「そうだ、ローマへ行こう。」ローマでアモーレ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
そうだ、ローマへ行こう。
ローマを舞台に、4組の男女の恋模様を綴ったウディ・アレン監督作。
それぞれ簡潔にまとめると…
①ローマを旅行中のヘイリーは、地元のイケメン、ミケランジェロと恋に落ち、婚約。ヘイリーの両親もローマを訪れ、父で元オペラ演出家のジェリーは、ミケランジェロの父ジャンカルロの歌声に魅了され…。
②新婚旅行と居住を兼ねてローマを訪れたアントニオとミリー。
ミリーは美容室へ行く途中迷子になるが、偶然憧れの映画スターと出会い…。
ミリーが居ない間アントニオの元に、手違いでセクシーなコールガールがやって来て…。
③ローマで休暇中の建築家ジョンは建築家の卵ジャックと知り合い、恋人サリーと暮らす家に招かれる。ほどなくサリーの友人モニカが傷心旅行でやって来て、いつしかジャックは彼女に惹かれ…。
④仕事も家庭もごく平凡な生活を送るレオポルド。ある日突然何故か“有名”になり、会社のセクシー秘書からもモテモテに…。
①は、順調だった若い二人に水を差すジェリーが滑稽。ジャンカルロの歌声は確かに素晴らしいが、それは全て自分がまた返り咲きたいだけ。最後、オペラは成功するが、オチがまた皮肉。
アレンがジェリー役で自身の監督作に久々に出演、お馴染みのコミカル演技を見せてくれる。
ジャンカルロの歌声が素晴らしいのはシャワー中のみで、舞台上でもシャワーを浴びながらなのがシュール(笑)
②は、パートナーの知らぬ間に秘密を抱える事になってしまった新婚さん。
結婚生活って、こうして秘密が蓄積されていくんだろうなぁ、と(苦笑)
ミリー役の女優さんが美人で可愛らしい。
コールガール役のペネロペ・クルスがまたしてもセクシーフェロモン大放出!
③は、恋人が居ながら別の女性に心惹かれるという、よくあると言えばよくある話だが、最もシンプルに見られる。
ジェシー・アイゼンバーグ、エレン・ペイジら若手演技派が快演。
ジャックの内なる声として度々現れるアレック・ボールドウィンもユニーク。
④は、何とも可笑しな風変わりな一編。
有名になるってこんなもの、と皮肉たっぷりに突っつく。
ロベルト・ベニーニの個性が光る。
ナンセンスな話もあれば、ほろ苦い話も。
それらを洒落たセンスで描く辺り、アレンらしい。
ローマの景観も美しい。
ちょっとローマを旅して、色々な恋や人生を経験した気にさせてくれる。