犬猫のレビュー・感想・評価
全4件を表示
友達未満な二人の微妙な関係を覗き見るだけ
総合55点 ( ストーリー:25点|キャスト:65点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:50点 )
過去には何かあったらしい、知り合い以上友達未満な二人の若い女の微妙な関係を描く。変に脚色されていない自然な態度を示す演技で、ありのままの生活を覗き見したかのような記録映像的な撮影手法が新鮮。ただしあまりにありふれたささいな関係を描くだけなので、物語らしい物語が存在しないし、作品の中で大きな抑揚もない。作品はこの二人の微妙な関係だけを照らし出していて、おそらくは故意に起承転結のないまま放り出された物語はあっさりとしすぎている。独特の面白さはあったけれども退屈さもあって、もっと芯の通った物語がここにあれば評価できた。
期待通りの日常もの
【80点】
リアルさと創作的な誇張のさじ加減が絶妙で、非常に観やすかったです。邦画の日常ものを観るときに期待するような、自然な笑いや共感できるエピソードなどがばっちり押さえられていて、そうそうこういうのが観たかったんだと思わせる作品でした。
小道具の使い方もうまいです。ヒロイン二人が同じ行動をとったときに、片方だけが道路鋲に躓いたりして変化を出したりします。二人が同じ花を持って帰ってくるあたりも、ストーリー展開を暗示していて、なるほどと思いました。
最初のうち、スズがあまりにもとろいので張り倒したくなりましたが、観ているうちにだんだんいい子に思えてくるあたりが監督の腕ですね。元彼氏と再会したときにぶん殴るあたり、綺麗に怒ることのできるスズに好感が持てました。構図の反復のさせ方も良かったです。
私はずっと、二人の内どちらが犬でどちらが猫か判別しようと思いながら観ていましたが、どうやらそういう話ではなかったようですね。たぶん、ヒロイン二人と犬猫を重ねて、世の中には犬派もいるし猫派もいるけれど、どちらも可愛いものなんだよと、そのあたりの意味合いだったのだと思いました。のんびりしたいい映画です。
全4件を表示