脱線情熱娘

劇場公開日:

解説

笠置シヅ子の松竹大船初出演映画で、製作は「真昼の円舞曲」の小倉武志。脚本は「真昼の円舞曲」の新藤兼人と「エノケンのとび助冒険旅行」の山本嘉次郎が共同執筆し、「社長と女店員」以来久し振りに大庭秀雄が監督する。撮影は「真昼の円舞曲」の生方敏夫の担当。出演者は「エノケン・笠置の極楽夫婦」の笠置シヅ子「七彩の虹」の河村黎吉「悲しき口笛」の原保美「真昼の円舞曲」の殿山泰司などのほかに、「踊る龍宮城」の大辻司郎 (父)と「歌うエノケン捕物帳」の藤山一郎が特別出演する。

1949年製作/85分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1949年12月15日

ストーリー

風でまいこんで来た一枚の宝くじで成金になってしまったクズ屋の金八一家。豪壮な邸宅に住み、一人娘のとし子には美しい着物を着させたり、礼儀を教えたり、果ては地位と名誉を得ようと、強いるとし子を、元子爵と称する青ひょうたんみたいな男を婿に迎えようという始末。金につかれた金八は長屋時代仲よかった熊さんなんか鼻にもひっかけない勢である。一方未来の大音楽家を夢見る小出と大江両君は、ある日月給一万円の音楽教師の口があると聞き驚いたが、条件は五十歳以上の老人に限るというので思案の揚句一計を案じ、サンタクロースの衣しょうで老人に化けてのり込んだのが金八邸宅。金八は娘の教養としてクラシック音楽を教えるように頼むが、当の娘は軽音楽が大好き。そこでクラシックも軽音楽もわからぬ金八をごまかして軽音楽を教えているうち、老人に化けた若き小出はとし子にまいってしまう。娘も次第にこの老人を親のようなしたしみを持ち始める。だがある日娘に軽音楽を教えこんでいることがわかり小出はクビ、気の進まぬ結婚はしいられるし、とし子はいてたまらなくなって家出し、山のホテルに行く。ホテルはお山の祭りで大変のにぎわいである。小出はとし子のことが気にかかり追っかけて、とし子にあうが、老人の小出の方が好きで、あんたみたいに若いのは大きらいといわれてがっかり。ぼくと老人とは同一人物だといっても受つけないので困っていると金八が現われたので、老人のおいのけん闘家だといったばかりに、奉納のけん闘大会にひっぱりだされてしまう。がん張るたくましい小出の姿に、彼氏をすっかり見直したとし子だが、まだ老人の方がずっといいらしい。夜のパーティが開かれた。小出はこのときとばかりホールのピアノで得意の曲を弾いた。とし子の眼は輝き「まあ、先生だわ」といってうれしそうに陽気なメロディに乗って歌い始めた。金に目のくらんだ金八の心も次第に人間らしくなって来たようだ。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

4.0『銀座カンカン娘』と同じく笠置シヅ子が歌うテーマ曲。

2018年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
kossy