劇場公開日 2012年10月20日

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「野女」ザ・ウーマン 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5野女

2020年8月18日
PCから投稿

変で記憶に残っている。
父親は俗物で変態、狩猟が趣味。
母親はDVな夫に隷属している。
長男はオタク。長女次女はまとも。

奇譚にもあるが、昔、人間の子供が野生で獣のように育ったという実話が幾つかあった。
それを援用した映画だが、シリアスではない。しっかりホラーとも言えず、モンドな空気感。
ジャンルが定かではないが、DQNたちが廃墟でゾンビ女を見つけるDEADGIRL(2008)という悪趣味映画があるが、あの暗いエロ感覚と似ている。

父親は森でハンティング中、野生の女を見つける。捕らえて拘束し、てなずけ──ようとする。
見所はリアルな野育ち女。野で生きてきた垢染みのような汚れ、文明を知らない凶暴さ、生食する鋭い剣歯、言葉を持たない濁声。──The Womanという些か大仰なタイトルは、おそらくそのキャラクターメイキングにたいする自信のあらわれであろう。演じるPollyanna McIntoshの素を見るとJovovich似のゴージャスなモデルで、変貌に腐心がうかがえた。

親父のゲスい非倫理に終始する映画だが、horribleな娯楽作として楽しい。明るいアメリカ人が描くとゲテモノがキワモノにならない。笑えるところはひとつもないが妙に可笑しかった。

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津次郎