西城家の饗宴のレビュー・感想・評価
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失業
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新劇の研究生でもある次女敦子(若山セツ子)は映画のニューフェイス志願で何度も応募して失敗しているが、陽気な彼女は常に前向きだ。新劇の研究会で知り合った加取(小林桂樹)によって父・晋作(菅井)は劇作家協会の事務職を得る。そして咲江の再婚話もとんとん拍子に進み、彼女は西城家を去ることに。幸せな雰囲気いっぱいで丁度中盤、ここで終わると小津映画になっちまう。
長男・浩太郎(千秋)は家の中で裸同然でいるところ。敦子はピアノや美容体操に明け暮れている。かつて豊かだったことを象徴するかのように大きな家だから出来ることか。父の厳しさも無くなっているところが現代的だ。
後半には問題が山積み。まずは長女・藤子が早産で予後が悪く、入院費のためにピアノが売られることになる。そして悪徳芸能ブローカーの山下(殿山泰司)に騙され、事なきをえたものの金五万円を請求される。その五万円を工面するために父・新作は協会の金を流用し、協会から責められるのだが、敦子の名誉を重んじ口を閉ざす。そして気のふれたフリをし始める。やがて家族全員で金を返し、これを機会に敦子と加取は結婚することになり、すべて事情を知った協会長の水野は再び職に復帰するよう頼み込む・・・めでたしめでたし。
大家族を扱うには時間が短すぎだろう。せっかくの新藤兼人脚本の味わいが生かされてないのだ。時代が時代だけにしょうがないか。
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