彼と共に去りぬ
劇場公開日:1948年5月16日
解説
製作は「愉快な仲間(1947)」「抱擁(1948)」の小倉浩一郎が企画し「懐しのブルース」の鈴木兵吾と「長崎物語」の長瀬喜伴の協同脚本を「地獄の顔」「長崎物語」の大曾根辰夫が監督する。演技陣は岸井明と森川信をのらくらコンビと名付け主演させるほか「不死鳥」「旅裝」の佐田啓二「秘密(1948)」の井川邦子、ニューフェイス原純子、志織克子が出演する喜劇映画。
1948年製作/69分/日本
配給:松竹・京都
劇場公開日:1948年5月16日
ストーリー
トラックの運転手の仙太と助手の亀吉はのん気なお人好し。とはいうもののミルクホールの看板娘お絹ちゃんに二人とも想いを寄せ、スキを見てはわがものにしようと飲みたくないコーヒーを何杯も飲む始末だった。ある日、トラックの掃除をしていると、顔立は良いのだが、薄汚いかっ好の青年が手伝ってくれる。「有難う」とお礼をいうと、その男はお腹がすいて動けないから何かたべさせてくれというのでミルクホールに連れて行き渋々と一杯のミルクを飲ませた。ところが宿無しの彼は、二人の下宿までついてきて何とか泊めてくれと頼み、とうとう三人の生活が始まった。この時一大事が起こった。お絹ちゃんがその男にほれて、二人をそでにしてハイキングに出掛けたのだ。仙太、亀吉は大憤慨!ところがもっと大事件が起こった。実はその男男装した春江だったのだ。驚いたり、喜んだりして二人は春江に洋服を買ってきたり、今までの非礼をわびた。またやっ介なことにこの二人は春江さんに恋をしてしまった。つまらぬ目にあったのはお絹ちゃんである。春江は家出をしたお兄さんを探すため田舎から上京したのだが、遂に一銭もなくなり止むなく男装したのだという。同情した二人は一生懸命に光村雄二を探していた。荷物運パンを頼まれた倉庫でヤミ物資と知って仙太、亀吉、春江の三人は拒絶したが、ピストルでおどかされた時、奮然と悪を捨てた雄二が大乱闘の末、三人を救った。再会を喜んだ春江、雄二は二人に感謝して、手に手を取り合って田舎に帰って行った。なんと二人は恋人だったのだ。ミルクホールでは再びお絹ちゃんを相手にコーヒーを飲む仙太、亀吉の姿が見られる。