劇場公開日 2012年10月27日

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「凄惨な戦闘の中で積み重なった重厚なドラマに圧倒される壮絶な戦争映画」高地戦 よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0凄惨な戦闘の中で積み重なった重厚なドラマに圧倒される壮絶な戦争映画

2018年5月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

朝鮮戦争真っ只中の1953年。停戦協議は遅々として進まず兵士達は停戦の知らせを待ちわびながらも南北の境界線で戦っていた。韓国諜報隊員のカン中尉は焦燥に駆られて上官と口論したことから激戦区として名高いエロック高地に送られ、同地で戦闘中の通称”ワニ分隊”の中に人民軍との内通者がいるらしいとの情報を元に内偵するという熾烈な任務を命じられる。カン中尉は調査を続けるうちに長い戦闘の中で両軍の間に密かに芽生えた奇妙な関係に気付くが、激しさを増していく戦闘は両軍兵士をさらに残酷な運命へといざなう。

一進一退を繰り返す戦闘で失われていく人命。死屍累々の山林で精神を蝕まれる者達の慟哭。狙撃されてから2秒後に銃声が鳴り響くことから「2秒」と呼ばれ怖れられる姿なき狙撃手との攻防。爆撃で焼き尽くされた霧の山野に響く流行歌。何もかもが圧倒的で重厚なドラマに言葉を失います。

よね