「大渡海を買いたい。」舟を編む AKIRAさんの映画レビュー(感想・評価)
大渡海を買いたい。
松田龍平と宮崎あおいのおかげで応援は出来るが、
正直、恋愛パートは余計に思えた。
辞書作りにのみ邁進する群像劇にしてほしかったな。
締めの言葉がしっくりこないエンディングが微妙。
とはいえ、
長い歳月をかけて作り上げた辞書"大渡海"をめぐる仕事ぶりは、
薀蓄とユーモアに満ちていて楽しい。
語釈(意味や解説。言葉の意味を説き明かすこと)を練りながら、
用例採集ノートを埋めてゆく作業、面白い。真似したい。
喜怒哀楽を煽りたてずに落ち着いた筋運びの世界感のもと、
辞書が抱える奥深さと、
努力して積み上げてゆく地味だけど何より素晴らしい生き方が、
はっきりと浮かび上がってきて、
言葉を紡ぎつつ静かな活気みなぎらせる人間讃歌に結びついていて好き!
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