「ウッディアレン映画の中ではあんまり」ローマでアモーレ kuさんの映画レビュー(感想・評価)
ウッディアレン映画の中ではあんまり
ウッディアレンの作品が好きで、これまで色々見てきたのですが、今回の作品は自分としては珍しくあんまりでした。
これまでも人間の群像劇をユーモアたっぷり、テンポよく描いてこられたアレン。雰囲気としては「恋のロンドン狂想曲」に近いかなと思うのですが作品としてはあちらのほうがだいぶすっきりしていて、見ている方の感情を上手くコントロールしていた作品のように思います。
群像劇といっても、ただそれぞれの人を描写するだけでは映画としてエンターテインメントとして面白くないと思います。「恋の~」ではリアリティがあって、人の生活をのぞいているようなんだけども、キャラクターたちがそれぞれ立っていて、どきっとするような展開もあったりして共感もできた。
本作はそれが少なかったと思います。
そもそも登場人物が多い。それぞれのチャプターはしっかりまとめられていて、ストーリーもありますが、詰め込まれすぎた感があります。あと、もう少し波があれば見ている側をもっと惹きつけてくれたのではと思います。
笑えるところもあり、テンポもこれまでどおりいいのですが、それぞれのお話に波がありません。ちょっとそれが退屈になります。
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