「ぼんやりした清洲会議のイメージ像がより明白になり、歴史の必然性の様なものも感じさせた」清須会議 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
ぼんやりした清洲会議のイメージ像がより明白になり、歴史の必然性の様なものも感じさせた
三谷幸喜 原作・脚本・監督による2013年製作(138分/G)日本映画。
配給:東宝、劇場公開日:2013年11月9日
清洲会議は有名だが、歴史好きながら自分の知識はぼんやりしていた。長年不明であった、何故秀吉が後継者として信長と共に亡くなった長男信忠の嫡男三法師を家督継承者として推したかが本映画で明らかにされた気がして、スッキリとした思いがした。
実際、大泉洋演ずる秀吉が、最初次男信雄(妻夫木聡)を押していたが、その馬鹿さ加減に呆れた後、三法師継承者案を思いつくストーリー展開はドキドキとさせられた。
もっと大勢集まったイメージがあり、織田家の行く末を、柴田勝家、秀吉、丹波長秀、池田恒興の 4重臣だけで決めたのも、驚きであった。
天下の織田信長だが、光秀が死に滝川一益も遠国で間に合わないとなると、意外と人材難となるんだと改めて認識。秀吉の天下は偶然とも思っていたが、三谷幸喜の歴史観なのかもしれないが、お市様に夢中な柴田勝家・役所広司の姿を含めて、秀吉継承の必然性の様なものを認識させられた。お市は絶世の美女というイメージなので、正直今の鈴木京香配役は違う様に思えてしまったが。
勝家と秀吉の狭間でフラフラする池田恒興・佐藤浩市は、印象に残った。流石の演技とも思った。この武将には新たに興味持ったが、史実としては、その後摂津国大坂・尼崎・兵庫12万石を獲得も、小牧長久手の戦いで戦死とか。
秀吉・大泉洋が、丹波長秀(小日向文世)攻略で何かある筈と頭を絞るところが、リアルなビジネス営業みたいで感心させられた。お市の方にのぼせ織田家のことがおざなりな柴田勝家への不満な気持ちを、上手く利用したかたちで、さすが三谷脚本と思えた。また武田信玄の娘という松姫(剛力彩)のしたたかなキャラクター設定も、とても良かった。
監督三谷幸喜、製作亀山千広 、市川南、企画石原隆、プロデューサー前田久閑 、和田倉和利、アソシエイトプロデューサー清野真紀、ラインプロデューサー森賢正、原作三谷幸喜、脚本三谷幸喜、撮影山本英夫、照明小野晃、録音瀬川徹夫、美術種田陽平 、黒瀧きみえ、音楽荻野清子、編集上野聡一、テクニカルプロデューサー大屋哲男、VFXスーパーバイザー田中貴志、スクリプター山縣有希子、衣装デザイン黒澤和子、美術デザイン塩入隆史、装飾佐藤孝之、キャスティング杉野剛、助監督片島章三、製作担当斉藤大和。
出演
柴田勝家役所広司、羽柴秀吉大泉洋、丹波長秀小日向文世、池田恒興佐藤浩市、お市様鈴木京香、織田信雄妻夫木聡、織田三十郎信包伊勢谷友介、織田信孝坂東巳之助、松姫剛力彩芽、織田信長篠井英介、織田信忠中村勘九郎、前田利家浅野忠信、黒田官兵衛寺島進、滝川一益阿南健治、堀秀政松山ケンイチ、前田玄以でんでん、佐々成政市川しんぺー、明智光秀浅野和之、森蘭丸染谷将太、小袖瀬戸カトリーヌ、義兵衛近藤芳正、寧中谷美紀、なか戸田恵子、小一郎梶原善、枝毛天海祐希、更科六兵衛西田敏行。