わなかったのが残念でした。
ラストであの二人が復活して何やら匂わせる終わり方に成ってます。
2回観ました!!
X MENシリーズが大好きなこともあり、ウルヴァリンsamurai、公開が非常に楽しみでした\( ˆoˆ )/
いや〜。ほんとにおもしろかった!!!!!
特に、シンゲンとの戦いのシーン!
what kind of monster are you?
ウルヴァリン!!!!!
のシーンです(笑)
私あそこがほんとにすき!!!!!(^.^)♡
ウルヴァリンのかっこよさ、いや、ヒュージャックマンのかっこよさが前面にでておられました。大満足(笑)
それと、矢志田様のお屋敷での忍者のシーン!!!!!
へび女率いる忍者軍団!!!!!
影をうまく使ってたなーーーー
瓦屋根の上にも忍者が矢を構えてたり、
映像の奥にもこだわってて、、
素敵でしたー♡
やはり海外では、
日本=刀、侍
のイメージが強いみたいですね(^ν^)
1回目観たときは日本人キャストに少し残念でしたが、
なんでもあの日本人女性キャストは、世界で活躍するtopモデルさんとのことで。
あーなるほど。だから英語もできるのかって納得しました(^.^)
次回にも期待です!!!!!
期待しないで見たら丁度いい
いつものX-MENシリーズに比べたら格段に評価が落ちる。
今回の舞台が日本だからかもしれないが、ハリウッドが描く日本像そのものだった。
今どきチャンバラ劇なんぞないでしょ…と急に興醒め。
何よりミュータントが少ない。殆ど出ない。X-MENの醍醐味でもあるミュータントが出ないのは残念。
最後の次回作に繋がる伏線に期待大!!
違和感はあるものの日本の描き方は意外と、真面目なタッチで描写されていると思います。
ハリウッド映画には、日本をテーマにした作品には決まって、フジヤマ、ゲイシャ、ニンジャ、ハラキリ……などベタな表現をお約束とする「間違った日本」の伝統があります。本作でも、港区から上野へとあっさり移動し、ラブホテルやパチンコなど海外から見たおなじみの“日本”がしばしば登場するのです。
しかし一見ベタに見えて、実はウルヴァリンの精神が侍になっていく過程として描かれているわけなんです。当初の視点は完全にガイジンの視点。それがヒロインで、矢志田財閥総帥の孫娘・マリコと逃避行をするなかで、日本の文化に触れて開眼していくのです。それは、ウルヴァリンが一時的に不死でなくなることと無関係ではありません。日本に来たウルヴァリンは己の生きる意味を真剣に問いつづけるように変わっていくのでした。
逃避先の長崎とされるマリコの別邸のある海辺の風景など、日本の美が堪能できるシーンが数多く映し出されていました。東京、広島、愛媛でロケが行われたクルーの日本の描き方は意外と、真面目なタッチで描写されていると思います。これまでの日本を題材にしたハリウッド映画とは一線を画すのではないでしょうか。
物語は、主人公のウルヴァリンがローガンと名乗り、カナダで隠遁生活を送っているところから始まります。赤毛の日本人女性・ユキオが現れ、ユキオの雇い主である大物実業家・矢志田が再会を熱望していると伝えられます。矢志田は昔、ローガンに命を救われたことがあったのです。誘われるままに東京に来たローガンは、矢志田は東京で再会を果たすものの、まもなく矢志田は亡くなってしまいます。
矢志田の葬儀中、ヤクザの襲撃を受けてマリコは拉致されてしまうものの、それをローガンが救出します。しかし、何者かのわなにはまって、ローガンは超人的治癒能力を失ってしまいます。
マリコを守って逃走を続けるローガン。常にヤクザやミュータント、謎のニンジャ部隊が追ってくるのでした。
弓を使うニンジャも加わって延々と続くアクションが迫力満点。新幹線の屋根では、ローガンとヤクザが風圧でピョンピョンと飛ばされながら戦うシーンもそれなりに迫力あるけれど、カエル跳びのようで、つい笑ってしまいました(^^ゞ
やはり見どころは、トレーニングで肉体改造したジャックマンの入魂のアクション。特に真田広之との殺陣のシーンでは、気合いが入ってました。結局本作は、あの日本刀対決が描かれば、他はそこそこでいいというような作品だった気がします。
突っ込みどころは、矢志田の警備陣と襲撃するヤクザが共にマシンガンを携帯しているところ。さすがにアメリカ人的な発想です。日本では即刻警察が飛んでくるでしょう。ましてや葬儀会場の増上寺でドンパチを派手にやり合うなんて考えられません。自衛隊まで制圧に投入されて、関係者は根こそぎ逮捕でしょうね。
それと、ローガンに頼んでもいないのに、不死の呪いを解いてやると一方的に親切を押し売りする矢志田の考えていることがよく分かりませんでした。あれだけ不老不死の苦しみをこんこんと説く老人が、自らは生の執着に溺れていたなんて、矛楯していますよ。
ラストでは、マリコの活躍を願いつつ、そっと身を退くローガンにウルルときました。アクションもいいけど、こういう孤独を滲ませるローガンもカッコイイですね。
その他に注目したのは、マリコ役でモデル出身のTAOの哀感漂う表情。ローガンの東京へのガイド役を務めたユキオ役を演じた、福島リラの切れ味鋭いアクションも見どころです。
アクションだけを楽しむべき作品
今最も脂ののったヒュー・ジャックマン主演で、予告編を観て「ウルヴァリンは如何にして治癒能力を失い、どのようにしてその後の危機を乗り越え復活するのか」と思っていたら、見事に肩透かしを食わされた気分だ。
予告篇にもあるアクションシーンは迫力十分で、新幹線の屋根部分でのヤクザとの戦いやシンゲンとの斬り合い、武者鎧型パワードスーツとの戦いだけでなく、福島リラの格闘技もシャープで見応えがある。
しかし残念ながらストーリーはそのアクションシーンに応えるものになっていない。
第二次世界大戦末期、何故か長崎の軍基地の井戸に隠れていた(捕虜ではない)ウルヴァリンは、原爆投下の熱爆風から救ったヤシダをからの招待を受け、使者のユキオと共に日本へやって来る。そこで死期の迫ったヤシダから「命を救われたお返しにお前に死を与えてやる」と告げられるが、その手段はヤシダの主治医に扮した敵対ミュータントから、能力抑制装置を体内に注入されるというもの。
ここからは当然治癒能力を取り戻すまで敵の攻撃をいかにかいくぐるかが焦点だと思った。しかし治癒能力を失ったウルヴァリンはそれでも戦う。しかも刃物や銃弾に傷つきながらも倒れない。血を流し苦痛に顔を歪めながらマリコを守ってアクションを繰り広げる。挙句の果て麻酔もかけずに自らの体を切り裂き、心臓の近くにあった治癒能力抑制装置を取り出し見事復活する。
ここまでくると「はいはい、これでもう死ぬことはないし、どうぞ好きにおやんなさい」という感じで、その後のシンゲンとの斬り合いも緊迫感が欠けてしまった。TVスポットの背中に多くの矢を射こまれて倒れる時の「サヨナラ」も嘘だったし(言葉そのものは別のシーンで違う意味で使われているが)。
死んだと思っていたヤシダが実は生きていて、ウルヴァリンの治癒能力を奪って永遠の命を手に入れようとパワードスーツで迫って来ると言う、まるで「恩を仇で返す」ラストの展開に至っては、この作品のテーマかと思っていた「永遠に生きることの哀しみについての考察」を見事に吹き飛ばしてくれた
結局ストーリーを追ってもあまり意味がなく、日本についての変な描写も気にせず(ウルヴァリンが存在するパラレルワールドだと割り切って)、それぞれのアクションシーンだけを楽しむべき作品だと思う。
ファムケと真田と鞆の浦
日本を舞台にした本作、それに対する反応も様々ではあるが、日本人として一番ひっかかるのは広島長崎を軽く扱って欲しくないという点であろうか。ただ過去を振り返ってみれば、アメリカのエンタメ映画は原爆水爆に対して恐ろしく軽い扱いをしてきた訳で、何も本作に限った話ではなく今さら怒れない気もしてくる。20年前の「トゥルーライズ」あたりで一回ちゃんと怒るべきだったのではないかと、それこそ今さらだが思えてくる。
本作では「ナガサキ」が復活の象徴として描かれている。原爆の扱い方に違和感を覚えつつも数あるトンデモ映画の中では数段マシなのかもとも思う。
それ以外の日本描写はどうでもいいというか怒るべきポイントじゃないというか、むしろ面白かった。
ウルヴァリンの日本漫遊記、
なんといっても鞆の浦の風景がイイ。
美しくて心が和む。
この映画、日本を描いた「007は2度死ぬ」「ブラック・レイン」「キル・ビル」等のハリウッド作品からくる印象も強いが、
鞆の浦=宮崎作品などを彷彿とさせて日本映画にも目配せしているなあと個人的には思うんである。
新幹線のシーンもかなり可笑しかった。
日本政府はここ数年新幹線を諸外国へ売り込もうと策を弄している訳だが、ウルヴァリンが屋根に乗って暴れても大丈夫、速い、安全なんてこれ以上のCMあるだろうか?制作側にその意図はなかったかもしれないが、いろいろと日本の宣伝にもなっている。
バカバカしい感じで作ってあっても、新幹線と鞆の浦…ハイテクと自然っていう日本の2大観光要素をきちんと押さえた映画であった。
かつてのFOX映画を振り返ってみれば、「ライジング・サン(1993)」等では当時の経済摩擦を背景にして日本への嫌味を散りばめ、「ブロークダンパレス」等ではロケ地のアジア諸国の神経を逆撫でしてきた訳で、それらに比べれば大人な作りだなあとすら思う。
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作品内容に関しては
ブライアン・シンガー的なXメンは、gift…特別な能力を持つ者たちの苦悩がテーマだが、
本作は、giftを持たざる者の狂気が浮き上がっていて面白かった。
真田広之演じるシンゲンは、特別な能力はおろか遺産すらも相続できなかった可哀相な人物で、そんなシンゲンの逆ギレ感が良かった。
持つ者の苦悩よりも持てなかった者の狂気の方が、個人的には身につまされる。
「ラストサムライ」や「Lost」では真田広之の過剰さにどう向き合って良いか分からなかったが、本作シンゲンにはピッタリの過剰さだったと思う。たっぷりな立回りも良かった。
(蛇足であるが、「特別な能力を持つ者の苦悩」は、Xメンよりもシンガー製作「Dr.ハウス」の方に上手く引き継がれているような気がする。)
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本作監督ジェームズ・マンゴールドの「コップランド」がけっこう好きなのだが、
ウルヴァリンが痛みを感じてゆらーっと画面が揺れるシーンが
コップランドでスタローンがゆらーっと揺れるシーンと似ていてちょっと嬉しかった。
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ここまで長々感想を書いてきて何だが、
この映画で一番印象が強かったのはジーン役ファムケ・ヤンセンだろうか。
ファムケ・ヤンセン、大好きな女優だが、毎晩夢に出てくるのはちょっと嫌だ。
ジーンが永遠の安息…死と愛の象徴っていうのは何となく分かるんだが、ファムケ色、もう少し薄くても良かったような気がする。
ファムケ・ヤンセンって日本料理のワサビみたいな存在で、無いと寂しいけど効き過ぎてもちょっと困るんである。
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