姫夜叉行状記

劇場公開日:

解説

瑳峨三智子が二役で主演する娯楽時代劇。角田喜久雄の原作を「紅あざみ」の鈴木兵吾が脚色し、「忠臣蔵 暁の陣太鼓」の倉橋良介が監督した。撮影は「江戸遊民伝」の服部幹夫。

1959年製作/95分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1959年8月23日

ストーリー

江戸は浅草。お多加は料亭“伊勢松”に仕立物を届けに行ったが、屋敷づとめの女中春野と名のる女に連れ出され行方不明になった。お多加の許婚で御用聞きの長次郎は、“伊勢松”の内儀お蝶を問いただしたが、お蝶は何も知らぬと言った。春野に連れ出されたお多加は、自分と瓜二つの琴姫に引き会わされ、姫が事情あってしばらく邸を抜け出さねばならぬから、その間、代りをつとめてほしいと春野に言われた。長次郎は子分の勘太とお多加の行方を探し、春野の兄閑斎の邸についた。邸に忍びこんだ長次郎は、発見されてお梶という中臈の部屋に逃げこんだ。なぜか、お梶は家人らを欺いてかくまってくれた。長次郎は忍んだわけを話した。翌日、お梶は庭先を歩く姫の姿を長次郎に隙見させた。お多加だった。お多加はひそかに抜け出し長次郎と手をとり合ったが、二人は意外にもお梶の手の者に捕えられた。お多加は春野側からお梶の側に移されただけだった。琴姫として振舞うのは勿論、風間玄蕃という旗本と祝言するようにと脅迫された。お梶から聞かされた琴姫の身の上とは--松平家の先代九十郎の妾腹の娘で、九十郎が急死し、十三歳の欣之助が跡目を継いでいる。九十郎の奥方お京の方と家老の風間新八郎が後見役を勤めていたが、二人は人目を忍ぶ仲となった。祝言の相手玄蕃は、新八郎の兄だという--。長次郎の主筋に当る町方同心前田紋弥は、長次郎の消息がとだえたのと、九十郎の死に怪しげな嘘を聞いていたのを考え合せ、松平家下屋敷に忍び、土蔵に監禁されていた長次郎を救った。その時、土蔵の壁に爪で刻みつけられている九十郎の側用人多聞の書いた血文字を読んだ。新八郎が松平家乗取りを策し、玄蕃と図って九十郎を謀殺、それを知った多聞を監禁したのだった。琴姫はこれに気づき、真相をさぐるため、また許婚の多聞を探すため、お多加を身代りに邸をぬけ出したのだ。お多加は玄蕃の屋敷へ嫁がされた。玄蕃がお多加を抱いた。が、琴姫だった。琴姫は玄蕃を刺した。新八郎とお梶も倒された。長次郎とお多加、多聞と琴姫が結ばれるのも間近だ。

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