グッドバイ(1949)

劇場公開日:

解説

製作は「流星」の青柳信雄。原作は朝日新聞に連載された故太宰治の遺作で、これは彼の自殺によって十三回で中絶されたものである。これを「狙われた女」「幽霊曉に死す」「青い山脈(1949)」(今井正と協同)の小国英雄が脚色した、監督は「今日われ恋愛す」につぐ島耕二。キャメラは「結婚三銃士」の三村明が担当する。主演は「春の戯れ」の高峰秀子「不良少女(1949)」の森雅之「麗人草」「流星」「別れのタンゴ」の若原雅夫「女の闘い」の三村秀子で、それに「地獄の笛」の江川宇禮雄「麗人草」の高田稔「白髪鬼」の霧立のぼる「結婚三銃士」「のど自慢狂時代」の清川虹子「結婚三銃士」「異国の丘」の清川玉枝らが出演する。

1949年製作/99分/日本
原題または英題:Good-Bye!
配給:新東宝
劇場公開日:1949年6月28日

ストーリー

雑誌「オベリスク」の社長関根は金主船越から「お前のとこの田島という男にうちの娘がぞっこんなんだ」と聞かされおどろいた。何んとしても田島と船越の令嬢を結びつけなければならない。ところで田島は編集長で希代の美男、そしてドンファンである。関根から頼みこまれて田島は大弱り、田島には今四人の女がいる。どれも美人でかんたんにはグッドバイということにならぬ。よほどスバラシイ美人でもつれて「実はこれがワイフです」とでもやらなければならない。そんなスゴイ美人は仲々いない田島は思案にくれてまちをあるいていると「田島さんでねえか」と背中をたたかれふりかえると目のさめるようなすばらしい服装をした美人田島が目をみはっていると「おらを忘れたかニイ」と異様なことば。ハッと気のつく田島。この女は前々から田島の社へ紙を売りこみにくるカツギヤだった。「オラだってたまにはいいかっこしたっていいだろ」そういう女きぬ子の顏はものさえいわなければ大家の令嬢とまがうばかり。田島はハタと手をうった。そしてここで二人の契約が出来、きぬ子は物をいわぬことにして田島の仮のワイフとなり、田島の四人の女を田島とともに訪れ、美容院のマダム蘭子、芸者の鈴龍、カストリヤの女将たまとそれぞれグットバイ宣言にのりだす。だれもみんなきぬ子の美ぼうに圧倒され、声をのんで田島のいう「グッドバイ」に泣きくずれる、最後に女給のケイ子を訪れるが彼女は二人の姿をみただけで姿をくらます。まず計画は成功。いよいよ関根と共に船越邸にのりこむが、さて現れた令嬢はきぬ子にそっくり、田島はぎょう天する。しかし他人の空似と思ってこの美しい令嬢絹代に求愛する田島を絹代は--実はきぬ子だった--軽くおさえて外出してしまう。あとで絹代の実態を知って田島は、全く放心、最後の女ケイ子のところへたどりつく。裏切られ、しかもなお田島を愛するケイ子に田島の傷ついた心がいやされるかに思った日、絹代が現われ、こんな男でも「愛によって許す」ケイ子の姿を見、絹代はかつて信じ愛したがちょっとしたあやまちのために「グッドバイ」をいった青年、敬太を許すためにとび出した。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

5.0戦後間もない1949年日本に作られたモダンな喜劇

2020年7月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

『女性操縦法 “グッドバイ”より』

四つ又をかけているプレーボーイの雑誌編集者が、田舎者の女性をレディに仕立てて、妻と偽り、別れ話に使うことにしたが、後半にどんでん返しが・・なんせ69分の映画なのでテンポ良くザクッと進み、ギャグも快調でラストもきちんと伏線回収している。

高峰秀子の変身振りも笑える。デコちゃん恐るべし。名優森雅之こコミカルなコンビも快調。

この2人が5年後に成瀬巳喜男の超名作「浮雲」の腐れ縁ドロドロ男女を演じるのも驚愕。

敗戦から4年後の銀座和光付近や九段下の皇居の堀周りにオープンカフェ風のレストランがあったりと、当時の風景は古い日本映画ならでは、景観。

キャバレーや街角のセットは、なんだか安普請で微妙な出来だか、逆にシンプルでモダンに見えるから不思議だ。

監督の島耕二作品を最初見たのが、日本初のカラーで撮影されたSF映画『宇宙人東京に現わる』なので、そのSFセンスの無さに驚愕してしばらく敬遠していたが、 1939年から監督として活躍して叙情的な作品からヒットした音楽映画など量産したウデのある職人と再認識

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ミラーズ

他のユーザーは「グッドバイ(1949)」以外にこんな作品をCheck-inしています。