名探偵コナン ベイカー街の亡霊のレビュー・感想・評価
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劇場版名探偵コナンで1番の異色作にして1番の傑作
劇場版第6作目
2002年公開作品
劇場版名探偵コナン興業収入初の30億越え
異色作にして最高傑作
野沢尚先生の代表作
劇場版名探偵コナン再チャレンジの意欲満々だっただけに2004年の他界が悔やまれる
監督は『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』『名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)』『名探偵コナン 世紀末の魔術師』『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』のこだま兼嗣
脚本は『マリリンに逢いたい』『赤と黒の熱情』『集団左遷』『不夜城』『破線のマリス』の野沢尚
粗筋
新型仮想体感ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティーに訪れたコナンといつもの仲間たち
コクーンを体験できるのは制作会社から参加バッジをプレゼントされたセレブな子や孫たち
仮面ヤイバーのレアカードと交換し参加バッチをゲットした少年探偵団3人がコナンや灰原にも与え5人も参加
ゲームは興味がない親友園子からバッチを貰った蘭も参加することに
一方でコクーンの開発主任樫村忠彬がコクーン制作会社シンドラーカンパニー社長のトマス・シンドラーに刺し殺された
樫村はコクーンに組み込まれた人工知能「ノアズアーク」を発明し自殺した天才少年ヒロキ・サワダの別れた父親でシンドラー社長はヒロキの母親の死後に養子として預かった養父だった
コクーンのゲーム内容は5つ
『ヴァイキング』海賊になって七つの海の冒険をするアドベンチャーゲーム
『パリ・ダカールラリー』世界中から参加するレーサーと競うサハラ砂漠を駆け抜けるレースゲーム
『コロセウム』古代ローマの剣闘士となって戦う格闘ゲーム
『ソロモンの秘宝』トレジャーハンターとなって世界中のソロモンの秘宝を探し求めるアドベンチャーゲーム
『オールドタイムロンドン』
ホームズの世界と史実が融合されたゲームで切り裂きジャックを捕まえるというもの
もちろん少年探偵団5人と蘭そしてなぜか生意気ボンボン4人組はオールドタイムロンドンを選ぶ
コクーンに異常が発生
ノアズアークが暴走
全員クリアできないと参加者全員の脳を破壊すると宣言
日本のリセットだと横暴な政治的発言までぬかすノアズアーク
大人たちが近づくと強めの電流を流すので近づけない
現実社会の大人たちは子どもたちを見守る他なかった
『オールドタイムロンドン』以外を選んだら子供たちは全滅
『オールドタイムロンドン』に参加したメンバーもモリアーティ教授の腹心やホームズが愛する女性と会うなかで次々と脱落者が続出
頼みの綱のホームズとワトスンは仕事でロンドン不在でしかも阿笠博士が開発した便利アイテムは全く使えなかったのだから無理もない
最後の方で残ったのはコナンと蘭と生意気ボンボン4人組のリーダー格の諸星秀樹
その蘭も切り裂きジャックと共に道連れに蒸気機関車の客室の上から崖下に転落しコナンのピンチを救う
血塗れをヒントに最後尾の貨物車両のワインを全て割り止まらない汽車のクッションになり2人は助かりゲームクリア
諸星の正体はノアズアーク=ヒロキ・サワダだった
バーチャルリアリティの世界
人工頭脳の暴走で人間たちがピンチになる
一度は絶望し降参するレアなコナン
劇場版名探偵コナンとしては今もなお斬新な内容で現在のコナン関係者の評価もトップクラス
重ねて書くが異色作にして傑作
元々この作品は野沢尚の持ち込み企画
野沢の子供がコナンのファンで本人も好きでよく観ていた
野沢の子供がゲームに夢中なことからこのアイディアが浮かんだらしい
元々コナンらが選んだゲームは全てオリエント急行殺人事件のような内容にするはずだだったが予算面と当時の技術力では困難と判断され却下
畑違いの大物脚本家相手にスタッフも原作者も恐縮するばかりだが綿密に話し合い作り上げた奇跡の傑作
ゲームオーバーで消えていく参加者とゲームオーバーすると参加者が入ったカプセルが下に沈んでしまうカラクリの映像が良い
エンディングテーマはB'zの『Everlasting』
第一回作品から全てにいえるが実写の街並みにアニメのダイジェストという形が劇場版のエンドロールの特徴
意図は不明
脚本家が違うとここまで違うかとTSUTAYAで借りたDVDで初めて鑑賞した当時は衝撃を受けた
他のコナン作品に比べ対象年齢がちょっと高めかもしれない
あと僕の思想としては政治家や財界人や芸能人の世襲に関して何ら文句はない
子が親の背中を見て同じ仕事をしたいと思うのは世界的歴史的人類的に見ても全くの当たり前で何ら異常性を感じなかった
杉村太蔵のような何処の馬の骨かもわからない人が成り上がって悪ノリする姿は忍び難いしそれなら世襲の方が安全安定でまだマシ
その一方で切り裂きジャックの子孫だと知られたくないトマス・シンドラーのような男がいてなんか矛盾してる間
ネットやマスコミや一部野党の間では目立つ世襲批判も日本国民全体としては少数派と見て間違いない
世襲禁止とかちょっと感情論的で単なる嫉妬ではないか
僕は残念ながら彼ら恵まれた人々に嫉妬するようなことは全くないし典型的ネット民とは何一つ共感できないしする気もないしむしろ見下している
声の配役
黒ずくめの組織に飲まされた毒薬・APTX4869の副作用で小学生の姿になっている「東の高校生探偵」工藤新一=江戸川コナンに高山みなみ
新一の幼馴染かつガールフレンドで都大会で優勝するほどの空手の達人の毛利蘭に山崎和佳奈
蘭の父親で警視庁捜査一課の刑事だったが探偵に転職しコナンのお陰で「眠りの小五郎」として名推理の有名人になった毛利小五郎に神谷明
新一の父親で世界的著名な推理小説家の工藤優作に田中秀幸
コナンの本来の姿で高校生探偵の工藤新一に山口勝平
元黒ずくめの組織の一員かつAPTX4869の開発者で彼女もまたそれを飲み副作用で小学生の体になって脱走しコナンたちの仲間になった灰原哀に林原めぐみ
警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係の警部の目暮十三に茶風林
コナンのために便利グッズを開発してくれる発明家の阿笠博士に緒方賢一
コナンを少年探偵団に誘った吉田歩美に岩居由希子
言い間違いが多い少年探偵団の小嶋元太に高木渉
姉の名前は朝美!少年探偵団の円谷光彦に大谷育江
蘭の同級生かつ幼い頃からの親友で鈴木財閥の令嬢の鈴木園子に松井菜桜子
警視庁捜査一課のキャリア組警部の白鳥任三郎に井上和彦
警視庁捜査一課の刑事で巡査部長の千葉に千葉一伸
新一の母親で天才女優として名を馳せたが結婚のため20歳で引退した工藤有希子に島本須美
樫村忠彬の息子でマサチューセッツ工科大学大学院に在籍する学生だったが養父による厳しい監視体制に耐えられず10歳の若さで投身自殺したヒロキ・サワダ に折笠愛
ヒロキが制作した人工頭脳のノアズ・アークに折笠愛
登志夫の孫でコナンを「メガネ」と呼ぶ傲慢な小6四人組の諸星秀樹に緒方恵美
与党政治家の息子で後ろ髪を結っている生意気な小6四人組の滝沢進也に高乃麗
哲之助の孫で生意気なぽっちゃり小6四人組の江守晃に愛河里花子
有名狂言師の息子で生意気だが4人の中では比較的礼儀正しい小6四人組の菊川清一郎に斎賀みつき
IT産業界の帝王として名を馳せているシンドラーカンパニー社長でヒロキを養子として引き取ったトマス・シンドラー に津嘉山正種
コクーン開発の主任でヒロキの父親の樫村忠彬に平田広明
財閥系銀行頭取で江守晃の祖父の江守哲之助に依田英助
警視副総監で諸星秀樹の祖父の諸星登志夫に堀部隆一
オールド・タイム・ロンドンのサポートキャラクターのシャーロック・ホームズ に田中秀幸
ホームズが愛した舞台女優のアイリーン・アドラーに島本須美
ホームズとワトスンが下宿している「ベーカー街221B」の女主人のハドスン夫人に速見圭
ホームズの宿敵で幼少期のジャック・ザ・リッパーを殺人鬼に育てたロンドンを影から支配する犯罪界のナポレオンことジェームズ・モリアーティ教授に小林清志
モリアーティ教授の腹心でトランプクラブのイカサマ師のセバスチャン・モラン大佐に藤本譲
実在した連続殺人犯で逮捕されることなく消えたジャック・ザ・リッパーに速水奨
アコーディオンを弾くゲームデータに存在しない人工知能が作った謎の浮浪者に宝亀克寿
トランプクラブでモラン大佐とポーカーをしていた口髭の男に中嶋聡彦
米花シティホールの会場スタッフに長嶝高士
コクーンのカウントダウンをしていた女性アナウンスに百々麻子
コクーン完成披露パーティーの中継をしていた女性レポーターの清水に村井かずさ
コクーン完成披露パーティーの司会に蓮池龍三
シンドラーのSPに細井治
シンドラーのSPに増谷康紀
アメリカのマサチューセッツ州で放映されているニュース番組の女性キャスターにMAI
雑感
・コクーンえぐすぎ20年経ってるのにまだ現代にコクーンないのおもろい
・新一と優作の言葉がなくても通じ合ってるの尊い
・ホームズの好きな人が有希子さんなの良すぎだし、それに新一が気づいてるのも良すぎ
・世襲制について突っ込んでて全くその通りだと思った
・返り血つかないのは流石に草
・傷ついたらゲームオーバーらしいけど、コナンが切り裂きジャックに踏まれたときに消えなくて、子ども達が殴られたら消えるのは、流血があるかないかってこと?
・ノアズ・アークお助けキャラ出すのよくわからない😖って幼い頃は思ったけど、日本を根本から変えたいという気持ちと友達を助けたいっていう気持ちの衝突か
・銃を持ち運んだのあのガキじゃなくてノアズ・アークだっとしてら、ガキの演技うますぎ
・あのガキは更生する機会なくなったってことか…
・蘭ねーちゃん思い出せんのエグすぎ
・新一他の人がくだらない話しかしなかったらあの呆れ顔するのに、蘭ねーちゃんにはホームズの話しかしないのまじでおもろい
・博士本気ですごいやつで草1ヶ月いなかったって笑笑コナンの時間軸の1/12いなかったの笑笑
コナン作品の中では圧倒的満足度
コナン映画鑑賞を始めて、初めてとても楽しめる作品だと思いました!
そもそも非現実ですが、ゲームの世界に飛び込むことから、サッカーボール、スケボー、麻酔針などが使えない設定。
単純にホームズの知識をもとに事件を解き明かす流れは、とても良いと思いました。
こんな作品が増えると良いと思いますが、子供ウケはしないかもしれないなと…。
面白い
現実世界での殺人事件は最初から犯人がわかっておりミステリーとしてどうなのかとも思ったが、ゲームの世界でのどんでん返しや、昔ながらの「コナンっぽさ」を感じることが出来た。最近のコナンの映画ではとりあえず爆発させとけばいいという魂胆が丸見えで素直に楽しめるような脚本が少ないように感じる。この頃のコナン映画のような映画に期待したい。
山崎貴のドラクエより遙かに、バーチャル体験への愛を感じた!!
シリーズの中でも独自性があり、時代を先取りしている部分があると思います。出たしでキッズが生意気すぎました。棒読みキッズもいて、読者参加がシリーズの伝統だと知りした。殺人事件が起きているのにイベントを強行して、何か笑えました。コナンがホームズマニアだったり、小五郎が沖野ヨーコ好きなのを思い出させてくれました。現代では異世界もののアニメ等も沢山あるので、コナンの中では珍しい内容ですが、流石に演出も古く感じて凄く面白いという訳ではないです。しかし、山崎貴のドラクエより遙かにバーチャル体験への愛を感じました。
いつも通り
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コナンらがバーチャルゲームに取り組む。
それは人工知能が作り出したもので、失敗したら現実世界に戻れない。
で相変わらずコナンが天才的にクリア。
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相変わらず推理でも何でもないパターンの映画。
バーチャルから戻ったら、コナンの父が殺人事件の犯人を逮捕してた。
『名探偵コナン』劇場版 第6作
かなり細かく内容をハッキリ覚えているあたり、第25作までの時点、過去一好きな回かもしれない。
青山剛昌先生は相当ホームズがお好きなのね。
ホームズの物語や実際に起きた事件などを上手に織り交ぜて展開するストーリー良き。
それにしても、コナンたちが仮想空間に飛び込んだ結果、いつになく、なかなか「現実的」な展開が多かったのには何だか笑ってしまった🤣(普通は逆なのよw)
その分ちゃんと謎解きもしてたし、近年の劇場版と比べるともしかしたら物足りないかもしれないが、本来のコナン世界を見せる意味ではかなりの良作と思われ👏
【あらすじ】
各界著名人の子女たちが招待され、体感シミュレーション・ゲーム「コクーン」の発表会が開催されようとしていた。だがその直前、コクーンの開発責任者が出資会社社長であるシンドラーに殺害されてしまう。
人工知能プログラム「ノアズ・アーク」を開発した10歳の天才少年ヒロキ・サワダの自殺と因果関係がありそうだが… 果たしてコナンたちはゲームの世界から無事生還できるのか!?
コナンvsオールドタイムロンドン&ホームズ
ホームズの世界に入り込むという設定自体が面白く、ワクワクするよね。
コナン映画史上でもかなりオススメ上位だったので視聴。暴走する仮想世界からの脱出というのはベタだけど鉄板な感じだよね。ジャックザリッパーとの絡みも面白い。
時計台の時計で、残り人数がわかるのもロンドンの設定を余すとこなく使ってるみたいで面白いね。蘭姉ちゃんの最後の飛び降りシーンは圧巻。
あと、これの前に緋色の弾丸を見たんだけど、両方とも列車事故オチが被ってて笑った。ただ、この映画の方が列車事故から命を守るための方法があって面白いかな。緋色の弾丸はあまりに単純すぎたので。まあ、ワインのなかに入って本当に衝撃吸収するかは分からんけどね。ゲーム的なフラグ立てってことだとは思うけど。
コナンがあまりにもホームズのことを知りすぎてるのに、新一にいちゃんから聞いた、の一言で納得してしまう蘭姉ちゃんの納得力には舌を巻きます。
ホームズ蘊蓄が多すぎるが
仮想空間ゲームの現場がタイムカプセルで過去に行くという話。 非常の...
仮想空間ゲームの現場がタイムカプセルで過去に行くという話。
非常の面白い設定で実際に有ってもおかしくない。
ただし、ゲーマーがみんな死んだら現実でも本当に死ぬという設定はいただけない。
だれが参加するねんという話だがたくさんの子供が続々参加する。
最終的にはコナンが生き残ってゲームオーバーでみんな助かりましたというエンディングは予想できたけれどもう、一人生き残った少年にやられてしまった。そういうことかい。
蘭が列車から飛び降りるシーンはうるうる。
いつも一つは蘭と新一のシーンにウルウルさせられるのはお決まりのコースか?
今回はコナンのお父さんやお母さんも出てきておもしろかったがおっさんの出番は少なかったのはちょっと寂しかった。
20年前にこの世界を創り上げてるとは劇場版名探偵コナン、さすがやね。
50点
映画評価:50点
とうとう秘密道具とか、
その他もろもろの説明が無くなりました。
あと冒頭から見慣れないキャラによる
字幕シーンからのスタートですので、
コナンを初めて視聴する方には厳しい作品かもしれませんね。
内容自体は今までにない雰囲気で
観ていて全く飽きませんでした。
当時では聞き慣れない
AIやVRといった最新技術を駆使した
近未来型のゲームの試運転に参加する一同。
しかし、そのゲームは死のゲームだった。
これがソードアート・オンラインの原型だったのかもしれませんね。
更に様々なステージが用意されているのですが、
コナンたちは勿論ベイカー街(ホームズ)を選択。
その中で織り成す冒険は真にホームズ愛です。
コナンがホームズ豆知識を無限にしてきますが、
このコナンを通して作者のホームズ愛が感じ取れます。
それだけでも、
見る価値があると思います!
ただゲームだからなのか全般アクション重視で、
推理要素は少なく、少年探偵団等の各キャラの活躍(見せ場)も少なく、浅い内容でした。
新しい事への挑戦は面白かったですが、
今までの持ち味を薄くしてしまったせいで
感動とか、興奮は出来ませんでした。
ps.今回はとても命が軽く、犯人もオマケで何だか可哀想。
【2022.6.26観賞】
劇場版第6作。 体感シュミレーションゲームの中の19世紀のロンドン...
コナン映画で一番好きかもです
小学生の時映画館で観てすごく面白かった思い出があり、
今でも定期的に見返してます。
内容的には今でいうVRゲームが舞台です。
まぁプレイ環境は大分違いますが、時代を先取りしてた映画ですね笑
仮想空間の話とはいえ、
少年探偵団の皆や蘭姉ちゃんが退場してしまうのは
小学生ながら衝撃でした。
犯人の動機について個人的には納得感なかったのですが
全体を通してミステリーとアクションのバランスが良く
大人になった今でも面白いと感じる作品です。
俺の原点にして頂点
俺が人生で初めて映画館で観た映画がこの作品です。従兄弟と両親とともに観たのを覚えてます。
小さい頃はコナンが推理やアクションをしてたことしか記憶にありませんでしたが小学生の頃に見直したらとても面白い作品だと気づきました。
少年探偵団のような仲間との絆と工藤親子や樫村親子、シンドラーとJTRの離れない血の繋がりの対比と「繋がり(血)」をテーマにした作品であり社会派なテーマもある作品です。
一番好きなのはヒロキ君の「現実の人生はゲームのように簡単じゃない」ベイカー街の亡霊というタイトルの一人のヒロキ君がこの映画で皆に覚えていて欲しいという脚本家からのメッセージを体現してるシーンが一番好きです。
しかし脚本家が野沢さんで従来の古内さんでは無かったのでコナンらしくない作風やテーマ、そしてキャラ描写にも違和感があり、俺が小さい頃は周りの人間がこの作品が嫌いな人が多く誰ともこの映画について話すことができないと思い悲しかった。ですがネットという世界を知り結構評価されてることを知って嬉しかった。そんな思い出の作品です。
俺のレビューをご覧くださりありがとうございました。
二世、三世政治家、財界人はいらねーな
世襲制が敷かれているみたいな現代の日本。嫌味なガキンチョばかりがスニーク・プレビューに参加する。シンドラー社が主催するVR、AIのゲーム界を先取りしたような発表会でも政界、財界、芸能界など有名人の御子息ばかりが招待されていたのだ。しかし、“コクーン”というゲームには2年前に自殺に追い込まれた天才少年ヒロキ・サワダのプログラム“ノアズ・アーク”が侵入していたのだ。
参加者50人のうち1人でもクリアできれば勝ちとなるのだが、5つのバイキング、パリ・ダカール・ラリー、コロセウム、ソロモン、オールド・タイム・ロンドンは厳しく、脱落者が続出し、ロンドンを選んだコナン達が最後の希望となった。
ヒロキが日本の学校教育に疑問を抱き、アメリカに渡り、マサチューセッツ工科大大学院に進学、そしてIT業界の帝王と呼ばれるシンドラーのもとで働かされることとなった。個性を伸ばさない教育というものと、決められたレールの上を進むだけの人生など、風刺を込めて描いてある。今までの劇場版と一風変わった展開は脚本家が野沢尚に代わったからだろうか。シリーズの中でも異色ではあるけど、ホームズやジャック・ザ・リッパーを登場させるところは本来のコナンの真髄なのかもしれません。
また工藤新一=江戸川コナンの父親が推理小説家としてクローズアップされているので、親子の信頼関係もまた世襲制へのアンチテーゼとして訴えてくる。そして殺された樫村も意外なところで繋がっていることが明かされることも・・・
日本をリセットしてやる!なんて犯人の過激な主張もありますが、それをいい形で展開させているのも社会派作品としての見所のひとつ。さらにシャーロック・ホームズとモリアーティにも敬意を払い、「血は争えない」という主張を最後に持ってくるものの、それを「なぜ戦わなかったんですか?」と詰め寄る工藤優作がカッコいい。それぞれの親子の形があるのだろうけど、工藤親子がやっぱり一番ですね。
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