許されざる者のレビュー・感想・評価
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許されざる者ネタバレ
私は本家を観ていませんが、楽しめました。
果たして許されざる者とは誰だったのか。
生き残った者が正義で、やられた者が悪。
渡辺謙も最後は死ぬ。
(はっきりとその場面はありませんでしたが)
ということはそこに正義はなかったんだ。
と解釈してスッキリしています笑
観てよかったです。
今度、本家も観ます(^^)
超クソ映画だった(--#)
ミニチンコを笑った笑わないから、大事件に発展するって、どんな話だよ(ノ∀`)
壮大な風景を見せたいのは分かるが、シツコイ・・・。
家屋がボロ過ぎる。ボロ過ぎて戦前の朝鮮半島を連想する。
ワンシーンを長く見せるような描写が多く、テンポが悪く観ている方はダレる・・・。
悪役が、あんまり悪く見えず、盛り上がりにも欠ける。
銃撃戦や斬り合いも、迫力に欠け、そこらの時代劇の方よりも劣る。
映画じゃなくて、TBSの2時間ドラマでやってればいいのに・・・。
結局、朝鮮半島の日常を描いたようなドラマになってしまっているのが、非常に残念。
神話性から真実味へ。
酒場の斬り合いは蛇足に見えたが、
罪と罰とやり場の無い怒りと悲しみを、
地獄の業火とともに背負った釜田十兵衛の彷徨、
生への壮絶な執着と生き抜く覚悟が凄まじい。
その生き様を、
過酷と荘厳の蝦夷地の景色が際立たせ、重厚感を演出。
オリジナルの神話性から、
ずしんと響く真実味へと転化。
力強い余韻を残すラストカットが印象深い。
生きる為に切ったのでは無い愛している人の為に切った許されざる者
許すされないなら生きる為に切なら人の為切ったほうが幸せ友情や愛を知って人の為に切った愛を守りたくって行動が駆り立てた
壮大な大地の景色がすごい
舞台挨拶付きの試写を鑑賞しました。
主演陣達が、口々に監督のしつこさをアピールしていましたが
そのこだわりが、随所に見られる久々のいい日本映画だと思います。
狂気の人切りにかわっていく最後のシーンは
渡辺謙さんの迫真の演技が見物だったし
極寒の北の大地の厳しさや、雄大な風景は
映画のストーリーの上で、とってもいい演出になっていました。
ただ、ハッピーエンドはないし、幸せや希望を描いたものではないので
見る人を少し選んでしまうかもしれませんが。。。
佐藤浩市の憎らしさと切れたときの渡辺謙の殺気が凄まじかったです。
先週の報知試写会に続いて、本日プレミア試写会にも参加してきました。
サプライズは、主演陣が客席側から登場したことです。ふつう2階席では眺めるだけなのですが、心優しい渡辺謙さんは自ら志願されて2階席のドアを開けてくれたのです。これには2階席の観客も歓喜して握手攻め。謙さんは座席のすぐそばを通り過ぎていったので、勇気出して握手しておきたかったです。レッドカーペットイベントでも今日みたいに群衆をかき分けて至近距離に近づくのは難しいのです。これだけで凄く感激しました。
続いて、スピーチで印象に残ったのは、謙さんが『硫黄島からの手紙』の撮影の時、寡黙なイーストウッド監督から、恐る恐る『許されざる者』について質問したことを披露したのです。イーストウッド監督は、「こんな暗い映画を一生懸命作って、誰が観るんだと思いながら毎日やっていたよ」と苦悩しながら撮影に臨んでいたとか。渡辺謙から見て神様のような大監督でも、毎日毎日迷い悩みながら、沸き立つ疑問と格闘していたわけなんですね。そんな思いは、本作の柳楽優弥以下若手出演陣も、ベテラン俳優に囲まれるプレッシャーからか、毎日自問自答の日々を過ごしていたそうです。
続いて、柄本明が語るには李監督のしつこさ。たぶんなかなかOKを出さずにテイクを重ねたのだろうと思います。噂では、辺vs佐藤の主演級の乱闘シーンでも、殴り合うテストを25回もやって、渡辺が死ぬかと思ったひびったくらい気合いのこもった現場だったようなのです。柄本もいい年なのに、氷点下20度の極寒に死体として裸で放置される役柄だったのでさぞかしつらかっただろうと想像します。
本作が日本映画の水準を越えた作品だと出演陣が口々に語っているのも、ハリウッドみたいに仕掛けがデカいからではありません。久々に黒澤映画みたいな重厚感を感じさせる原動力にあるのは、ワンカットごとに納得がいくまで監督・出演者が熱意を持って作り上げていることです。予算と期間に縛られがちな邦画作品にとって、納得がいくまでテイクを重ねることができる作品とは、何と贅沢な作品なのでしょうか。そんな映画の醍醐味を感じさせる仕上がりだったのです。
そこには、いい映画を作るという一点に集中した、スタッフ・出演者の熱意を感じ取ることができます。その熱意が、スクリーンに映し出されるとき、圧倒的な重厚さとともに、蝦夷の地の土の香りや、バイオレンスな血の匂い、そして痛いまでに凍てつく北の大地の寒さを胸に迫るかのように伝えてくれたのでした。
主人公の十兵衛は、幕末の京都で人斬りとして名をとどろかせるも、蝦夷の地へ逃走。現地でアイヌ人の女性を強奪し、娶った彼女の愛で人間らしさを取り戻します。その結果、「不殺の誓い」を自らに律したのです。そういう点で、凄く「るろうに剣心」に似ています。
大友版「るろうに剣心」でも緋村剣心の内面をエモーショナルに描写してしていきますが、それに加えて斬り合いのシーンが派手な大立ち回りなので、エンタティメントとしても楽しめるアクション映画となっています。
ところが本作の場合、十兵衛の人斬りシーンは極端に少ないのです。せめて「るろうに剣心」の冒頭のように、幕末でいかに切りまくっていたかという十兵衛の狂気の部分を描いて欲しかったです。李監督は、人切りとしての十兵衛の狂気を徹底的に封印。冒頭の新政府の旧幕臣狩り部隊に急襲されるシーンでも、十兵衛の強さを見せずに、何とか生抜く無様な姿をさらけ出すのです。
十兵衛とは遺恨のありそうな蝦夷地の警察署長大石に捕まった時も、全くの無抵抗で殴られるまま。半殺しにあっても「不殺」を守り抜こうとします。だからなかなか斬り合いがない展開となって行くのでした。
その間に見せつけられるのは、大石の横暴さ。十兵衛の敵役として、たっぷりと憎むべき理由をスクリーンに重ねていくのでした。大石が登場する度に、観客としてはフラストレーションが募っていく仕掛け。李監督は、大石への復讐心をマックスに持っていったところで、十兵衛の狂気を解きはなたかったようです。だから徹底的にじらします。
アイヌの人達が警察に暴力的に扱われていて、それを相棒のアイヌ出身の青年の五郎が助けにいこうとしても冷静に止めに入ったりと、十兵衛は妻に立てた誓いを決して破ろうとはしませんでした。
しかし、何も罪のない相棒の金吾が、大石に捕まって拷問を受け死んだという知らせを聞いたとき、ついに十兵衛は切れたのです。このとき、みるみる厳しい顔つきに変わる十兵衛の表情の変化は、胸の内のありったけの抑えていた感情を、もう止められないという気持ちがあふれ出していて、実にいい演技でした。
十兵衛は、殺されるといって静止する五郎を振り切って、大石ら警察署員が酒盛りしている女郎屋を目指します。
いきなり女郎屋に押し入る十兵衛。そんな十兵衛に気付き、驚きの余り言葉を失ってしまう警察署員たち。その沈黙が、これから始まる修羅場の激しさをより引き立てるのでした。
銃を構えた警察署員を片っ端から切りつける十兵衛の殺気たるや、背中が凍りそうでした。
そんな渡辺謙が鬼に変貌する演技や、大石を演じる佐藤浩市のクールな憎まれ役ぶりなど、本作は役者の芝居を味わう作品ではないかと思います。
オリジナルと比べて優っている点として、北海道の雄大な景観を借景とした、圧倒的な映像美。賞金稼ぎの旅に出る十兵衛らが馬にまたがり蝦夷の地を闊歩する姿は、西部劇そっくり。ジャパニーズ・ウェスタンといってもいいくらいの映像でした。
荒涼とした大地が拡がる景色に、たたみ掛けるようなストリングスの哀愁のこもった旋律が重なるとき、人斬りの過去を持つ十兵衛の背負っているものの重さを、ずっしり感じずにいれなくなるのです。余談ですがテーマ曲は素晴らしい旋律なので、ぜひ音質のいい劇場で味わって欲しいと思います。
出演陣としては、五郎を演じた柳楽優弥が印象的でした。若造の役で、軽いノリで十兵衛に絡むのですが、同族のアイヌ人や暴力を受ける女性に対して、ほっとけないという熱さと少数民族の悲哀を上手く演じていたと思います。
ただ残念なことに、音響が悪く一部台詞が聞き取りにくいシーンがありました。なので音響の悪い劇場では、出演者の心情が掴みにくいと思います。かなり説明的なシーンを省いて観客の想像に委ねているところが多いので、集中してみていないと置いてけ堀になってしまいますから、気をつけてください。
突っ込みどころとしては、「不殺の誓い」を頑なに立てたいたはずなのに、子育ての生活苦から一端は断った金吾の誘いに応じてしまいます。2度見ても、なんで簡単に気持ちが変わったのか理解できませんでした。
それと金吾も、いざ賞金首のいのちを立つところで、急に怖じ気づいて、賞金を元手に石炭で一山当てるというのは嘘だった。だから降りるといって、トンズラしてしまうのですね。だったら十兵衛をなんで賞金稼ぎに誘ったのか、そもそもが疑問に思えてしまいます。さらに、十兵衛と別れた後の金吾は、すぐ立ち去らずに現地に止まっていたから、あっさり追尾の警察隊に捕まってしまうのです。なぜ逃げなかったのかということと、広い大地なのに、そんなにあっさり見つかるものかという疑問を感じました。
余計な説明を省略したことで、観客の物議を醸し出す可能性はありますが、間違いなく本年の賞レースを独占する注目作。ぜひこま重量感を大きなスクリーンで体験して欲しいものだと願います。
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