ボッカチオ'70 仕事中のレビュー・感想・評価
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伯爵夫人の閃きとは?
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本作はボッカチオ'70のオムニバス構成の第三話、カルロ・ポンティから男と女の生き様をボッカチオ流に表現してみせてと言うお題をもらったルキノ・ヴィスコンティ監督は自身も伯爵であることからよく知る貴族社会を舞台に選んでみせてくれた。恵まれた身分から旦那は放蕩三昧、11人もの娼婦と遊んで新聞沙汰、夫人も庭師ならぬ若い執事と訳ありげ、世間知らずの夫人はこれを機に夫と別居、仕事を持って自立するとのたまうが閃いた職業が”あれ”だったとは愕然という顛末。パンが無いならケーキを食べればといった逸話と重なる可笑しさ、第一話の新婚ならぬ貧困カップルの生活感と比べると両極端なのだがどっちがましかとも言い切れず、中庸、平凡な自分の現状にささやかな喜びを感じさせてくれるという意味では術中に嵌められました。
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