「支配と被支配からの脱出 ─」クラウド アトラス Fさんの映画レビュー(感想・評価)
支配と被支配からの脱出 ─
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弱肉強食の序列に従い、強い者が弱い者を利用する究極の形として、過去から未来にかけて‘共喰い’(食人)がキーワードになっています。─ 現代パートの中では種明かしとして、元ネタとなったSF「ソイレント・グリーン」が台詞で触れられています。
また、文明の逆転劇として、白人から有色人種へと支配層が移り変わる因果応報が描かれています。
西洋による世界支配は将来、その支配権をアジア(ネオ・ソウル)に譲りますが、遠い未来においては、支配階級から転落した白人が、大昔に蛮族と見做していた食人族にまで自分達が成り果てます。 原子力を失う危機を回避して、核融合にまで発展させた船を操るのは、かつて奴隷として白人に服従を強いられ、水夫としても乗り組んだ有色人種たちです。
彗星の痣で運命が予見されていた遠く移民先の星で、地球の話しに爛々と目を輝かせて聴き入るのは、繰り返されて来た 地球上の支配と被支配が応酬する輪廻転生から解放された子供達です。
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