「C教やばい」汚れなき祈り Jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
C教やばい
2005年に実際にルーマニアで起きた事件を元にしている映画と知ってゾッとした。21世紀にもなってこんな前時代的なことしてたのかと。
アリーナがドイツで具体的に何があったのかは明かされない。ヴォイキツァとはどうも同性愛的関係にあったようだがすでに心を神に捧げてしまったようでアガペーの愛しかくれない。すでに別の子を引き取っている里親は悪い人ではなさそうだがアリーナにとって良き理解者でもなさそうだし、あとの身よりは頼りなさそうな兄しかいない。リベラルな人間にはとても理解できない無意味に見える宗教的慣習。これは普通の人でも病みそう。
「お父様」は一応教会のトップなのだが慈悲深い人物という感じでもなく自分の教会の面子や保身しか考えてない。おまけに「C教ならロシア正教を信じないといけない」とか不寛容にもほどがある。
アリーナは突然暴れたりけいれんを起こしたりとどう見ても入院が必要に見える精神疾患なのに病院は受け入れ拒否、教会もアリーナを厄介者扱い、ヴォイキツァもアリーナを突き放すか一緒に出て行くかはっきりすればいいのに…。
あきらかに医療に繋げるべき人を、非科学的極まりない「悪魔払い」という名のもとに、真冬に拘束監禁放置するとかただの人殺しでしかないのだが、宗教が絡むとこんなに人は知能指数が下がるのか…ヴォイキツァも拘束を解くだけじゃなくてちゃんと病院か警察に連絡すりゃ良かったのに。これが信心の結果ならC教は害悪としか言い様がない。
さすが、チャウシェスクが人口増やそうと中絶避妊を禁止して、結果的に劣悪な環境かにおかれた孤児を大量に増やし破壊した国である。主人公2人が施設育ちの孤児で、教会が孤児院に寄付しているのもそのあたり関係あるのだろうか。
教会の修道女達の質素な暮らしぶりはなかなか興味深いが、明らかな病人を拘束監禁するのは信仰心のない自分にはやはり理解不能な行動だった…。同調圧力もあるのだろうか。
