藁の楯 わらのたてのレビュー・感想・評価
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なんなんだこの映画は?
松嶋菜々子さんを殺す様な設定するな!
賞金かけられたくらいで政治や官僚、警察庁が動くか!
現実ならその金は裏で動くもんなんだよ!
何なんだこの映画は?
警察と警視庁の我慢大会か?
せっかく素晴らしい役者さんの方々に失礼だとはおもわないのか?
もっと脚本との辻褄をあわせろ!
こう言う場合監督が悪いんだな。
『ここでこのSP白岩殺してしまおう』とか
いい加減に言いやがる!
そんなことするから後味が悪いんだよな!
日本人映画
面白かった。本当に面白かった。
コラテラルじゃないけど、この映画も男にしか分からないかもしれない面白さがありました(差別的な表現で申し訳ありません)。
それくらい藤原、大沢をはじめとする役者陣の隅々まで徹底した演技力とキャラクターが強烈です。後半に各キャラクターの本音が見えるので、それを踏まえて2回目を観るとその演技力、演出力の凄さが一層際立ちます。
同じ日本人として衝撃でした。
藤原演じる、いわゆる"ゆとり"はまるで僕ら世代。大沢演じる"サラリーマン"は僕の親世代。日本人の悪い部分を前半で見せつけられ、即感情移入してしまった自分が情けないです。
銘苅が清丸を引きずりながら本庁へ連れて行くあのカット。
まるで父子のようなあのカット。
僕と僕の父親で重ねてしまうと情けなくてついつい泣けてしまいました。
僕は現在24歳ですが、男としては、まんま藤原演じる清丸そのものです。
清丸に共感は出来ませんが、心情の理解は出来ます。それだけに、母親の死のニュースのシーンはかなり心に来るものがありました。(それに対する大沢の鏡ごしの表情の演技が本当に素晴らしい!)
殺人やあそこまで非人道的ではありませんが、ああいう性格でいつまでも"責任"や"リーダーシップ"というものを知らずにやたらと顔が幼く自信を持てない若者は確実に増えています。
逆に途中で死んだ新米刑事のような人間にはコンプレックスさえ感じます。
そして賛否両論のラストの警視庁前のシーン。
僕的には最高でした。濃密です。
恐らく日本人にしか理解しにくいであろうテーマ。
銘苅が刺された時の蜷川の表情。
武士の時代から続いているであろう日本魂、筋、義。
それを理解しうる最後の世代を失ったと感じた蜷川のあの表情を見た時、
三池監督にとって僕はその世代に入っていない、という事がとても悔しく、しかし言い返せない悲しみを感じました。
やはり三池監督や、その世代の方々は僕らゆとり世代にこれからの日本を預けるのは心配なのでしょう。そんな思いを感じました。
そしてもう一つ。
蜷川が銘苅に対して一番伝えたかったであろうセリフ。
あのセリフで色々な事が信用出来なくなります。正直、殺人鬼を命に代えてでも守れるか、というこの映画の"表面上"のテーマなんてどうでもよくなります。それですら蜷川の警察や国民に対する試験や実験だったのではないかと疑ってしまいます。
是非色んな世代の方に見ていただきたいです。この映画で"現代の日本人"を感じてほしい。感じた上で有りとするか無しとするかで今後の日本が変わっていきます。
蜷川を守ると同時に清丸を守るために庇い刺された銘苅。
すっげぇ…とか言っちゃう清丸。
銘苅への義理を立てて罪を認めた蜷川。
最後まで反省出来ない、反省を理解出来ない清丸。
逆にこの作品を観て何も感じないのは日本映画の危機です。そらつまらない邦画が溢れてしまいます。作る側ではなく、観る側のせいで日本映画が衰退します。
内容は右翼的(笑)ですが、演出が左翼的(笑)なので星4にしました。
なんというか、ハリウッドへの憧れ感みたいのが見えるので。。
これは好みです。でも内容が内容なので出だしでワーナーはちょっと、、笑
ちょくちょく入る長回しカットは計算され尽くされていてとても綺麗でした。ただ綺麗すぎて浮いてたというか、他のカットとの温度差が激しかったというか。。
最後に、
やたらとこの映画に対するマジツッコミを入れるレビューを見かけますが、
これは"映画"です。
観客に何かを伝えるために必要な"映画的表現、演出"に対してツッコミいれるのは御門違いです。
映画はツッコミを入れて楽しむものではありません。そのツッコミ所の意図、意味を楽しみましょう。
うーん
設定に無理がありながらも視聴者側の心情の変化を左右に揺さぶられる作品で色々考えさせられる作品でもありました。
しいて言うなら最後のシーンでSP、守るという立場の意味合いで銘苅が白岩の子供を道路側でない位置に入れ換えてあげるというシーンがあれば締まったのかなって思います。
駄作「S.W.A.T.」を更に劣化させた作品
原作者は「SWAT」をベースていうかパクってますね。
「SWAT」自体、ハチャメチャてきとー映画なんだけど、ところどころアクション・シーンにはオッと思えるところがあり、B級アクション映画としては一応成立していました。
本作は、アクションとしてはどんどん尻すぼみになっていくし、サスペンスと呼べるほど読めない展開じゃない。
一番問題なのは、邦画のアクション映画全体に言える事なんだけど、キャラのバックグラウンドや心情表現がドへたなんですよ!
大沢は最後に心情をぶちまけるキャラとして、それまで内面を出さないのは良いと思います。
しかし、他の主要キャラたち、藤原、永山、伊武、岸谷、松嶋のバックグラウンド、内面が全く描写されないから、死ぬ間際に「母ちゃん」て言っても、人権問題語られても、射殺してしまっても、子供残して殺されちゃっても、こっちは彼らがどういう人間かわからないんだから、フェイドアウトしても何も響いてこない!
少しでも時間割いて各自のキャラを描いてくれてれば、違った感想になったのに...
邦画は、予算や撮影環境の問題でアクション映画を作りづらいんだけど、もっと海外のアクションの名作と呼ばれる作品を観て、わずか数分、数シーンでキャラの内面を描けるテクニックを覚えてほしいですね。
例を言うと本作のラスト・シーンは「ワイルド・ギース」と全く同じなんだけど、「ワイルド・ギース」では最初に数分リチャード・ハリス演じる父親と息子のシーンが入っている。
それだけで、リチャード・ハリスの「エミール(息子)を...」のセリフとラストシーンで泣けるんです!
邦画の脚本家、監督はもっと勉強してください。
酷い
原作のテーマは面白そうだったんですが、判を押したようなキャスティングに劇場まで足を運ぶ気にはなれませんでした。
そこでDVD化され見てみました。
ツッコミどころ満載です!
ひどい出来で、奥底にある大きな闇(陰謀説等)の描写が全くありません。
いうなれば、ロジックのブラックボックス化により陳腐化を加速させています。
原作は読んでいませんが、ミステリーなのかアクションなのかどっちも中途半端です。
まあ、普通なら一度目に飛行機移送妨害が起きた時に、警備上の問題から考えて、あんなパレードのような移送手段は選択肢から真っ先にはずされるでしょう。
ヘリとか一般人の接触を避けられる輸送手段が一般的だと思われますし、最後に警視庁前で待ち受けている「依頼人」にはかなりびっくりしました。法治国家ですら無い設定。
言い出したらきりがないほどツッコミどころ満載です。
一番の驚きは法治国家の良心的な描写がファクターとして皆無だという事ですね。
原作もこの程度なら、誰でも小説家になれると夢を与えてくれる作品かもしれません。
観て良かった
一生の問題
最初から最後まで目が離せない。
「悪の教典」より断然面白い!
7歳の女の子が無残に殺された。犯人は清丸国秀。少女ばかり狙う異常犯。少女の祖父で財政界の大物・蜷川は、清丸を殺した者に10億円を支払うと宣言。身の危険を感じた清丸は警察に出頭、警視庁は清丸の移送にSPを付けるが…!?
三池崇史監督のエンタメ精神が冴え渡った、日本映画としては極上のハラハラドキドキのエンターテイメント!
最後までスリリング。アクション・シーンも迫力アリ。
余計な描写を省き、スッと話が始まるのもイイ。
金に目が眩んだ者が襲いかかる。国民だけではなく、警官までも。
清丸を狙う者は人生に追い詰められた者ばかり。せめて家族の為に金を残そうとするが、その狂気が波紋を広げ、更なる罪に連鎖していく。
移送チームは身を呈して清丸を守るが、命を落とす者も。犠牲になった仲間にも家族が。
手段を変えつつ移動するが、何故か居所が筒抜け。移送チームの中に裏切り者が…?
疑心暗鬼、犠牲、狂気が浮き彫りになり、観る者の正義が揺さぶられ、問われる。
役者陣は皆、熱演。
大沢たかお演じる主人公・銘刈は、妻を飲酒運転の事故で奪われた。そのドライバーは以前も同様の事故を起こした再犯者。言わば、清丸と似た者。表には出さないが、清丸を憎む気持ちは人一倍。職務との間で苦悩し葛藤する姿を演じ切っている。
松嶋菜々子もクールなSPを格好良く演じててイイが、別に松嶋菜々子でなくとも良かった気も…?
岸谷五朗はちょっとタイプキャストに感じたが、キレやすい若い刑事・永山絢斗と人情派刑事・伊武雅刀は印象的な見せ場を残す。
そして、清丸を演じる藤原竜也。
劇中、何度殺したいと思った事か(笑)
とにかく、クズ、クズ、クズ、クズ、クズ…×100万回。
身の危険に脅えてるのかと思いきや、狂気する世間を愉快に笑い、守ってくれる移送チームにも神経を逆撫でする事を言う。
清丸のラストカットなどゲスの極み!(笑)
でも、その最初から最後までのクズゲスっぷりは逆に最高!
内容に粗が無い訳ではない。
日本国民が襲いかかるハズなのに、ご丁寧に一人一人襲いかかる。
後半は守る側の葛藤が描かれ、それはそれでイイが、せっかくのスケールの大きい題材が宙ぶらりん。
事の発端である蜷川の罪ももっと踏み込んで欲しかった。
…などなどが惜しい。
命を懸けてまでクズを守る価値はあるのか?あるとすれば意味は?
その答えは主人公・銘刈が体現してくれる。
面白かった!
あっという間
ブラボー!
いやぁ、何から書けば良いんですかね?
やっぱ原作者ですよね。映画化するのって原作はやはり大切ですね。
良い原作はいじっちゃいけません。
小説そのものは、文庫化された後直ぐ読みました。最初はビーバップの作者だと知らず、途中で出てきた台詞で、んー?て思って慌てて解説見たんですよね。で、あの作者かと!ファミコンで最初にやったゲームのあの作者かと!
で、読み進めたらスゲーなと!いや、ビーバップで丸刈り命令の後完全スキンヘッドって落とし方の再来だなと!
で、映画化。キャストかぁ、ハリウッドだったらどうするだろ?ん~、基準としてはスタローンのコブラかなぁ、いやあいつは犯人殺しちゃうなぁ。ジョンマクレーンは?同じか…、お、いたいた!ケビンコスナー!ボディーガード!チョット無理か…なんて事を考えさせてくれる小説でした。
で、実際の映像と演技ですけどGoooooodJooooob!です!
もしかしたら海外で焼き直しあるかも?て思いました。てのがストーリーと演技はパーフェクトなんだけど、スクリーンである必要性があんまり無いのね。ハリウッドとかならその辺考慮してスクリーン限定版ドハデ映像もいれてくれるのかな?とかね。
まさか、なんだけど「探偵は…」はこの作品の評価上げるための噛ませ犬って事はないよね?
大沢たかおさんが素晴らしい。
皆さん演技派の方ばかりですごく楽しめました。
次々と居なくなる仲間の中で最後までプライドを捨てなかった大沢たかおさんが素晴らしかったです。
敵か味方かどっちなのか解らなくなる緊迫感も伝わってきてとても良かったです。
主人公の心の葛藤が見事に表現されていた
原作未読のまま映画館で鑑賞しました。
物語の設定があまりにも常識外で予告編を見た時にどんな物語になるのかワクワク感はありましたが、鑑賞後はちょっと予告編に騙された感があったかなと。
物語前半の九州都市高速や新幹線を使った犯人護送シーンは迫力満点でした。どちらかというと前半はバイオレンスシーン主体なスピード感あふれる演出に目が行きがちなところで、主人公やその周りの刑事の心の葛藤が任務遂行と人間の良心とのはざまで揺れ動くさまが凄く伝わってきて、その流れは後半にはいって窮地へと追い詰められていくにつれその葛藤が増幅していく流れが読み取れてよかったと思います。
松嶋菜々子演じる白岩が殺された時の銘苅の怒りと過去の憎しみが一気に爆発した時の表情が凄く人間味あふれてて感動しました。
そして藤原竜也演じる清丸の異常とも思えるくらいの残虐な役柄に、「カイジ」以上の奥の深さを感じました。最後の判決を迎えるシーンは本当に恐ろしさすら感じました。
もう一度じっくり観たいなと思える映画です。
久しぶりの当たり映画。
数人で見に行ったのですが、主人公を「藤原竜也」で観てる人がいました。
…主人公は「大沢たかお」ですからっ!
この映画の「ヒキ」は、なんといっても原作者「木内一裕」と「三池崇史」でしょう。
ビー・バップな人がなにを書いてくるのか?そして、三池崇史がそれをどう料理するのか。
自分には見に行く価値がありすぎるほどありました。
「10億円で人殺しをする人達」はどういう状況であるか、
また、どういう煽りを入れることにより、成立するのか。
簡素ではあるけど、わりと説得力のある設定となっていました。
この、ハリウッド映画だったらほったらかしにされそうな思考と指向を、
さらっと触れる(回収する)あたりに、感動を覚えました。
画は、全体的に三池演出が際立つスピーディーな映画でした。
車内を狭く感じさせない「撮り」は本当にすごい。
人の呼吸に合わせるタイミング、カット。
「切り替わる瞬間」を観客に分かりやすく、かっこ良く撮れる三池監督は天才です。
ゼブラーマンの時にこれやれよ、とも思いましたが、過去の事は水に流します。
今作は、外国でも通用するエンターテイメントになっていると思います。
たいへん満足のいく作品でした。
白黒入れ代わりそうな緊張感の連続
刻々と変化する容疑者・清丸の護送状況、小さな出来事で一気に白黒が入れ代わりそうな緊張感の連続でした。
清丸の長距離護送チームは疑心暗鬼。SPって、警察官の中でも特殊な仕事なんだと再認識。刑事がもっとしっかりしないといけないのに。
個人の気持ちの移ろいと葛藤を、もう少し丁寧に見たかった気がしました。
清丸の、逃亡ストレスで肌が荒れ汗じみたアップ、生理的嫌悪感っていうのかゾッとして忘れ難いです、美形の藤原竜也だけに。全編、想定外の悪人ぶりでした。
松嶋菜々子演じるSP白石が一瞬見せる、私的な顔が可愛くて切ない名演でした。
SP銘苅を演じた大沢たかお、テンポの速い展開の中、難しい役どころを繊細に演じていて良かったです。
笑っちゃう映画
久しぶりに途中で退席したくなった映画でした。
あまりに幼稚で。
良い部分を言えば、大沢たかおさんの、ブチギレ演技のための伏線としての抑えた演技は可能性を感じました。
スタッフや役者さんなど、皆さんそれぞれ優秀なはずなので、何か観客サイドには計り知れない制作進行の障害があったのでしょうか。
それらを乗り越えての映画制作は本当に大変なんだなと、改めて思い知らされた映画でした。
酷評になりましたが、ゼブラーマンのような漫画的な表現の映画では大いに楽しませて頂いたので、今後に期待しています。
駄作だった
設定に無理があるとか、「数億円ごときで人を殺める」という襲いかかってくる人間達の動機についてはフィクションとして目を瞑ることが出来るとしても、目を瞑れない部分は色々とある。主に登場人物の心理描写。
まず藤原竜也演じる猟奇殺人犯。
一体どういう過去を持っていたのか。きっと一般人とは違う感性を持っているだろう。なぜなら人を殺める程に異常だから。
冒頭のシーンなどは、そういった異常性を期待させてくれた。
……が、一貫して「ただの猟奇殺人犯」としてしか描かれない。
彼の心理描写は、ほとんどない。
なぜ犯行に及んだのか、なぜ幼女なのか、母子家庭の時にどんな経験をしたのか、なぜ出頭したのか……なぜ、なぜ。
彼の所々の言動の動機を知りたくなるのだが、描写はない。
「ただの後先考えないバカ犯人」だから。とそれで片付ければいいかもしれないけど……
原作がどうなっているか知らんが、具体的にでなくとも、少なくとも何かしら視聴者に「想像させる余地」を与える描写をした方がよかったんじゃないだろうか。あまりにも薄っぺらい紋切り型のペドフェリア殺人犯を投影したところで感じるところは何もない。
藤原竜也の演技は嫌いではないが、物語におけるそのキャラクタの薄っぺらい虚構っぷりが藤原竜也の過剰演技と悪い方向で融合されていて、ちんけなものになっていた。
それは藤原竜也だけではなく、他の演者も同様である。
他の登場人物にも、内なる描写はほとんどない。
もちろん、役者の演技に迫真性があったのは認めるが、あったのは迫真性だけである。個々の演技だけが空寒く突出しているだけ。心理描写をおざなりにした物語全体と、演技そのものが乖離していているので、ラストの大沢たかおの熱演も空々しいだけであった。
結論としては、一般的な感受性をお持ちの方は視聴しない方がいい駄作である。設定だけでただひたすら引っ張り続ける映画。見てて虚しくなった。
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