「主に悪い意味で実験作の域を出ない」電柱小僧の冒険(ビデオリミックス版) 因果さんの映画レビュー(感想・評価)
主に悪い意味で実験作の域を出ない
『鉄男』同様、迸る原始的パンク魂みたいなものは確かに感じるんだけど、海外によくあるうるさくて激しいだけのジャンプスケア系トラウマ恐怖動画を見ているようで興が醒めた。なんか中学とかの帰り道で友達が電柱の陰からワッ!と出てくるんだけどいまいちウケなくて、にもかかわらず本人は面白いと思ってその後も同じ手口で何度も驚かそうとしてくる、みたいな。わかりきったことを何度もやられることももちろん嫌だが、驚かす側が驚かされる我々の歩調を無視しながら自分一人でどこまでも加速していくというのが一番嫌。あ、別にこの人は私たちのためにそれをやってるわけではないんだな、と思うとこちらも興味が失せてしまう。これはオレ様が気持ちよくなれるものだけを作りやがれ!ということではなく、外部からの眼差しの存在をまったく考慮しないのであればそれもうメモとか日記でいいじゃん、ということである。というわけで主に悪い意味で「実験作」の域を出ない映画だった。
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