俺はまだ本気出してないだけのレビュー・感想・評価
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着飾らない普通の娯楽映画
就職を前にした若者がみるとよいのでは
全体的にはのんびりしていて、けっこう笑える。腹の底からではないけど、クスッと。ほぼニートの生活だけど、見ていてぜんぜん苦じゃない。不思議と幸せな気持ち。
さあこれから社会に出るぞっていう人間がこの映画を見るとシズオさんにとても共感できた。夢と現実っていうところで折り合いをつけるのってとても大変で悩んでるんだけど、いろいろあっていいんだなって思えた。
シズオの周りにいる脇役もとてもいい。この作品に登場するあらゆる人間が、映画を見ている自分のひとつの可能性なのかなって思える。
普通は就職を前にした人間はこういうテーマの作品を敬遠しがちだけど、この作品は見ていてぜんぜん苦痛じゃない。きっとそれはシズオというダメキャラでさえもが周りの人たちにひとりの人間として受け入れられていたからだと思う。就活を前にして不安でいっぱいの俺も別にこんなんでもいいのかなって肩の荷がスッと下りる。
「人生300年」とは意外といいこと言うな~。
現実的かも
望めばかんたんに手に入る "夢の人生" などは無く、1歩ずつ試行錯誤して頑張っていくしかない。
ということを教えてくれるラストで、どこか安心した。
うおおおオオオオォォォオオオやる気出てきた!!という感じじゃなくて、
じわりと自分から内発的に「…さぁ頑張ろうかね」、と思わせてくれる映画。
頑張る前の息抜きに良い感じ。
コメディタッチの就職難映画のような?
シズオ、本気出すってよ
青野春秋の同名漫画の実写映画化。
まあそれにしても、笑えるタイトルである。何かミスした時、言い訳に出来そうな(笑)
でも、それを地でいってる人物がいる。主人公、大黒シズオだ。
40歳、突然会社を辞めたと思ったら、漫画家になると言い出し…。
絵に書いたようなダメ人間である。これが若者だったらまだしも、40の大人。
朝からTVゲームをし、一応漫画は描くがボツ、ボツ、ボツ…。バイトは失敗ばかり。
家では父親に怒られ、一人娘には金を借り…。
しかも、脳天気というか、楽天家。
こんな大人が近くに居たらドン引きしてしまう。
バイト先の本物店長や合コンの冷めた女の子の反応は至って当然。
一応、自分でも分かってはいる。
だけども、本気って?
やりたい事って?
分かる人は少なくない筈。
まるで自分を見てるようだ…と認めたくはないけど(笑)、不思議とシズオが憎めない。
シズオの他にも冴えない大人が二人。
シズオの幼なじみの宮田と、キャバクラの新人おっさん。
片や家族と冷え切っていて、片や若者に舐められてて…。
そんな彼らと交流を持つ、無愛想な無職の青年・市野沢の存在が温かい。
監督が福田雄一なので、ゆる〜い笑い。
背中を軽く一押しする応援映画のようでもあるけど、見た後特に残りもしない。それが狙い?
堤真一がこれまでの格好いいイメージを覆すダメっぷりで笑わせる。ほとんど素? こういうコメディも出来て、本当に器用。
共演者は個性的な面々ばかり。
宮田役の生瀬勝久、市野沢役の山田孝之は好演。
父・石橋蓮司とのやり取りは笑える。息子のダメっぷりが情けないけど、似た者同士?
濱田岳や福田監督常連俳優は美味しい所や笑える所を抑える。
そして、一人娘役の橋本愛。
可愛い〜。
表情から父への感情は読み取り難いけど…
シズオさん、娘には感謝しなきゃダメですよ。
結局、何が言いたかったのか
分からない自分は何かが足りないんでしょうか。皆さんの高い評価が理解できない。安定至上主義でもなく、チャレンジを促すでもない。
原作を読んでいること前提なのか、大黒の家庭についての説明がないため、鈴子と和解したことに対する感動もゼロ。原作こんななの?
若干のコメディで味付けしただけの残念な大人の残念な人生をひたすら見せられるだけで、ヤマなしオチなしイミなし。見終わった後にこんなに不快な気分になった映画は久々です。
ちなみに当方もだいぶ残念な感じで、順風満帆の人生を歩んでいるわけではありません。
堤真一の本気w
軽い気持ちで観にいった本作。
橋本愛見たいなってのが半分ぐらいの理由。
しかし意外と言っては失礼だが楽しめた。
原作は1巻読んだくらいだったが映画は別物と思っていたので特に違和感なし。邦画コメディにありがちな無理な痛々しく笑わせる方向はなくナチュラルにゆるいムードが良い感じ。その理由は堤真一の存在にある気がした。
無駄に豪華と言われてる脇役勢だが山田孝之の存在感がよかったな。橋本愛は話題作りとしての起用以上のものは無い気がしたけど 笑顔ばかりで可愛かったし体のラインがわかる服装が何だがエロティックだった。
期待値が初めから低かった分、ひろいものって感じです。
俺はまだ本気出してないだけ
マイルドな仕上がり
あれ?期待とはだいぶ違った方向だったぞ
どうにもこうにも、感想を書くことが大変難しい映画でして。
もっとダメで、落ち込んでいる人の話かと思ったら、どうも方向が違う。
すっと自信アリアリなのですよ。しずお。
なんというか、いろんな成功体験の本が出ていますが、
まったく同じことをやっても失敗する人は裏にごまんといて、
たまたま失敗してない/続けている人だけが取りざたされている、って感じですか。
それも、いまこの瞬間を切り取ったら、という条件付きで。5年後とか、3年後すらどうなっているかわからないものですが。
しずお以外にしても、役者はいっぱいいてうまい人は非常にうまいし、
部分的には笑えるところもありはしますが、
しかしなんだか、どこにも共感できない。現実感のない。
のっぺりしたミニストーリーがいっぱいの話って感じなんだな。
話は変わりますが、娘が親の保護下にいる間は「あのバイトはやめなさい」程度の叱り方ではいかんと思います。
そこはお年頃の娘がいる方には不愉快かもしれませんな。そんな人はこんなもの見に行かないか。
原作における不安感が…ない
映画自体は1000円を出すほどの価値はないかな?
っといった感じの作品ですが。
キャストが実力者ぞろいなので、意外と面白く、
そしてホロリとさせられてしまう良い作品です。
っが原作を読んでいた人間からすると、
堤真一さんのガタイが良すぎたり、
他のキャラもかっこよすぎたりみたいな感じで、
ちょっとあの原作の不安感というか、
自分を重ねるあの絶望感がないんですよね…。
原作は読んでいると「あぁ…哀れだな…」みたいな
可哀想な人を見る感じもあるのですが、
映画は「この人ならなんとかなるんじゃ?」みたいな
妙な安心感が凄いんですよね(笑)
実際そんな感じの話になってしまっていますし(^^;
娘さんとかの話も原作は結構えぐいんですよね…。
でも普通に笑って楽しめて、そして泣ける!
そういう良い映画ではありました。
私はまだ根気出していくだけ。
ナンだ?この言い訳、まるで私じゃないの!なんて
本気で思ってしまった、実に身につまされる作品。
そもそもこういうことを言う人間に限って(ホントーです)
本気出すところなんて、一回も見たことがない。
じゃあ、いつ本気出すの?今でしょ~っ?ってどこぞの
有名先生にぶっ飛ばされそうな気さえするんだけど、
このバツイチ42歳の男の日常が、全く珍しくないのが怖い。
私が子供の頃は…こんなオトナは見たことがなかったけど
今じゃ独身中年が親を頼って引きこもり中…なんてことが
珍しくなくなってきた。その怖さ(汗)が、ダラダラとした
世界観の中に織り込まれていて、なかなかの臨場感を醸す。
もし、うちの親がこんなんだったらどうする…?って、
誰もが思うシズオの醜態と、父親のいう「昔からコイツは~」
というくだりから考えても、かなり不思議なシズオの性格。
果たして結婚できていたことすら、怪しい(爆)
(会社勤め時代は、それなりにきちんとしていた様子だが)
冒頭からずーっと、そのシズオの世界観に浸されるので、
朝からゲームやって、漫画描いて、ボツになると少年野球を
見て、人のいい幼馴染みに酒を奢らせる…って、アナタ!!
これで生活できていること自体が不思議で堪らないのだが、
いちいち怒鳴る父親に代わって、なぜか健気な娘の態度。
父親を詰るわけでもなく、グレるわけでもなく、家事とバイト
をこなしながら、きちんと学校へも通っている様子。
(あとで意外なことが判明するんだけど)
こういうきちんとした人に囲まれながら、自分だけはしっかり
怠惰にキメる…。これはこれで、スゴイ才能だとも思える。
ただ面白いのは、何だかんだ言って漫画家になる夢を捨てない
けっこう一途で執念深いところがシズオにはある。
編集部に何回も持ちこんでは、ボツ。また持ち込んでは、ボツ。
その、紙やインク代だけだってバカにならないだろーに。
まるでへこたれる様子もなく、徹夜してまでシズオは描き上げる。
この漫画おそらく…つまらないんだろうなと思ったところ、
シュールでシンプルな内容のところなど、実にシズオらしい。
シズオを見ていると、誰に対しても並行目線で、実に素直。
小さなガキんちょ(失礼!)から、バイトの部下(一応)にまで、
店長!とか、監督!なんて、おちょくられても一向に構わない。
その懐の大きさが収入に繋がれば、言うことないのにねぇー。
生瀬の息子が母親に「シズオみたくなったら困る」と訴えるのが
あまりに的を得た意見で笑えるのと同時に、
でもそんなシズオから、君のお父さんはある意味インスパイア
されているところもあったのよ。いわゆる反面教師ってやつか。
編集部の担当くんも同じ。
誰にだってやりたいことはある。好きでやってみたい仕事が。
だけどそれで生活費を稼ぐ!ってことがどれくらい難しいか、
夢を追いかける人達は、言われなくても散々身に沁みている。
だから、憎まれないシズオが、みんな羨ましいのだ。
しかし細かいことになると、あの家は親父の年金で食べている?
としか考えられない。
シズオの退職金だって(自己都合だから)失業保険だって少ない
だろうし、どこからあの食費を捻出しているのかが不思議だ。
(友人曰く、けっこういいモノが食卓に上がっていたというし)
あぁ~ダメだ。
余計なところに考えが回り、ますます自分の首を絞めてしまう。
(私も本気を意識したことないな。ボチボチやるのは大好きよ)
脱力系映画も個性的な面々でスパイスが効いてました。
最初から最後まで堤真一演じるシズオのダメおやじっぷりが「しっかりしろよ~」と思いつつも、最後はもしかしたら本当に本気だしてくれるんじゃないかと思わせる終わり方で・・・生瀬勝久演じる宮田も山田孝之演じる市野沢もシズオの生き方になんとなく憧れというか羨ましさを持っているところが面白いと感じました。
本当はシズオ自身が自分の今を一番不安に思ってて、心の中の葛藤を妄想の中で表現しているところがこの映画の見所なのかなと思いつつ、結局は自堕落な生活に戻ってしまうあたりが自分にも当てはまるかなと思ったりしました。
ストーリーの方向性は「純喫茶磯辺」に通じるものがあり、最後は家族の絆みたいなものも感じつつ…でもやっぱり脱力系なところまで一緒でした。
笑って泣けて、これぞやっぱり喜劇の王道ナンセンス映画の決定版
青野春秋の人気漫画が原作で有ると言う。私は今迄この人気漫画の存在を知らずにいた。
しかし、映画を観ていると、「何か、この大黒シズオって、自分にそっくりで、似ているじゃない?と言うより、これ自分の事か!!??」と冷汗がどっと噴き出した。
「しかし、シズオはまだ軽傷だよな、一応神様が警告に来てくれるのだから、引き返すチャンスが残されているのかもしれない。自分の前には、神様も、もう時既に遅過ぎるので、来てもくれないわけだ」と妙に被害妄想が広がってしまった。
しかし、この辺りの心理状態は確かに、巧い描き方である。笑いのオブラートで良く真実を包みましたと、1枚座布団進呈したい気分でした。
この映画は配役も、その面白さを一段と高めてくれていると思うのだ。しかし、どちらかと言うとシリアスな芝居のイメージで考えていたが、堤真一がこんなキャラクターのコメディーか?と最初は驚いたが、大黒を堤真一に頼んだ人はセンスが良いと観た後感心した。
例えば、コメディーも多く演じて巧い、阿部寛が、大黒ではやはり、クール過ぎる。では、中井貴一では?この場合も、顔が不向きな気もするし、阿部サダヲでは、また意外性に欠けて面白味が出ないと思う。とするとやはり、この堤真一で大正解なのだ。そして、特に面白いのが、あの神さまと、過去の自分との夢の会議、あれは最高でした!
そして、その他大黒を囲む人間関係もとても面白い!先ず最高にキマッテいたのは、山田孝之演じる、フリーターの市野沢だ。彼は最初、どうしょうもないヤンキーなのかと思っていたら、超真面目な、純情なキャラだった。そして、大黒の幼なじみの宮田を演じる生瀬勝久は、真面目で実直なそのキャラが、大黒と何故か親友と言うのが、キャラ的に、ミスマッチで最高でした。しかし、彼もピンチを迎えるけれど、最後は良かったね。
そして、最も楽しかったのは、大黒の漫画担当の編集マンを濱田岳が演じていた事だ。彼の巧みな断り方は、まるで本当の編集マンみたいだった!(何故私が、そんな事を知っているのか?それは秘密です)
映画では、思いっ切り笑ったけれども、身に沁みた映画だった。人間は夢を持ちたいと誰もが望んでいる。しかし、やりたい事と、出来る事は現実的には一致するものでもない。
この人生の現実と言うべきか?矛盾と言うべきか?それは良く解りませんが、「奇跡のリンゴ」の木村さんの事例ではありませんが、人間の未来は何時花開くのか解らないのだから、夢を信じ続けて、本気を出しても、報われる事無く終わる事も有る。
しかし、覚悟を決めて、やり抜いた先に、光が射す瞬間もある。だから人は夢を見続けているのかも知れない。
だが現実には、そんな危険は決して侵せないのだ。だからこそ、映画の中だけでも、じっくりとこの大黒シヅオを応援して欲しいと願っている私だ。本作は、普段は映画をあまり観ないオヤジにも薦めたい映画だ。勿論、橋本愛ちゃんファンは元より、多くの方に笑って楽しんで貰える作品だと思いので、この作品で元気を充電して欲しい。
映画館で、作品上映前に映画泥棒禁止CM用にこの作品バージョンが創られた事を、映画を見た後で、映画のHPで知った。映画館で是非観たかった。それだけが心残りだ。
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