銭形平次・恋文道中

劇場公開日:

解説

企画清川峰輔の大映、新演技座提携作品で、『錢形平次捕物帖』でおなじみの野村胡堂の原作から、「折鶴笠」の冬島泰三が脚本を書き監督したものである。撮影は「源氏物語(1951)」の杉山公平が当たっている。出演者は「月から来た男」の長谷川一夫と長谷川裕見子に、三年振りでアメリカから帰り、今度大映と契約を結んだ三浦光子の第一回出演のほか、花菱アチャコ、浪曲の広沢虎造、日高澄子、本間謙太郎、上田吉二郎、その他である。

1951年製作/86分/日本
配給:大映
劇場公開日:1951年12月28日

ストーリー

尾張六十一万石の奥方お由良の方は若い頃恋人があり、その恋人と取り交わした二、三通の恋文は、国元のお部屋様一味の陰謀の種となり、それを願っていたお由良の方の兄は、日本橋桧物町の長屋で何者かに殺害されて、恋文は奪われていた。お由良の方からの折入っての願いに、銭形平次は八五郎をつれて、この恋文のあとを追うことになった。その頃、桧物町から上方へ旅立った一行があった。両替屋加奈屋総右衛門の一家、御用大工又三郎と娘お組、用心棒の浪人友部と鈴木、踊りの師匠お歌、それにみえかくれついて来る浪人秋月新太郎と女賊のお加代などだった。平次はもちろんこの中の誰かが犯人とにらんでいた。戸塚の宿では、浪人の友部が何者かに殺され、次の小田原の宿で、加奈屋の伜房吉とお組が駆け落ちをしたが、平次がそのあとを追うと、箱根の山中で房吉は殺され、お組は行方不明になった。しかし、そのお組は湯本の宿で発見され、お歌にさそい出され、恋文を渡せと迫られる。そこへ鈴木と秋月とが出て来て争いになり斬り結ぶが、鈴木は恋文を握ったまま崖からつき落とされた。しかし鈴木は無事で、お加代と一緒に古寺に待つ側室方の侍大場のもとへかけつけるが、恋文を開いてみると白紙であった。お加代が途中ですりかえたのだった。お加代の身に迫る危険を平次が救ったが、大場の一味に取りかこまれる。しかしそこへ奥方からの応援の一団がこれに当たった。平次たちは鈴木や総右衛門たちに追われるが、秋月と鈴木の凄惨な一騎打ちで二人共相討ちで倒れた。秋月はお由良の若き日の恋人であった。恋文は奥方の妹お歌の手で焼かれた。お加代は平次への恩返しに恋文を守ったのだった。やがて晴れた富士の下で、江戸へかえる平次、お歌と上方へ行くお加代、虎造とは別れ別れの道を行くのだった。

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