仮面の街

劇場公開日:

解説

「金ちやんのマラソン選手」に次ぐ原研吉復帰第二回作品。

1947年製作/71分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1947年1月21日

ストーリー

東北のある小さな劇場では地方巡業も今日で終り一同荷物をまとめている。座員弘ちゃんはこの土地にいる母に会えるのを楽しみにしていた。座長ハル子に面会にきた栗原は、むかし彼女と同じレヴュー団で働いていたが、いまでは炭坑の所長秘書としてハル子一座に慰問演芸の依頼をする。ところが、彼は実は炭坑ストもみ消し対策に一座を利用する魂胆だった。そして一座を料亭に呼び組合の弱体化を計ったが、組合委員は課長連が一座の女優を芸者同様に酌を強いたりするので憤然として皆引上げる。弘ちゃんは母に未だ一座員であることを知られたくないと思うが、その気持を察したハル子は弘ちゃんと共に母に会い、彼を座長々々と呼び母を喜ばす。ハル子は栗原にむかしの想い出話をするが、彼は「今は人生観も変った」と冷笑する。しかしハル子と弘ちゃんに前身をばらされた栗原はついに昔の純真な彼に還り「慰問なんかどうでも良いから自分を皆と共に連れて行ってくれ」とハル子に頼む。彼女はいきなり栗原を殴り彼の態度を非難し、従業員一同に謝るべきだと言い捨てて舞台に立つ。「アルルの女」の群舞が終り、スポットの中にハル子が独り浮かんだとき、舞台のそでから聴き覚えのあるフリュートの音が流れてくる。栗原だ。ハル子は彼を舞台に引き上げる。栗原は皆に過去を謝し今後を誓う。やがてフリュートの音が静かに流れ出し、激しい拍手の中にハル子の美しい姿態が舞台を泳ぎ始める。

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