「物語の詰めが甘いのが残念」相棒シリーズ X DAY 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
物語の詰めが甘いのが残念
相棒シリーズからのスピンオフ映画作品第二弾。
今回は、伊丹刑事が大活躍します。相棒のはじめの頃は、伊丹始め捜査一課の「トリオ・ザ・捜一」の面々って、右京を目の敵にしていましたが、時代が進み、みんな丸くなったのか、あるいは、作品の構成上仕方が無いのか(失礼)不明ですが、憎まれ口を叩きながらも、何となく捜査一課の面々は右京と上手くやっているような気がしますが、どうでしょうか?(TVレギュラー放送は、時々しか見ないもので・・・)
そんな捜査一課の熱血漢伊丹刑事と、今回、行きがかり上“相棒”になってしまうのは、サイバー犯罪対策課専門捜査官岩月。劇中のセリフにそれを思わせるものがあるんですが、元SEで、会社をリストラに遭ってサイバー犯罪対策課専門捜査官に転身した経歴を持つようです。そんな岩月を演じるのは、田中圭。少しノンビリした印象を持っていたんですが、この作品では、伊丹と接することで徐々に熱くなっていく専門捜査官を演じています。
TVのレギュラー放送でも時々は出てきますが、映画になると、片山雛子はじめ政界のドロドロした描写がより強くなるようですね。今回もそう。って言うか、そのあたりよりも、気になった所が・・・。片山雛子と戸張他が会食するシーン。4人いるのに、何故かテーブルの長手の所に二人座り、その反対側の長手には誰も座らないという、あたかも家族ゲームのような撮影手法。ちょっと不自然でした。
突っ込みどころを記してしまったので、もう少しツッコミを(笑)。ラストに近い、伊丹と岩月が朽木を追うシーン。あれは無いんじゃないかなぁ。朽木が車の上を登りながら逃げたからといって警官が同じ事をしては・・・。
X DAYに関する描写、X DAYのシミュレーションを行う集団の描写が、少し甘いかな。その為か、物語自体の詰めが甘く感じてしまいました。残念。もう少し緻密に描ければ、もっと良い作品になっていたと思います。右京がロンドン出張中と言う設定であったので、右京登場シーンが殆ど無いことが、物語の詰めが甘い結果につながったのかも。