狸になつた和尚さん
劇場公開日:1946年11月19日
解説
「愛の一家」以来久方振りの春原政久監督作品。
1946年製作/75分/日本
配給:大映
劇場公開日:1946年11月19日
ストーリー
鳥の子村一番の旧家である宍戸家の当主敬左衛門の死により、その莫大な遺産相続権をめぐって奸智と陰謀が渦巻いていた。凡海は死んだ敬左衛門と俳諧仲間であり肝胆相照らし合った和尚である。今様一休であり仲々出来た坊主であった。折りも折敬左衛門の嗣子故敬太郎の遺族妻澄江が、一子敬一を連れて引揚で内地へかえり、凡海の観念寺へ宿泊した。実は敬左衛門の意志はこの澄江に遺産を譲ることにあったのであるが、秋山らの画策は公証人である小悪党兼由をして遺言状作成に当たり当然澄江と書かるべき個所に秋山邦子と書かせる。澄江は血縁の薄情に泣かされながらも凡海の暖かい心に励まされ敬一を守り生き抜こうとするが、世間は更に冷たかった。しかし敬左衛門が今わのきわに凡海に託された願いは凡海が手に入れた俳句帳に総て書かれてあった。そこで凡海は故人の四十九日法要の日一世一代の芝居をする。すなわち狸につかれた風を粧い小悪党共を向こうにまわし彼等の陰謀を一挙に暴き覆す、台風一過澄み切った青空の下。「踏まれても花咲く日あり母子草」と凡海和尚は敬左衛門の遺句を朗々と吟誦していた。
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