闘争の広場

劇場公開日:

解説

全国学園新聞に連載された蔦原万亀雄の「仰げば尊し」から三輪彰と宮川一郎が脚本を執筆した、勤評問題と取り組んだ異色作。「殺人犯・七つの顔」「続 殺人犯・七つの顔 解決編」のコンビ三輪彰が監督し、鈴木博が撮影した。

1959年製作/80分/日本
劇場公開日:1959年6月19日

ストーリー

K市沖津小学校では勤務評定をめぐって、闘争態勢に入っていた。浜谷教師は勤評には反対であった。だが闘争とかストなどの行為に出ることにはさらに反対であった。ために他の教師達には色目で見られ勝ちであったが、恋人の木村先生は彼の態度に同情的だった。学校では連日勤評反対デモで検束された教師の即時釈放要求に関して職員会議がひらかれ、「断固断食ストを決行すべし」の声があがった。浜谷は極力反対したが、多数決で決行することになった。翌日警察署前に教師達が座りこんでストを敢行した。そこへ父兄同志会が、暴れ者の寅松を先頭になだれこんできた。だが温厚な原教育委員長の計らいで事なきを得、検束された先生も釈放された。教育委員側は、デモに参加した教師に減俸処分を申し渡した。そんな時に浜谷は、妹の初江が原の息子と関係が出来すでに妊娠していることを母から聞かされた。浜谷は時期が時期だけに悩むが意を決して原宅を訪れ、いきさつを説明し了解を得るが、その直後彼の減俸処分は除外されたと通知が来た。日頃彼を敵視していた連中は、裏切者という刻印を押した。そのため木村先生との間も気まずくなった。浜谷は十割休暇闘争のため子供達を犠牲にすることは反対だった。教師に反発する寅松の子・行雄に対しても暖い愛情を注ぎ、正しく導くという教師の使命を忘れなかった。教師側と同志会側の相剋は日一日激しさを増してきた。教師達が学校前にピケを張り気勢をあげている場所に、父兄同志会が殴り込んできた。その中で子供達はオロオロするばかり。これを見た浜谷はピケから離脱し子供達を助けて教室に入り授業を実施する。教師達は浜谷を裏切者として攻撃するが「教場を政治闘争の場にしてはならない」と自己の主張を固執し続けるのだった。その時寅松を先頭に同志会側が教室まで押し入って来た。浜谷は寅松に椅子で殴られ重態におちいる。これを見た行雄は日ごろ尊敬している先生を殴る父親に心を傷め、泣きながら帰る途中、汽車にはねられてしまう。急変事を知った寅松や教師達は始めて大人の非をさとった。数日後、全快した浜谷を始め教師たちは、原教育委員長の仲介で円満な解決策を見出した。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く