藁の楯 わらのたてのレビュー・感想・評価
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なんなんだこの映画は?
松嶋菜々子さんを殺す様な設定するな!
賞金かけられたくらいで政治や官僚、警察庁が動くか!
現実ならその金は裏で動くもんなんだよ!
何なんだこの映画は?
警察と警視庁の我慢大会か?
せっかく素晴らしい役者さんの方々に失礼だとはおもわないのか?
もっと脚本との辻褄をあわせろ!
こう言う場合監督が悪いんだな。
『ここでこのSP白岩殺してしまおう』とか
いい加減に言いやがる!
そんなことするから後味が悪いんだよな!
日本人映画
面白かった。本当に面白かった。
コラテラルじゃないけど、この映画も男にしか分からないかもしれない面白さがありました(差別的な表現で申し訳ありません)。
それくらい藤原、大沢をはじめとする役者陣の隅々まで徹底した演技力とキャラクターが強烈です。後半に各キャラクターの本音が見えるので、それを踏まえて2回目を観るとその演技力、演出力の凄さが一層際立ちます。
同じ日本人として衝撃でした。
藤原演じる、いわゆる"ゆとり"はまるで僕ら世代。大沢演じる"サラリーマン"は僕の親世代。日本人の悪い部分を前半で見せつけられ、即感情移入してしまった自分が情けないです。
銘苅が清丸を引きずりながら本庁へ連れて行くあのカット。
まるで父子のようなあのカット。
僕と僕の父親で重ねてしまうと情けなくてついつい泣けてしまいました。
僕は現在24歳ですが、男としては、まんま藤原演じる清丸そのものです。
清丸に共感は出来ませんが、心情の理解は出来ます。それだけに、母親の死のニュースのシーンはかなり心に来るものがありました。(それに対する大沢の鏡ごしの表情の演技が本当に素晴らしい!)
殺人やあそこまで非人道的ではありませんが、ああいう性格でいつまでも"責任"や"リーダーシップ"というものを知らずにやたらと顔が幼く自信を持てない若者は確実に増えています。
逆に途中で死んだ新米刑事のような人間にはコンプレックスさえ感じます。
そして賛否両論のラストの警視庁前のシーン。
僕的には最高でした。濃密です。
恐らく日本人にしか理解しにくいであろうテーマ。
銘苅が刺された時の蜷川の表情。
武士の時代から続いているであろう日本魂、筋、義。
それを理解しうる最後の世代を失ったと感じた蜷川のあの表情を見た時、
三池監督にとって僕はその世代に入っていない、という事がとても悔しく、しかし言い返せない悲しみを感じました。
やはり三池監督や、その世代の方々は僕らゆとり世代にこれからの日本を預けるのは心配なのでしょう。そんな思いを感じました。
そしてもう一つ。
蜷川が銘苅に対して一番伝えたかったであろうセリフ。
あのセリフで色々な事が信用出来なくなります。正直、殺人鬼を命に代えてでも守れるか、というこの映画の"表面上"のテーマなんてどうでもよくなります。それですら蜷川の警察や国民に対する試験や実験だったのではないかと疑ってしまいます。
是非色んな世代の方に見ていただきたいです。この映画で"現代の日本人"を感じてほしい。感じた上で有りとするか無しとするかで今後の日本が変わっていきます。
蜷川を守ると同時に清丸を守るために庇い刺された銘苅。
すっげぇ…とか言っちゃう清丸。
銘苅への義理を立てて罪を認めた蜷川。
最後まで反省出来ない、反省を理解出来ない清丸。
逆にこの作品を観て何も感じないのは日本映画の危機です。そらつまらない邦画が溢れてしまいます。作る側ではなく、観る側のせいで日本映画が衰退します。
内容は右翼的(笑)ですが、演出が左翼的(笑)なので星4にしました。
なんというか、ハリウッドへの憧れ感みたいのが見えるので。。
これは好みです。でも内容が内容なので出だしでワーナーはちょっと、、笑
ちょくちょく入る長回しカットは計算され尽くされていてとても綺麗でした。ただ綺麗すぎて浮いてたというか、他のカットとの温度差が激しかったというか。。
最後に、
やたらとこの映画に対するマジツッコミを入れるレビューを見かけますが、
これは"映画"です。
観客に何かを伝えるために必要な"映画的表現、演出"に対してツッコミいれるのは御門違いです。
映画はツッコミを入れて楽しむものではありません。そのツッコミ所の意図、意味を楽しみましょう。
うーん
設定に無理がありながらも視聴者側の心情の変化を左右に揺さぶられる作品で色々考えさせられる作品でもありました。
しいて言うなら最後のシーンでSP、守るという立場の意味合いで銘苅が白岩の子供を道路側でない位置に入れ換えてあげるというシーンがあれば締まったのかなって思います。
駄作「S.W.A.T.」を更に劣化させた作品
原作者は「SWAT」をベースていうかパクってますね。
「SWAT」自体、ハチャメチャてきとー映画なんだけど、ところどころアクション・シーンにはオッと思えるところがあり、B級アクション映画としては一応成立していました。
本作は、アクションとしてはどんどん尻すぼみになっていくし、サスペンスと呼べるほど読めない展開じゃない。
一番問題なのは、邦画のアクション映画全体に言える事なんだけど、キャラのバックグラウンドや心情表現がドへたなんですよ!
大沢は最後に心情をぶちまけるキャラとして、それまで内面を出さないのは良いと思います。
しかし、他の主要キャラたち、藤原、永山、伊武、岸谷、松嶋のバックグラウンド、内面が全く描写されないから、死ぬ間際に「母ちゃん」て言っても、人権問題語られても、射殺してしまっても、子供残して殺されちゃっても、こっちは彼らがどういう人間かわからないんだから、フェイドアウトしても何も響いてこない!
少しでも時間割いて各自のキャラを描いてくれてれば、違った感想になったのに...
邦画は、予算や撮影環境の問題でアクション映画を作りづらいんだけど、もっと海外のアクションの名作と呼ばれる作品を観て、わずか数分、数シーンでキャラの内面を描けるテクニックを覚えてほしいですね。
例を言うと本作のラスト・シーンは「ワイルド・ギース」と全く同じなんだけど、「ワイルド・ギース」では最初に数分リチャード・ハリス演じる父親と息子のシーンが入っている。
それだけで、リチャード・ハリスの「エミール(息子)を...」のセリフとラストシーンで泣けるんです!
邦画の脚本家、監督はもっと勉強してください。
酷い
原作のテーマは面白そうだったんですが、判を押したようなキャスティングに劇場まで足を運ぶ気にはなれませんでした。
そこでDVD化され見てみました。
ツッコミどころ満載です!
ひどい出来で、奥底にある大きな闇(陰謀説等)の描写が全くありません。
いうなれば、ロジックのブラックボックス化により陳腐化を加速させています。
原作は読んでいませんが、ミステリーなのかアクションなのかどっちも中途半端です。
まあ、普通なら一度目に飛行機移送妨害が起きた時に、警備上の問題から考えて、あんなパレードのような移送手段は選択肢から真っ先にはずされるでしょう。
ヘリとか一般人の接触を避けられる輸送手段が一般的だと思われますし、最後に警視庁前で待ち受けている「依頼人」にはかなりびっくりしました。法治国家ですら無い設定。
言い出したらきりがないほどツッコミどころ満載です。
一番の驚きは法治国家の良心的な描写がファクターとして皆無だという事ですね。
原作もこの程度なら、誰でも小説家になれると夢を与えてくれる作品かもしれません。
大沢たかおさんが素晴らしい。
皆さん演技派の方ばかりですごく楽しめました。
次々と居なくなる仲間の中で最後までプライドを捨てなかった大沢たかおさんが素晴らしかったです。
敵か味方かどっちなのか解らなくなる緊迫感も伝わってきてとても良かったです。
主人公の心の葛藤が見事に表現されていた
原作未読のまま映画館で鑑賞しました。
物語の設定があまりにも常識外で予告編を見た時にどんな物語になるのかワクワク感はありましたが、鑑賞後はちょっと予告編に騙された感があったかなと。
物語前半の九州都市高速や新幹線を使った犯人護送シーンは迫力満点でした。どちらかというと前半はバイオレンスシーン主体なスピード感あふれる演出に目が行きがちなところで、主人公やその周りの刑事の心の葛藤が任務遂行と人間の良心とのはざまで揺れ動くさまが凄く伝わってきて、その流れは後半にはいって窮地へと追い詰められていくにつれその葛藤が増幅していく流れが読み取れてよかったと思います。
松嶋菜々子演じる白岩が殺された時の銘苅の怒りと過去の憎しみが一気に爆発した時の表情が凄く人間味あふれてて感動しました。
そして藤原竜也演じる清丸の異常とも思えるくらいの残虐な役柄に、「カイジ」以上の奥の深さを感じました。最後の判決を迎えるシーンは本当に恐ろしさすら感じました。
もう一度じっくり観たいなと思える映画です。
笑っちゃう映画
久しぶりに途中で退席したくなった映画でした。
あまりに幼稚で。
良い部分を言えば、大沢たかおさんの、ブチギレ演技のための伏線としての抑えた演技は可能性を感じました。
スタッフや役者さんなど、皆さんそれぞれ優秀なはずなので、何か観客サイドには計り知れない制作進行の障害があったのでしょうか。
それらを乗り越えての映画制作は本当に大変なんだなと、改めて思い知らされた映画でした。
酷評になりましたが、ゼブラーマンのような漫画的な表現の映画では大いに楽しませて頂いたので、今後に期待しています。
駄作だった
設定に無理があるとか、「数億円ごときで人を殺める」という襲いかかってくる人間達の動機についてはフィクションとして目を瞑ることが出来るとしても、目を瞑れない部分は色々とある。主に登場人物の心理描写。
まず藤原竜也演じる猟奇殺人犯。
一体どういう過去を持っていたのか。きっと一般人とは違う感性を持っているだろう。なぜなら人を殺める程に異常だから。
冒頭のシーンなどは、そういった異常性を期待させてくれた。
……が、一貫して「ただの猟奇殺人犯」としてしか描かれない。
彼の心理描写は、ほとんどない。
なぜ犯行に及んだのか、なぜ幼女なのか、母子家庭の時にどんな経験をしたのか、なぜ出頭したのか……なぜ、なぜ。
彼の所々の言動の動機を知りたくなるのだが、描写はない。
「ただの後先考えないバカ犯人」だから。とそれで片付ければいいかもしれないけど……
原作がどうなっているか知らんが、具体的にでなくとも、少なくとも何かしら視聴者に「想像させる余地」を与える描写をした方がよかったんじゃないだろうか。あまりにも薄っぺらい紋切り型のペドフェリア殺人犯を投影したところで感じるところは何もない。
藤原竜也の演技は嫌いではないが、物語におけるそのキャラクタの薄っぺらい虚構っぷりが藤原竜也の過剰演技と悪い方向で融合されていて、ちんけなものになっていた。
それは藤原竜也だけではなく、他の演者も同様である。
他の登場人物にも、内なる描写はほとんどない。
もちろん、役者の演技に迫真性があったのは認めるが、あったのは迫真性だけである。個々の演技だけが空寒く突出しているだけ。心理描写をおざなりにした物語全体と、演技そのものが乖離していているので、ラストの大沢たかおの熱演も空々しいだけであった。
結論としては、一般的な感受性をお持ちの方は視聴しない方がいい駄作である。設定だけでただひたすら引っ張り続ける映画。見てて虚しくなった。
BE-BOPを描いた木内さん原作の映画
こういった内容の映画だとすぐに粗さがしをして酷評する人たちが出てくるが映画はとにかく楽しめることが大事だと思う。監督や役者さんたちが狙ってるのかは定かではないが笑えるシーンもたくさんあり藤原や岸谷の過剰演技も観ている人が飽きてしまわないようなカンフル剤になってる。
ただ、三池作品に多く見られる「このシーンいる?」な場面は、どうせ入れるならおもいっきりやってほしいし抑えるなら完全に抑えてほしい。
いも欽トリオの人や男闘呼組の人も変貌してて出ているのに気づかない人もいると思うがいい演技だった。
主人公が犯人に怒りをぶつけるクライマックスのセリフは切ないものであったが自分の生き方は自分で決めるしかないと言うことを教えてくれます。
世界で認められる作品かと言われたら無理だと思うが最初から最後まで飽きずに楽しめます!
面白く無かったです。
こういった映画って、現実的な舞台設定の中で、非現実的な出来事が起こった時にどうなるのかが見所だと思うのですが。。
舞台も人物も出来事も矛盾だらけで、無理のある展開ばかり。
人物描写も雑すぎる。
で、最後はお決まりの説教シーン。
どうしてセンスの無い映画って、映像で感情に訴えるのではなくて、最後に長々とした説教シーンでまとめようとするんだろう。。
途中で帰りたかったです。
よしよし
久しぶりに劇場で見たせいなのか非常に面白く観れました。
藁の楯、なんとか言う人の名言、人はなんたらかんたらにおいて、なんとかしても所詮、藁の楯であるというあれですね知ってました。
なんでも撮る監督三池御大がいつのまにか何でもできる監督に・・・
構成は前半のダイナミックな展開と後半の白熱の演技合戦と見所が多い。
映画的には順番が逆の方が良いようにも思えますが、原作ありだと仕方ないですね。
まず良いところは、ダイナミックなカットというかハッタリの効いた映像
特に序盤の永山君がパトカーに飛び乗って銃を構えるところ、『十三人の刺客』にもありましたが、一瞬の動きで覚悟を悟らせるようなシーン。
めちゃくちゃ画になっていました。永山君はリアルにいそうなやくざみたいな警官で全体的に良かった。
次に舞台装置も特に前半は良かった。高速にしても新幹線にしても順当な魅せ方で安定感がある。順番に死ねばいい。という盛り上がりやすい構成ですが、だからこそこういう丁寧さがしっかりとした土台を映画に造ると思います。
配役も良く、主演の大沢さんは、個人的には巧いのか下手なのかようわからん役者ですが、仕事に没頭することで自分をぎりぎりに保っている役柄にはピタリ。相手役の藤原君は個人的には下手なように見えて、それがいい役者。それが社会不適合の青年にピタリ。人情家伊武も映画に好影響を与えていました。
唯一マツシマオブソリマチが役を掴めていないような気がして残念。ただ、マツシマだけの責任というよりは時間的に描写が減っていて、存在感を出すだけの余裕が無かったのかもしれませんが・・・・
物語に荒はありますが、映画の大切な部分はそういうところではないと思ってますし、そもそも昔の三池監督作品なんて、ねえ。
邦画大作にこれから期待できるのかと勘違いしたくなるような作品でした。
ラストシーンの語りが冗長なのがマイナス。長い割にはカタルシスもないですし、一応終わりに持っていったというだけな感じがして残念。好きな監督ですが、ラストが良かった映画って『中国の鳥人』くらいしか思いつかない。
役柄のプロ意識と、演技のプロ意識に感銘
とにかく俳優陣の演技が素晴らしい。とくに主人公演ずる大沢た
かおさんは、プロ意識と個人的な思いの狭間で葛藤する様が見事
である。
護送する側の5人のそれぞれに抱えた職務への責任と、内に隠し
た事情を隠してのせめぎ合いは、不自然さを少しも感じさせない
し、護送される側の藤原竜也さんの、自分本位な犯罪者、くずっ
ぷり演技は見惚れるばかり。それ以外の脇役陣についても、役柄
に溶け込んでいて、演出について手抜きはない。
以前、東京国際映画祭に招待されてからというもの、日本映画を
見る機会が増えたが、テレビでは見られない演技力の確かさには
毎回驚かされる。
それまであまり日本映画を観てこなかったことに後悔するばかり
である。
ストーリーについては、原作は未読であり、そちらを読まない限
り、プロットに対する評価はアンフェアと思う。
ただ、原作では、もう少し護送する5人の側の背景が描かれてい
たのではないだろうか。映画化にあたっての尺の都合は理解する
ものの、もう少し背景が描かれていれば、と思う。
また、ラストの場面では場を盛り上げるためとはいえ、あれほど
の大舞台を作り上げるのはどう考えてもおかしい。それまで積み
上げてきた諸設定が台無しになってしまった気がする。せめて蜷
川が顕れるのが、賞金を取り消してからなら、説得力があったの
に・・・・惜しい。
でも、ラストの藤原さんのセリフは、あのセリフに本作の深みが
あると思うだけに、素晴らしい。
本作があの「ビー・バップ・ハイスクール」によって描かれてい
たことも驚いた。いつの間にか小説家としても活躍されていたと
は。本作を観て、原作も読んでみたいと思う。
最後に、、、メインスタッフの一人と以前、名刺交換をさせて頂
いたことに気づいた。おそらくはあの方のはず・・・びっくり。
2013/5/18 ワーナー・マイカルシネマ新百合ヶ丘
良かった!!
誰が裏切り者かわからなかったので、目が離せなかった。
映画を観て、タイトルの意味がわかった。
お金は恐い。
大沢たかおさんが好きなので大満足。
藤原竜也さんが松嶋菜々子さんをオバサン呼ばわりした!
他の映画ならあり得ないと思う!!
やっぱり良かった。劇場で見たい作品
相当考えさせられますが、出来れば観ておいたほうが良い作品だと思います。 難は、全てを繋ぎ合わせて自分成りに解釈するところでしょうか?。
個人的にはこれが1番良い終わり方だと思ったのですが。
あとエンドロールの曲の題名にも繋がっている要素があるんでは?と感じた次第です。
三池作品のおいしい味が巧くでているなぁ~!
この映画は娯楽作品として充分に楽しめる作品だった。
現在同様に公開中の邦画アクションヒット作「図書館戦争」と比較しても、断然こちらの作品が良い!
この2作品は、共に現実には絶対に起こり得ないエピソードのフィクション作品だ。
となると、それをどこまで、シラケさせずに観客の気持ちを引っ張る事が出来るかで、映画の良し悪しが決定する。監督の腕の見せどころだと思う。
正直、私は、三池監督作品は、極道やら、喧嘩で殴り合いのアクションが沢山出て来る映画のイメージがあったので、これまでちょっと苦手意識があって敬遠していた。
それが「一命」で説得力の有る良い作品も撮る監督である事を知った。そしてその後彼に期待した。しかしまた「愛と誠」だ。三池監督には悪いのだが、自分には全く肌が合わず駄目な作品で、「愛と誠」は珍しく映画を最後まで観られなかった。
余談だが、最後まで映画を見ないのは、私の映画鑑賞歴の中でもかなり珍しい事だ。
暴力的な画面は苦手なタイプの私なのだが、しかし逆に考えれば、本作は最も三池監督が得意とするアクションシーンの展開が可能な、迫力の有る画作りや、スピード感が全面に出る作品でもある。音楽も巧く効果的に使われていた作品だと思う。
主役の大沢たかおの存在感及び、彼の芝居は文句無くカッコイイし、巧いと思う。
今回の作品で最も驚かされたのは、永山君の存在だ。「ふがいない僕は空を見た」のあの青年とはまるで別人。この人こんなに違うキャラを演じ分けて、イメージの固定しない芝居をするチャレンジャー俳優である事を知った。もしかすると「ふがいない~」の方が冒険していたのかも知れない。
そして、トメは何と言っても山崎努だから、彼の事は言う迄もなく、映画全体を引き上げる底力だよね。この人が出ているだけで画面に緊張感が出るし、評価がアップするのは当たり前だ。彼は俳優座や、文学座を経て50年以上のキャリアを持つ大ベテランだ。
映画では伊丹作品で常連さんだった。最近伊丹監督作品にまたスポットが当り、彼の作品の良さを再評価する声が出ている。この事は、伊丹監督が好きな自分にはとっても嬉しい。
そしてもう一つ忘れてならないのは、この映画の悪役清丸を演じた藤原君の怪演も見ものです!変質者である犯人のそのキャラクターとしての、掴み処の無い恐さ、不気味さを巧く演じていたよね。SPも刑事達も、結果的には精神的に、彼の連発する予測不能の言動に翻弄されてしまう。犯罪者とは、一般人には理解出来ないマインドを持っているが故に、逆に善人の理性を狂わせ、侵食して行く恐さを巧く清丸が演じていた。
そんな異常者を演じる事が出来た彼は、きっと俳優としても面白い仕事が出来て良かっただろうと思う。
パトカーなどが沢山破壊されるカーチェイスも、「図書館戦争」より数段上をいく。
やはりこう言った、アクションや、殴り合いシーンに於ける、迫力とテンポのある作品を撮るのは、三池監督にお任せで間違いはないですね!今最もクールでホットな邦画と言ったら、この映画をお薦めですね!
憎悪の楯となれ。
原作を読んでいないので、内容は何となくこんな感じか…?
程度の予測、ただ、このタイトル「藁の楯」が非常に気になった。
藁が銃弾からの楯にはならない。のはもちろん承知しているが、
そんな藁一本が楯になる瞬間とは、それじゃあどんな時なのか。
巧いタイトルだな…と思ったので、内容にも期待してしまった。
結果、個人的には非常に面白かった。
まさかそんなことある訳ないじゃん、できる訳ないじゃん、と
いうあり得そうであり得ないシチュエーションが大半、いくら
10億の懸賞金がかかったからといって全国民がクズを殺そうと
企み、あれほどの確率で登場するなんてことは考えられない^^;
整合性を欠いた脚本ではあるが、心理戦が緊張感を崩さない。
久々に中ダレしてない(失礼!)三池映画を観たような気がする。
しかし殺したいほど憎む相手が自分にいた場合、その憎しみと
同等以上の正義感が主人公のように保てるかどうか…が難しい。
SPという任務は、相手が誰だろうと守るのが仕事と分かっていても、
松嶋演じる白岩が何度も口にするように、「殺してしまいましょう」
が出てしまうほどのクズを目の当たりにした場合、やはり人間、
自らの感情に向き合わないことの方がかなり難しいことが分かる。
お前SPだろ!お前警察だろ!と言いたくなるほどの役立たずが
多く登場するこのドラマ、まんまとクズが逃げ果せるかにかかる。
冒頭から一貫して自身の感情を封鎖している主人公・銘苅(大沢)が、
一気に感情を爆発させるラストが凄まじい。
どれほど深い講釈やら考察やら述べる警察方(例えば奥村みたく)
への信頼感は、銘苅が言う通り「10億は山分けしよう」で吹き飛ぶ。
所詮人間なんてものは、金が絡めば善が簡単に悪に染まることを
平気で描いているところがリアルな反面、やはり気持ちが悪い。
そして大勢の理論に流れる信念の矛先。先日観たレッドフォードの
作品でも描かれていたが、誰かが「死刑」と訴えたら100人超が従う。
万が一従わなければ、国家権力をもって抹殺する。
事の真実や正義の在り方なんてどうでもいい。あんな奴は殺されて
当然。それだけのことをしたのだから。捕まえたってどうせ死刑だ。
生まれながらのクズ。という台詞が出てくるが、クズは一気に始末
するべきか、しっかりと分別機にかけて仕分けしてから粉砕するか。
私ならクズが生まれて構成されるメカニズムを知ってから粉砕する。
藤原竜也演じる清丸をいう男を、これほど嫌なクズに描いたことが
大勢の理論・指示を煽ることになるのだろうが、
私にはこういう奴を仮にも釈放してしまう制度の方がよっぽど疑問。
昨今では精神鑑定を潜り抜けた受刑者が、釈放されてはまた同様の
事件を起こしている事が問題視されつつも、ここでやれ「人権問題」を
持ち出してくる意味が分からない。犯罪を二度と引き起こさせない
ための更生機関が幇助に加担してどうするんだよ、と思う。
犯罪を犯罪だと認識できない人間を社会復帰させる危険性をもっと
考えるべきだと思う。
山崎演じる蜷川が一悶着起こすのかと思いきや、幕切れはアッサリ。
藁が憎悪の楯となり、悲しみや苦しみから人間を解放できたらいい。
ともあれ凄惨な事件や理不尽な事故で大切な人を亡くすようなことの
ない世の中を築いていかなければ…と切に考えるばかり。
(遺族の苦しみは果てしない、でも故人は遺族の幸せを願っているはず)
もうちょっと・・
設定が面白かったのと、藤原竜也さんのくずっぷりを楽しみに見にいったのですが、
う~ん、期待していたほどではなかったかなあ~というのが正直な感想。
幼児への犯罪の部分はあまり深く描かれていなかったので、見ていてつらくなく、よかったのですが、人間としてのくずっぷりはちょっともの足りなかったかなあ~
最後の一言が犯人の本質なら、それがもっと伝わるような描き方をしてほしかった。ちょっとした狂気の表情とかで。
警護5人の演技と描き方は好きでした。
特に大沢たかおさんの感情を抑えた演技と感情を爆発させる演技、松嶋菜々子さんのシングルマザーの顔、伊武さんの説得場面、永山さんの死の場面、よかった~。
それにしても、SP、優秀な割にポカミスが多すぎ。あれだけ、身内を警戒していたのに、最後はなんであんなシチュエーションで??
最後の一撃も、ああなることは目に見えていたというか。。
この設定、この俳優陣ならもっとすごい映画ができたのではないかと思うと、ちょっと不完全燃焼。
鑑賞後にモヤモヤ
良くも悪くも藤原竜也の映画
お金を払って映画館で観て損をしたという感じは全く無いが、見て良かったかというとそれは別。
面白いという表現が当てはまるのかどうか?
犯罪者を護送するSPとそれを狙う人々の話なのだが、
攻める側と守る側の対応、対処が中途半端。
せっかき、通常ではありえないストーリー設定を描いているのだから
もっと思い切りやったほうが良かったのではないか?
藤原の悪っぷりは気味が悪く
パンフレットによると”観客に嫌われるよう”に演じたとのこと。
彼は、2枚目の主役よりちょっと切れた役が合う。
しかし、もっと思い切りやれば彼の代表作になったのにと思い、少し残念
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